B的日常

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最近の食卓


モロッコ、アルジェリアなどマグレブ諸国の郷土料理「クスクス」。デュラム小麦から作られるそぼろ状のパスタ(クスクス・スムール)に野菜や肉を煮込んだシチューをかけて食べる。マグレブ地域を植民地支配していたフランスでもおなじみの料理で、インスタントのクスクス・スムールはどこでも安価に入手できるのだが、デンマークではそうもいかず、値段も高いのが残念だ。シチューに入れる肉は羊と鶏を取り合わせた。羊肉はデンマークではあまり使われない食材なので、店の品揃えはよくない。


クスクスにはふつう、薬味にハリッサ(Harissa)というスパイスのきいた唐辛子ペーストを添えて出す。これがないと、福神漬のないカレーライス、紅生姜のない牛丼みたいで物足りない。今回は近所のショッピングセンターに入っている割と大きなスーパーでハリッサを探したのだが、置いてなかった。市内にいくつかある中東系の食品店なら必ず置いてあるはずだが、スーパーとは正反対の方角で遠すぎるので断念して、自家製してみることにした。唐辛子の粉をぬるま湯でペースト状にして、潰したニンニク、クミン、コリアンダー、カルダモンなど家にあるスパイスを色々ぶち込み、さいごにオリーブ油を回しかけたら、それらしいものができた。なーんだ、簡単。これからは家で作ることにした。


中東系の総菜屋で買ったファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)をピタパンにはさみ、サンドイッチにした。ピタパンは買い置きがなかったので、ネットでレシピを検索して自宅で焼いてみたら、とても簡単にできた。最初にタネを高温で一気に膨らませると内部が空洞になり、ポケット状になってくれる。このポケットに色々なおかずを入れてサンドイッチにするわけだ。


ベトナムの牛肉煮込み「Bo Kho」。パリの中華街で買った「Bo Khoの素」(と、こだわってみたが、同じ商品はオーフス駅前のアジア食品店にも置いてあった!)があったので、グラーシュ用の牛肉を使って作ってみた。水溶きしたBo Khoの素でマリネした肉を焼きつけ、人参とともに長時間煮込むだけ。超お手軽。味付けは甘味がやや勝る醤油味でほのかに八角の香りがする。本場ではフランスパンを添えたり(植民地時代の名残りで、ベトナムのフランスパンは非常に美味だそう)、米でできた麵に合わせるそうだが、フランスパンも米麵も買い置きがなかったのでジャスミンライスを炊く。


帆立貝のソテー載せリゾット。相棒がフランスのTVの料理番組で見つけたものを、真似して作ってくれた。リゾット用のイタリア米は、パスタと同様アルデンテに仕上げると美味しいが、「アルデンテのリゾット」と「芯のある生煮えご飯」は紙一重なので、火の止めどころが難しい。


番外編。スーパーで売っていた折詰の寿司。3人前ほど入って50クローネ(850円)というのは物価高のデンマークでは格安なので、どんなものかと試しに買ったが、これが、もう...(涙目)。具は値段に見合っているというか、ツナマヨや卵焼きなど、すべて加熱済みのものなので鮮度の心配はないが、どうやら冷凍してあったらしく、寿司飯がボソボソとして激マズ。日本のコンビニだったら即座に廃棄対象になりそうなシロモノだ。こんなのを食べた地元の人に「日本のSushiって、たいしたことないじゃん」だと思われたら、大変に不本意である。

せっかくデンマークにいるのに国籍不明の食卓だが、毎日こんなものを(ただし持ち帰り寿司は除く)ローテーションで食べている。

# by bonnjour | 2010-01-28 11:19 | 暮らす | Trackback | Comments(8)

罰ゲーム第2弾? 極寒のコペンハーゲン紀行 その2

コペンハーゲン2日目。快晴だった昨日より雲が多いせいか、寒さも少し和らいでいる。ホテルを出てニイ・カールスベア美術館(Ny Carlsberg Glyptotek)に行く。「Glyptotek(彫刻美術館)」と呼ばれる通り、ビール会社のカールスバーグ(カールスベア)の2代目であるカール・ヤコブセンが集めた彫刻コレクションをもとに設立された美術館。

開館直前、美術館の前で扉が開くのを待つ人たち。

入場してすぐ、目の前に広がるのは見事なウィンター・ガーデンだ。ガラス張りのドームの下に、背の高いヤシをはじめとする亜熱帯植物が茂る中庭。イギリスの植物園のパームハウスと同様のコンセプトなのだろうが、北国ならではの南国への憧れを感じる。しかし、こんな寒冷地で天井の高いこの温室を維持する燃料は大変なものだろうと(地球には優しくなさそう)、変なところが気になってしまう。この中庭のために設けられたクーポラは、建物の外からもよく目立つ(一番下の写真)。


コレクションの柱は古代エジプト(ミイラもあり)、ギリシャ、ローマの美術品(主に彫刻)とエトルリアの出土品、ロマン派の絵画・彫刻と19世紀前半のデンマーク黄金時代の絵画など。カール・ヤコブセンがロダンのパトロンだった関係で、「考える人」「接吻」などのロダン作品も多数収蔵されている。

平面の絵画と違い、立体物の彫刻は四方八方からの鑑賞が可能なので、見るのにえらく時間がかかる。とりわけ古代ギリシャ・ローマの男性像は、その美しい臀部が鑑賞のポイントでもあるので(そう思うのは私だけ?)、正面だけでなく後ろや横からと、鑑賞に時間がかかるのだ。なかでも一番の美尻はギリシャ出土の某ヘラクレス像だった。

ヘラクレスといえば、2006年のスポレート音楽祭でヴィヴァルディ「Ercole su'l Termodonte」のエルコレ(ヘラクレス)役を、一糸纏わぬ姿で熱唱したアメリカのテノール、ザカリー・ステインズの肉体美を思い出してしまった。ギリシャ彫刻と同じで、ここまで鍛えられた美しい肉体だと、純粋にオブジェとして眺めることができるので安心だ(笑)。



あっというまに昼食の時間。美術館にもウィンターガーデンを眺める洒落たカフェが併設されているが、あまりに強気の価格設定ゆえ、いったん外に出て食べることにした。市庁舎近くの「北京亭」なる中華レストランに入る。こちらの中華屋によくあるビュッフェ形式。なお「串焼」の提灯はただの飾りで、メニューにはなかった(爆笑)。


昼食後は美術館に戻り、午後5時ごろまでゆっくりと鑑賞してから帰途についた。それだけ収蔵作品が多いこともあるが、この寒さでは街をぶらっと散歩という気にもなれない(というわけで、カール・ヤコブセンの要請で制作されたというコペンハーゲン名物、人魚姫の像はパス)。



帰りの列車では保温ボトル(タイガー社製)に入れたコーヒーが大活躍。朝、ホテルの部屋で作ったコーヒーが夜になっても飲み頃の温度で保温されているのは、たいした性能だ。

# by bonnjour | 2010-01-10 19:51 | 旅する | Trackback | Comments(14)

罰ゲーム第2弾? 極寒のコペンハーゲン紀行

年末年始に暖かい南仏へ帰省した記憶も新しいなか、帰宅して1週間もたたない1月9日にふと思い立って相棒と一緒にコペンハーゲンに1泊旅行してきた。行きはオーフスから出ている直通バス(フェリーを使って最短距離を走るので所要時間は列車とあまり変わらない)、帰りは鉄道。コペンハーゲン行きは公共の交通機関のほうが便利なので車を使ったことはないのだが、今回は車で行きたくても行けない理由があった。なんと、フランスまで乗っていった車を保険の関係で現地に置いてきてしまったのだ。何かと不便な地方都市での車のないサバイバル生活、なかなかの試練である。

まず、オーフス港からフェリーに乗って海を突っ切る。

フェリーは座席のスペースがゆったりと取られ、室内も清潔なので快適。内部には立派なカフェテリアもあるが、価格設定が「動く物体の中で供される飲食物はバカ高い」の例にもれないので、あらかじめアウトドア用の保温ボトル(タイガー社製のこれは優れもので、旅行中大変に役立った)にコーヒーを入れて持参した。


↓ こちらはバスの座席。2人掛けの席にまじってテーブルのある4人掛け席を設定している。このテーブルの下には電源コンセントも用意されていて、パソコン中毒の人にはうってつけ。


6時前という早朝に家を出たためバスでうつらうつらしていたら、すぐにコペンハーゲンに到着した。空港のあるコペンハーゲンは何度も通過しているが、市内に出るのはこれでやっと3回目だ。

首都だけあって大変に立派な(でもどこか田舎の匂いがする)街なのだが、折りからの大寒波で野外は凍りついている。寒いときに噴水なんて見ると、ますます寒くなる。



100メートル歩くごとにどこか暖かいところに避難したくなるので、デンマークが誇るこの有名ブランド店にも駆け込む。ところでこのブランドのWebサイトを今確かめたところ、デンマーク語、英語のほかに日本語に対応していてびっくりした。それだけ日本での人気が高いのだろう。店内の上階に展示されていた昔の作品は、凝ったフォルムと精緻な絵付けで圧倒される。なかでも、何種類ものキノコを植物図鑑顔負けの細かさで描いた「Flora Danica」シリーズは見もの。


結局、この日は歩行者天国になっている中心街をぶらついてから国立博物館でデンマークの歴史と文化を勉強(いや、本来の目的は「暖をとる」だったかも)した後は、あまりの寒さにホテルに戻り、夕食もパスして布団にくるまっていた。情けない。

# by bonnjour | 2010-01-09 10:16 | 旅する | Trackback | Comments(6)

年末帰省日記 その4:静かな田舎の村

相棒の実家は人口3,000人ばかりの小さな村にあり、東京で生まれ育った私には想像を絶することがたくさんある。

- 小学校はあるが中学から上の学校が地元にはなく、子供たちは近隣の町までバス通学する。
- 電車は通っていない。本数の少ない乗合バスか自家用車が便りだ。
- 商店はコンビニ的規模のスーパーが一軒あるだけで、日常の買い物は近隣のショッピングセンターに車で行く。
- 本屋がない。これが自分の地元だったら気が狂いそう。
- 医療機関は家庭医のクリニックがあるだけで、専門医にかかるときは近隣都市の病院に行く。

全体的に自家用車に頼っているライフスタイルで、徒歩と公共の交通機関を組み合わせて出歩く東京の人間からみると、運動不足の感が否めない。車で1時間ほどいくと都市圏人口152万を誇る大都市マルセイユがあるのだが、地中海最大の港町の喧噪とは無縁な、静かな田舎だ。

↓ 30年以上前に廃線になった鉄道。かつてはこの地方で採れるボーキサイトの運搬に使われた。


↓ 村の教会と、教会の壁に作りつけられた水道。ローマあたりだと冷たくて美味しい水が噴き出しているが、ここの水は水質に問題があり、現在は飲用不可。




↓ 教会の近くには野良猫の集会場がある。集会場近くにいた首輪のついているこの子は飼い猫のようで、妙に人なつこかった。


↓ 村はずれの古いチャペル。今は使われていない廃屋。



# by bonnjour | 2009-12-29 22:49 | 旅する | Trackback | Comments(12)

年末帰省日記 その3:胃袋マラソンの3日間が終わり

食べ物の話ばかりで情けないが、胃袋マラソンの3日間が終わった翌日、「食べ過ぎてお腹が重いから、今日はあっさりとしたものを」といって作った昼食がこれだ。


ステーキにフレンチフライとサラダ。

これのどこが「あっさり」なんじゃ、と突っ込みたくなる。

ステーキは消化に良いので胃が疲れたときに最適、と考えるのは肉食民族に共通の思考方法のようだが、七草粥という素晴らしく健康的なお正月明けの伝統料理を持つ日本人からみると、見ただけで胃が重くなりそうだ。とはいえ、このステーキを完食してしまった自分が嬉しいような、情けないような。

# by bonnjour | 2009-12-27 22:35 | 旅する | Trackback | Comments(6)

年末帰省日記 その2:食べ尽くす3日間

3日がかりで帰省先にたどり着いたのが24日の午後。その晩から25日、26日と3日がかりで親戚と一緒にご馳走を食べ尽くす胃袋耐久レースのクリスマスが始まった。義父母の家には私たち夫婦のほか、近くに住んでいる義母の両親と、アルプスの麓の町グルノーブルから帰省した義母の妹一家が集まった。相棒が子供の頃から、クリスマスはなぜかこの顔ぶれで、子供世代が独立してからも続いているのだそうだ。

相棒の母方の祖母は10代で結婚し義母を生んだが、義母がまだ幼児のころに初歩的な医療ミスから夫を亡くしてしまい(第二次世界大戦直後のフランスの田舎のこと、とんでもないヤブ医者に当たってしまったそうだ)、義母がハイティーンになってから今の夫と再婚し、さらに二女をもうけた。二十歳そこそこで最初の夫に先立たれて苦労したはずだが、晩婚の私の両親とは同世代ながら、なんとなく少女の面影を残す小柄でブロンドの可愛い祖母だ。

そんな経緯で義母の異父妹たちは相棒の叔母にあたるとはいえ同世代で、相棒とは子供の頃からいとこ同士のような付き合いだったという。今年は下の妹のV一家は来られなかったが、上の妹のCが旦那さんと二人の男の子を連れて参加した。この子たちは相棒のいとこにあたるが、まだ小学生と中学生だ。中学生は一人前に携帯を持ち(携帯の通話料がかさむので両親が怒っているとか)、これみよがしに友達と通話しているところなど、日本のコドモと変わりない。携帯やビデオゲーム、携帯音楽プレイヤーなど、電子機器が子供に普及する様子は洋の東西を問わないものだと変なところで感心する。

居間に飾られたクレッシュ(キリスト生誕シーンのジオラマ)。人形はサントンという南仏伝統の泥人形。


↓ 拡大図


南仏の伝統的な「13種のデザート」(キリストと12使徒の計13人を象徴するナッツやドライフルーツ類の取り合わせ)がサイドテーブルにいつも鎮座していているので、ついついつまみ食いしてしまう=体重増加。


クリスマスのテーブル。ナプキンの赤と黄色は、地元プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏の紋章の色。もとはプロヴァンス伯(アラゴン王)の紋章がルーツだ。郷土愛の強い義父母は、こんなところにもこだわる。


↓ これが地域圏の紋章。


3日間に食べたご馳走の例。順に生牡蠣、車海老のニンニク炒め、七面鳥のモモのロースト(クリスマスに丸ごとの七面鳥を焼く習慣は、ここにはないらしい)、付け合わせの野菜(貴重な食物繊維源)、豚肉のシベ(豚の血を混ぜた赤ワイン煮込み)、デザートのビュッシュ・ド・ノエル(薪型のクリスマスケーキ)。













# by bonnjour | 2009-12-26 07:07 | 旅する | Trackback | Comments(0)

年末帰省日記 その1:これは何の罰ゲーム?3日かけてフランスに到着


年末年始の帰省でデンマークを車で出発したのが22日の早朝。相棒の実家のある南フランスまでの距離は約2,000キロで(上記地図参照)、普通は飛行機を使うが、今回は今使っている自動車の車検を登録地のフランスで済ませなければならず、どうしても車で行く必要があった。途中で1泊すれば到着するはずの旅だったが、あいにく欧州を襲った大雪のため、車が思うように進まない。結局ドイツとフランスで1泊ずつするはめになり、3日がかりで帰省先にたどり着いたのは24日の午後3時過ぎだった。


↑こんな雪景色を延々と見ながら、ノロノロ運転。途中で、よほど引き返そうと思ったがじっと我慢して南を目指して進んだ。とりわけデンマーク国境に位置するドイツのフレンスブルク周辺の雪がすごかった。

ドイツの高速道路のドライブインで食べたグリュンコール(ケール)の煮込みとソーセージ。この量(少ない)と内容で10ユーロ(1,300円)は高速道路価格か?でも、雪の降る寒い日にはもってこいの料理。



旅のお供にiPodと小型スピーカー。相棒の車は93年に新車で購入したものをかれこれ15年以上使っており、カー・オーディオはカセットデッキだ。近代的な(笑)オーディオ装置は自分で持ち込むしかない。


1日目の夜は、ドイツのデュッセルドルフとケルンの中間地点でホテルを見つけ、宿泊した。今回は行程の予測がつかないので、高速道路をひたすら走り、夜になったところで高速周辺にあるホテルを見つけ、飛び込みで泊まることにした。


ホテルのレストランで地元のビールを飲んで一息つく。やっぱりドイツはビールが美味しい。


ドイツのホテルは、部屋の清潔度に当たり外れがないのが助かる。


2日目はドイツからルクセンブルクに入り、税金の関係で他国より安いガソリンを目一杯給油する。ルクセンブルクに入る直前にガソリンタンクがほぼ空になるよう、事前の給油量を調節するのが腕の見せ所(笑)。

国土の小さいルクセンブルクをあっというまに通り過ぎると、やっとフランスに入国。高速の売店で売っているバゲットの値段の安さに感激する(ルクセンブルクでは1ユーロ75、フランスでは1ユーロ10。ちなみにデンマークのパン屋では2ユーロ80前後)。ユーロ導入以来、物価がどんどん上昇しているフランスだが、食事の基本にあるバゲットだけは価格が低く抑えられており、割高な高速道路でもこの値段だ。デンマークで買い込んだハムやチーズをはさんでサンドイッチを作る。


フランスの高速道路を延々と南下するが、そこそこ広い国土を持つフランスのこと、なかなか南端にはたどり着かない。ドライブインで高い・不味いの夕食をとった後は、2泊目の宿を探す。


ドライブインで食べた23日の夕食、メルルーサのムニエルと付け合わせ(カフェテリアで好きなものを選ぶ)のホウレンソウとご飯。ムニエルは見本の写真よりかなり小さく(これはよくあること)、ホウレンソウは煮すぎて味がなく、ご飯は東南アジア風の不思議な香りがする。あのフランスで、どうしてここまで不味いものが作れるのか謎。高速道路という競合相手のない商売だと、グルメ国といえども手を抜いちゃうのだろうか。相棒はアンドゥイエットという臓物ソーセージを食べる。高速道路のカフェテリアで食べる安物のアンドゥイエットは、日本の「くさや」(これは大好物)とよい勝負の動物系の強烈な臭気で私にはどうしても無理な味である。

高速道路を走っていたら「ホテル」の看板が複数見えたので、そこで高速を降りてホテルを探す。値段の安さと「Wifi接続無料」につられてレストランとホテルを兼業しているこの店 ↓ に決めた。降りてみてわかったのだが、そこは新酒で有名なボージョレー・ワインを生産しているBelleville-sur-Saôneという町だった。



3日目にやっとフランス南東部の主要都市、リヨンを通過できた。高速道路の表示に「マルセイユ」の文字を見つけたときはうれしかった。


高速道路から見えたローヌ川。フランス南部を流れて地中海に注ぐこの川の流域では、美味しいワインがとれる。


# by bonnjour | 2009-12-24 00:46 | 旅する | Trackback | Comments(17)

クリスマスのショッピング

久しぶりの晴天。もうすぐ相棒の実家に帰省するので、義父母へのクリスマス・プレゼントを買いに中心街まで出る。

今週降った雪がまだ消えず、ちょっと歩きにくいが、見慣れた風景に雪が乗っかると、なかなか風情がある。


ブリューゲルの雪景色を、ちょっと思い出させなくもない。


Vor Frue Kirke(聖母教会:写真中央の塔のある建物)の周りも雪化粧。見た目は美しいが、冷凍庫の中にいるみたいで足元からしんしんと冷える。


歩行者天国になっているショッピング街。アパレル関係はH&M(スウェーデン)、Zara(スペイン)、Esprit(ドイツ&香港)など、国際展開のチェーン店が多くてあまりデンマークらしさを感じないが、至るところにある北欧デザインのキッチン用品の店はご当地ならではだろう。


義父母へのプレゼントには、ちょっと洒落たテーブルナプキンを1ダースほど、と考えていたのだが、どうやらデンマークではカラフルな紙ナプキンが全盛のようで、布製のナプキンはなかなか置いていない。専門店やデパートなど、6~7カ所の店を回ってやっと探し当てたのは、デンマークのジュエリー・ブランド「ジョージ・ジェンセン」のテキスタイル部門「ジョージ・ジェンセン・ダマスク」。これが品質も高級なら値段も最高級で、プレースマット2枚とナプキン4枚の2人用セットが1,000クローネ(約1万7,500円)と、すでに予算を倍もオーバーしている。

そこで作戦を変えて、デパートで見つけたプレースマットとコースターのセットにした。なぜかニュージーランド製。そして絵柄はなぜかフランス・ワイン。デンマークから持っていくプレゼントなのに芸がないなあと思ったのだが、この手の絵柄が義父母の好みだから、という相棒の直感を信じることにした。



本屋のウィンドウもクリスマス向けにディスプレイ。でも、プレゼントに本を贈るのは難しい。男性へのネクタイ、女性への香水と同じく、本のプレゼントは贈る相手のことをかなりよく知らないと見当外れのセレクションになってしまいそうだ。

# by bonnjour | 2009-12-19 01:48 | 暮らす | Trackback | Comments(7)

雪景色

高緯度にありながら、めったに雪が降らないオーフスだが、昨夜から降り続いた雪で一面がぼってりした白い毛布で覆われた。

↓ 右手奥の遠景に見える工業地帯のようなものが港だ。


寒いときにはグラタン類が美味しい。カリフラワーをベシャメルソースであえて、グリュイエールチーズをかけて焼いた。冬はカリフラワーや芽キャベツなど、アブラナ科の野菜が旬で値段も手頃なのでうれしい(といってもユーロ換算するとドイツの倍くらいの値段がついているので萎える...)。


ほかにアブラナ科では、今のキャベツ、カリフラワー、コールラビ等の原種で「青汁」の原料としても有名なケール(ドイツでGrünkohl、デンマークでGrønkålと呼ばれる濃い緑の葉野菜)もこの季節に出回るが、青汁の「まずい、もう1杯!」のイメージが強すぎて、上手に料理する自信がなく、自分では買ったことがない。でもケールをくたくたに煮込んでソーセージを添えた料理はドイツ名物で、見た目は悪いが栄養たっぷりで美味しい。

↓ 肉料理に添えられた、煮込んだケール。



↓ 冬の間のビタミン源として皆の健康を守ってきたケール君。日本語ではハゴロモカンラン(羽衣甘藍)という典雅な名前がついている。

# by bonnjour | 2009-12-16 00:00 | 暮らす | Trackback | Comments(10)

バッハのクリスマス・オラトリオ

街は電飾やツリー、アーモンド菓子を売る屋台など、クリスマス色が一杯なのだが、季節用品はあらかた実家に預けたまま仮住まいの私たちのアパートは特別な飾り付けをしているわけでもなく、殺風景な感じ。せめて耳だけでもクリスマスの気分を味わおうと取りだしたのは、ハルモニア・ムンディから出ている、こちらのディスクだ。


J.S.バッハ、クリスマス・オラトリオ
ルネ・ヤーコプス(指揮)
RIAS室内合唱団
ベルリン古楽アカデミー
ソリスト: ドロテア・レシュマン(S)
      アンドレアス・ショル(CT)
      ヴェルナー・ギュラ(T)
      クラウス・ヘーガー(Bs)

まずジャケットに惹かれる。趣味のよい絵を使ったハルモニア・ムンディ盤は、いわゆるジャケ買いの人も多いのでは? そしてヤーコプスの指揮のもとに集まったドイツ系の豪華ソリストの顔ぶれも魅力的だ。とりわけアルト・パートを歌っているショルは録音当時29歳と若いが、大変に安定した歌唱でその後の活躍もうなずける。ベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団による質実剛健な演奏をきいていると、ドイツのどこかの教会でクリスマス礼拝に参加しているような気持ちになってくる。

ただ、教会音楽は礼拝で使われるために書かれた実用品なので、演奏会で一気に聴くより、実際の典礼の最中に聴いたら感動もひとしおなのでは、とないものねだりの気持ちもわいてくる。この曲も、降誕節第1祝日(12月25日)から顕現節(1月6日)まで、6回の祝日用に書かれたもので(バッハによる初演では、ライプツィヒの聖ニコライと聖トーマスの2つの教会を行き来して演奏された)、それを演奏会で通して演奏すると3時間近くにもなる。

この作品の多くの部分は旧作のカンタータのメロディを流用し、歌詞を入れ替えた「パロディ」だが、それでいてひとつの独立した世界を構築しているのはさすがだ。第1部第5曲のコラール「Wie soll ich dich empfangen(いかにしてかわれは汝を迎えまつり)」と、第6部第64曲のコラール「Nun seid ihr wohl gerochen(いまや汝らの神の報復はいみじくも遂げられたり)」は、同じバッハの「マタイ受難曲」のコラール「O Haupt voll Blut und Wunden(血潮したたる主のみかしらよ)」と同じメロディ(下記楽譜)を使用しており、後に起こるイエスの受難を象徴しているという説もある。


この旋律は、もとをただせばドイツの作曲家ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612)の「Mein G'muth ist mir verwirret(わたしの心は千々に乱れ)」という恋愛歌から取られたものだ。人々に馴染んだ旋律が別の曲に転用された当時の習慣とはいえ、見事なリサイクルぶりに驚く。

クリスマス・オラトリオ全曲のスコアはこちらのIMSLP/Petrucci Music Libraryサイトでダウンロードできる。

ディスクのジャケットの絵は、ルネサンス期のヴェネツィア派の画家、ジョヴァンニ・ベッリーニ(c. 1430 – 1516)の「イエスの神殿奉納」(1460-64)。原画は80 cm x 105 cmのテンペラ画だが、ジャケットでは聖母マリアと幼子イエスの顔だけがトリミングされており、画面のひび割れも含めて原画のタッチが鮮明に出ているのも趣がある。

↓ こちらが原画。登場人物が一列に並ぶ構図は、舞台劇を見ているようだ。

解説と対訳が英独仏の3ヶ国語で書かれたブックレットも充実している。美麗な絵画の写真多し。


↓ ディスクの音源がYouTubeにあったので、貼り付けておく。降誕節第1日-第9曲:コラール「Ach, mein herzliebes Jesulein」(ああ、心から愛する幼子イエスさま)。



【追記】 パリ在住のCさんが、先週の土曜日にシャンゼリゼ劇場で行われたジャン・クリストフ・スピノジ指揮、アンサンブル・マテウスによる「クリスマス・オラトリオ」の演奏会に行ってらした。ソリストとして登場したナタリー・ドゥセが素晴らしかったとのこと。このディスクのようなドイツ色の強い演奏もいいけれど、パリで聴くフランス人演奏家主体のバッハも面白そうだ。

# by bonnjour | 2009-12-14 19:46 | 聴く&観る | Trackback | Comments(8)

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