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イタリア旅日記: ヴェローナは駆け足で

今回の旅行プランを立てたとき、まずパリから格安航空券で行ける目的地としてベネチアとミラノを選び、その間を周遊することにして、途中下車すべき都市を探した。建築家パラディオの作品が街中に残るヴィチェンツァや、ジュリオ・ロマーノの大迫力壁画が待っているマントヴァ、そしてちょっと遠回りになるがフィレンツェなども心ひかれたのだが、今まで不思議と縁のなかったヴェローナに行ってみるかと、少々消極的な理由で行き先を決めた。

街中がテーマパークじみたヴェネチアから列車で1時間あまり。ヴェローナに着くと、北イタリアらしい、豊かでしっとりとした街が広がっていた。


ヴェローナは夏の野外オペラで有名な場所だが、シーズン外れに訪れるのも静かでいいものだ。


ローマ時代を起源とするエルベ広場。広すぎず、狭すぎず、広場としてはちょうどいいサイズ。手前の柱の上に載っている、翼のある獅子で表された聖マルコはベネチアの守護聖人だが、この街は、かつてベネチアに支配されていたのだ。


15世紀に作られた階段は、まだ現役。


ジュリエットのモデルになったカプレーティ家の令嬢の家が「ジュリエットの館」として公開されている。外観だけ眺めて、入らなかったけど。


ロマネスク様式だった建物をゴシック様式に改築し、さらに後でルネサンスの味を付けたドゥオーモは、内部に入るとティツィアーノの聖母被昇天図があったりして、各様式てんこ盛りの不思議な調和が珍しくて、思わず長居してしまった。


14世紀後半に建てられたカステル・ヴェッキオは、建築家カルロ・スカルパが原型を生かした改修を行い、今では市立美術館として活用されている。ベネチア派やヴェローナ派の珠玉の作品が所蔵されていて、イタリア地方都市の文化的底力を感じさせる美術館。


メニューに北イタリア名物のボリート・ミスト(茹で肉の盛り合わせ)があったので飛び込んだレストラン。外からは分からなかったが、中に入ったら室内装飾も洒落たちょっと高級路線の店だったので、一人で入ってちょっと後悔。ボリート・ミストは大変に美味だったが、一人前のポーションがドイツやデンマーク並み(笑)だったので(しかし味はずっと繊細)途方に暮れた。健啖家の威信にかけて、一応、完食。
# by bonnjour | 2012-02-02 09:22 | 旅する

イタリア旅日記: 極寒のベネチアで

ベネチアは今日も極寒だ。海から吹いてくる風が強くて、それが体感温度を著しく下げている。実は当初、旅行先を冬でも暖かそうなリグーリア海岸にしようかと思っていたのだが(チンクエ・テッレの観光写真が刷り込まれていたせいだ)、今はシーズンオフで交通の便も悪いということで思い直した。そして今日、テレビニュースで見たら、リグーリア州の州都ジェノバが大雪に見舞われていた!なんということ。


泊っているホテルはゲットーの近くなので、今朝はそこから散歩を開始した。ベネチアのゲットーは、言わずと知れた「ghetto」という言葉の語源になっている。上の写真は、ゲットー地区にあるGhetto Nuovo広場。この地区出身でホロコーストの犠牲になった人々に捧げる記念碑などもあり、彼らの辿ってきた苦難の道を否が応でも感じさせる場所だが、パレスチナで起きていることを考えれば、誰が善玉で誰が悪玉かという単純な図式は成り立たないのが、宗教問題や歴史の複雑なところだ。



ゲットー地区には、当たり前だがコーシャのレストランや菓子店なども目につく。

ゲットーを抜けて、ティエポロの作品があるSant'Alvise教会へ。この教会を含めてベネチア教区の16の教会の共通入場券(10ユーロ)というやつを昨日、購入したので、それを消化するのが今日のテーマ。鐘楼や宝物殿でなく、宗教施設である教会に入場料を課しているというのは新鮮な驚きである(ただしこれは見学者用で、ミサの時間にやってくる信徒は当然のこと、入場無料である)。

その後、ティントレットの作品と墓所があるMadonna dell'Orto教会、色大理石の細工が美しいSanta Maria dei Miracoli教会、壮大なSanta Maria Formosa教会など、近隣の教会を次々と巡りながら、ひたすら頭に浮かぶのは「寒い!」「ト、トイレはどこ?」。外を歩くうちに身体の芯まで冷えてしまい、これまた底冷えのする教会で名画を鑑賞するのは困難なことであった。


せめて暖かい室内に入りたいと思い、午後はアカデミア美術館で大量のベネチア派絵画と向き合う。建物を改装中ということで、この美術館の呼び物であるジョルジョーネの「嵐」をはじめとする人気作品が、臨時に1つの展示室に集められていたのは少々興ざめだった。


最初の予定では、ベネチア発祥の地、トルチェロ島に船で渡ろうと思ったのだが、あまりの寒さに挫折した。この天気の中、蒸気船で片道40分というのは萎える。島行きの船が出ているFondamenta Nuovo(「新河岸」)からは、島全体が墓地のサン・ミケーレがよく見える。以前、夏に行ったとき、この墓地島に葬られているディアギレフに挨拶しに行ったのだが・・・。


サンマルコ広場にある有名カフェ「フローリアン」は、今やリッチな中国人旅行者のたまり場のようだ。


ベネチア版物干し台(アルターナと呼ばれる屋上の木造テラス)は、高級物件の証だそうだ。昔のベネチアを描いた風景画にも、このテラスはたびたび登場する。
# by bonnjour | 2012-01-31 08:29 | 旅する

イタリア旅日記: ベネチアに着いた

パリからeasyJetの激安便でひとっ飛び、ベネチアに着いた。ホテルはバス・ターミナルになっているローマ広場から徒歩圏なので、マルコ・ポーロ空港からはバスに乗った。乗車前に切符を買い、バスの中で刻印しようとしたが、うんともすんともいわない。運転手さんが乗り込んできたので、機械が動かないとイタリア語で言ってみたが(この台詞はイタリア旅行に必須なので覚えている)見事にスルーされた。イタリアに来た!という実感がわく瞬間である(笑)。仕方ないので、そのまま乗る。




ローマ広場のそばにあるスーパーで飲料水など買いこみ、ホテルに向かう。レビューで「とにかく見つけにくい場所にある」と書かれていた通り、番地が飛んでいる上にベネチア特有の狭い路地の先にひっそりと位置していたが、奇跡的にすぐ見つけることができた。

シーズンオフなので、シングル1泊40ユーロという激安料金だが、これがハイシーズンになると250ユーロまで上がると、部屋に掲示された料金表にあった。実はベネチア行きを決めたとき、経済的ホテルでも1泊150ユーロ程度するのではと覚悟していたのだが、シーズンオフにこれだけ値引きしているとは嬉しい驚きである。今まで、ベネチアにはハイシーズンにしか来たことがなかったので、その相場が刷り込まれていた。



ベネチアは、どう写真を撮っても絵葉書風になるのが良いところでもあり、悪いところでもある。これはホテルの近くの運河。


ホテルに着いたのが午後4時過ぎで、観光を開始するにはちょっと遅めだったが、夕方6時まで開いているサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に行ってティツィアーノやジョヴァンニ・ベッリーニらの聖母像(こうした大画家の作品が競作という感じで並んでいるのは壮観だ)、ドナテッロの洗礼者ヨハネ像(傑作!)などを鑑賞する。こうした作品は、聖堂の中で見るのが一番なのは、日本の仏像と同じだ。




夜のサンマルコ広場にも行ってみたが、とにかく寒い。シベリア寒気団のせいだろうか。でも、ホテルも飛行機も激安の冬のベネチア。寒いのは仕方ないのかもしれない。
# by bonnjour | 2012-01-30 17:39 | 旅する

ルルド旅日記

昨年の夏の京都旅行以来、放置プレイしてしまった当ブログだが、今回思いがけない縁でフランスの聖地ルルドに行くことになったので、旅日記など書いてみたい。

昨年は夏に日本に帰った後、ドイツ(ボン)=>フランス(パリ)と移り住み、なかなかに刺激的な1年だったが、その時の様子も備忘録を兼ねて、おいおいブログに記していきたい。


1858年、ピレネー山脈の麓の村、ルルドで14歳の少女ベルナデットの前に聖母マリアが出現し、泉に行って水を飲み、身体を清めるようにとのお告げを伝えた。この村は後に一大巡礼地に発達した。沐浴場(右手)の奥に見えるのは聖母出現の洞窟の上に建てられたバシリカ。


聖母のお告げを各国語で書いた看板。ちょっと下手な字だけれど日本語もある。


洞窟の壁に安置されたマリア像。日本のカトリック教会の構内にも「ルルド」と称して、この洞窟の模型がよく作られる。


洞窟の上に建てられたバシリカ。あんなに重いものを建てて洞窟がつぶれないかと不安になるが、岩盤が固いのだろうか?


バシリカに通じる参道。ここ一帯が聖域になっている。
# by bonnjour | 2012-01-27 17:03 | 旅する

京都をあちこち

ホテルの宿泊プランに市バスの一日乗車券が付いていたので、それを使って市内をあちこち見て回った。

そのホテルというのが、三条大橋の近くに最近オープンした「デザイナーズホテル」(ホームページのうたい文句より)で、全館禁煙なのと、オープン記念料金で格安だったので予約した。

・・・しかしホテルの入り口にこんな案内板を発見。もしや、私はとんでもない間違いをしでかしたか?



部屋(シングル)はこんな感じで、しごくまっとうなツーリスト向けホテルだし、ベッドもちゃんと四角形だし(<==円形の回転するベッドって今は絶滅危惧種なんでしたっけ?)、テレビのチャンネルも真面目な局しか入っていないようなので、思い過ごしということにしよう。




市バスでまず向かったのは、超有名な観光地。




高いところにあるせいか、舞台の上を涼しい風が吹き抜けて、大変に快適だった。

ここでは浴衣姿の観光客を多数発見。このお嬢さんたちは、どうやら韓国からのお客さんらしい。プロに着付けてもらったようで、とてもよく似合っていた。




その後、口から阿弥陀が飛び出すシュールな空也上人の木像がある六波羅蜜寺に回る。




↑ 著作権切れ画像につき不鮮明な点はご容赦を。

↑ ううう、地名が読めない。(答え:西ろくろ町)

天狗に会いに(笑)鞍馬山に行こうと叡山電鉄が出ている出町柳まで行ったのだが、遅くなってきたのと料金が片道410円で微妙に高いのとで気持ちが萎え、予定変更して「哲学の道」を目指す。鞍馬寺から貴船まで、1時間ほどの山道下りが好きで、何度も訪れている。地面から浮き出た太い木の根が蛇のようにとぐろを巻いて、異界の雰囲気を醸し出している不気味な場所だ。一度など、出張の後に書類カバンを提げたまま、スーツ姿で山道を歩くという馬鹿なこともやった。

哲学の道は琵琶湖疏水沿いの、全長2キロほどの小道。西田幾多郎がよく思索にふけりつつ散策したところから、その名がついたそうだが、凡人の私は、この後はどこに行こうかとか、今晩は京都らしいものが食べたいなとか、雑念ばかりがわいてくる。水辺だけあって、涼しいのは何よりだった。




↑ 哲学系ネコ集会。

その後、南禅寺から蹴上に向かい、インクライン跡や蹴上発電所を見て回る。水力発電の発祥の地、蹴上周辺は、産業遺跡好きには、たまらないポイントだ。うっかりして南禅寺境内にある、ローマの水道橋のミニチュアみたいな「水路閣」を見るのを忘れたのは残念だ。






仕上げは先斗町で夕食。その途中で見た鴨川の夜景が心に残る。


# by bonnjour | 2011-08-01 22:34 | 旅する

レールパスでディスカバー日本

今まで里帰り時には東京から外に出ず、旅行というと台湾に三度も行ってしまったが、今回はJRのジャパンレールパスなる、外国人旅行者と海外永住日本人向けに出しているお得な鉄道パスを使い、関西方面を旅行している。昨夜、神戸から京都に着いた。



神戸を訪れるのは95年の震災後初めて。震災の傷跡を少しも感じさせない繁栄ぶりに安心する。今回の東日本大震災は、津波と原発事故という悪条件が重なっているので、阪神・淡路大震災の復興と比較するのは適切ではないかもしれないが、東北の復興を祈るばかりだ。

盟友・Nさんに異人館のあたりを案内してもらい、垢ぬけてモダンな神戸に敬服する。






実はその前に、同じパスを使って名古屋に1泊で行ってきた。


徳川園。日本庭園が素晴らしい(でも時間がなかったので、外からさっと眺めただけ)。


味噌カツは外せない。

実は今回のジャパンレールパス活用の旅は、コンサートを追いかけながら日本を再発見しようというテーマなのだが、コンサートの感想については次回、ゆっくりと書いてみたい。


# by bonnjour | 2011-08-01 10:20 | 旅する

いきなり反省図から


Georges de La Tour (1593-1652) "Madeleine en pénitence"
― ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作 「悔い改めるマグダラのマリア」


いきなり、上記のような反省図から始めないといけない。(反省を表現した画像をいろいろ検索してみたが、やはり、愛するジョルジュ・ド・ラ・トゥールの、この作品がよいだろう)。
4カ月以上、このブログを放置プレイしてしまった。

3月はじめにデンマークからドイツのボンに引っ越し、短期契約できる無線インターネット接続サービスに申し込んだが、データ送受信量に制限があり、ブログ更新もままならなくなった。そうこうするうちに、あの大震災と原発事故が起きた。その瞬間に国外にいたとはいえ、大げさにいえば人生観を揺るがすような大事件であり、さまざまな思いが交錯して心が乱れた。そして、自分だけが海外の安全な場所にいるという後ろめたさ。もう、ブログをゆっくり書く心の余裕もなく、ネットはもっぱら原発事故の情報を収集するツールになった。

いまだ進行中のこの災害と事故は人々の世界観をがらりと変えてしまい、すべてのものが「震災前」と「震災後」に二分されるような気がする。

さて、5月末にボン滞在をいったん中断し、フランスの相棒の実家に引っ越し荷物を仮置きした後、6月半ばには二人で東京にやってきた。都内の私の実家に身を寄せ、相棒は共同研究者のO先生のいる都内の大学に1カ月滞在し、私はいつも通りの内職をこなす毎日。東京に着くなり、かなりの猛暑ですっかりバテてしまい、あまり外にも出ず、友人たちにも連絡せず、という悪しきひきこもりの生活だ。

今週のはじめに相棒は一足先にフランスの実家に戻った。私は8月半ばまで東京に滞在した後、合流する。8月末にはまたボンに引っ越し、そこに2カ月滞在した後はパリに3カ月、という気が狂いそうな細切れのスケジュールが待っている。引っ越し貧乏、をまさに地でいく私たちだが、これも何かの縁、遊牧民族みたいな生活を楽しむ余裕をもちたい。
# by bonnjour | 2011-07-27 18:01 | 暮らす

ボンのアパート

これから3カ月のボン滞在中に住むアパートは、中心部から5キロほど離れた場所にある。地名に~dorf(村)とあるのがまさに名は体を表すで(1969年にボン市に編入されるまでは実際、村だった)、教会や役場のある一画を中心に集落が形成されているさまは、昔ながらの村落を思わせる。アパートから教会広場に行く道すがら、こんな素敵なものを見つけた。


これは農家の直売所で、取り扱い品目はジャガイモ、野菜、果物、放し飼い鶏の卵。ジャガイモが他の「野菜」と区別されて一ジャンル扱いされているのは、さすがドイツだと妙に感心する。

家主のT夫妻はボンでなく、車で1時間ほどのデューレン市に住んでいる。ご主人はそこで精神科医を開業しているとのこと。T夫人からは、部屋の引き渡し時に、入口のドアは静かに閉めるように、とか暖房用ラジエーターの目盛りを寝る前に「夜間モード」(月のマークが目印)にして省エネに務めるようにとか、具体的かつ細かい心得を色々ときいた(相棒は「さすが仕切りやのドイツ女性だ」と苦笑)。T夫妻は、このアパートを専ら短期滞在の外国人研究者に貸しているそうで、過去の借主の中にはドイツ人の想像を絶する生活習慣をもった人もいたのかもしれない。



アパートは窓が大きく取ってあって、外の光が一杯に入ってくるのが気持ち良い。窓の前にあるデスクをさっそく占領して仕事スペースにした。インテリアに少々、ちぐはぐ感が感じられるのは、とりあえず色々な家具を寄せ集めて家具付きアパートに仕立てた結果かもしれない。でも応接セットの白いテーブルとワゴンに、私が持ち込んだ赤い敷物を敷いたら、ちょっと可愛くなった。果物の籠と酒瓶も、もちろん持ち込みだ。これは、マーキング行為の一環(笑)。




# by bonnjour | 2011-03-01 08:51 | 暮らす

夜行列車で空港へ。体力勝負の引っ越し

デンマークからドイツへの引っ越し当日である。相棒は日曜の早朝5時半に、引っ越し荷物を満載した自家用車でドイツめがけて出発した。一方、車に積みこめなかった荷物を持って飛行機で移動する私は、今まで住んでいた大学の宿舎を掃除し(律儀な日本人なので、こういう場面では掃除に熱が入る)、忘れ物がないか戸棚の中を最終チェックした。夜11時という変な時刻に地元駅を出るコペンハーゲン空港行きのインターシティに乗るまで、時間はたっぷりあるが落ち着かない。

↓ 熱が入った掃除の成果。なんだか退去するのがもったいなくなる。

コペンハーゲンからケルン/ボン空港まで、片道70ユーロというgermanwingsの格安便(ただし諸経費を入れると結局90ユーロ近くになるのが、この手のビジネスの常套手段だ)を買ったはよいが、出発時刻が朝の8時台だった。当日朝に自宅を出るのでは、到底間に合わない。かといって前日入りして室料がバカ高いコペンハーゲンのホテルに泊まるのも、格安航空便を使う意味がなくなってしまう。というわけでエコノミー派の私に残された選択肢は夜行列車ということになる。体力勝負だなあ。


午前3時過ぎ、コペンハーゲン空港駅に到着(上の写真)。同じことを考えている旅行者が続々とホームに降り立つ。これから4時間ほど、20キロのスーツケースを抱えて時間をつぶさなくてはいけないのは気が重いが、持参したホットコーヒー入り魔法瓶とiPodに入れた音楽と本とで、退屈な時間をなんとかやり過ごした。ちなみに「The Guide to Sleeping in Airports 」という、空港で夜明かしする人のクチコミ・サイトでは、コペンハーゲン空港の評判は上々だ。デンマークの治安が全体的に良好なこともあるが、確かに明るく機能的で、セキュリティもきちんとしている空港だ。そのあたり、怪しさ満点の早朝のパリ、シャルルドゴール空港(成田発のエールフランスの夜行便が早朝4時過ぎに到着するので日本人にはお馴染み)とは対照的。

↓ 空港内のセブンイレブン前のベンチ群が夜明かしに最適。24時間営業なので終始人通りが絶えず、安心して過ごせる。手前のカートの右端に載っているのが寒い季節の旅の友、魔法瓶。

飛行機に乗るまでは体力と忍耐力が必要だったが、朝10時過ぎにケルン/ボン空港に到着した後は楽ちん。車で迎えにきてくれた相棒に荷物を託し、その日の午後は新しいアパートで昼寝というには長すぎる睡眠をとった。
# by bonnjour | 2011-02-27 07:23 | 暮らす

デンマーク名物Stegt flæskを初めて食べた

デンマーク滞在最後となる土曜の晩は、市庁舎の近くにあるデンマーク料理を出す老舗レストランRaadhuus Kafeenに行った。実は3年間の当地滞在で、デンマーク料理をレストランで食べるのはこれで2度目。外食のときには素朴でこってりしたデンマーク料理より、レストランでしか食べられないような凝った料理か、当たり外れの少ない中華やエスニック系の店に行くことが多かった。でも最後の晩くらいはデンマークの食生活に敬意を表して地元の料理を食べておきたい。

ということで今まで食べたことのなかったStegt flæskという、デンマーク名物の豚肉料理を頼んだ。 これは脂たっぷりの豚のバラ肉厚切りに塩をすりこんでカリカリになるまで焼いた、カロリーと脂肪分、そして塩分を想像したら卒倒しそうな料理だ。スーパーの精肉コーナーには必ずこれ用のバラ肉の塊が売られているが、私はいつもそれを横目で眺めながら、なるべく脂身の少なさそうな別の部位を買うことにしていた。さて、あの恐ろしげな脂身だらけの肉が、どんな料理になって登場するか、楽しみだ。


銀のトレイに載って登場したStegt flæsk(これで一人分)は、日本なら4人前として出せそうな超大盛り。まずは量に圧倒されてしまう。そしてこの料理に付き物の、パセリがたっぷり入った白いソースが添えられている。あとは茹でジャガイモとビーツの薄切り。香ばしく焼けたバラ肉の一片をかじってみると、ビールによく合いそうな塩気と脂気が充満している。豚肉の主要生産国であるデンマークならではの、素材を生かした料理だ。ソースも、フランス料理あたりの手の込んだものと比較すると、いかにも素朴な家庭料理といった感じ(なので、外食費の高いデンマークのレストランでわざわざ食べるのは、やっぱりコストパフォーマンスが悪い)。


ところでレストランに入る前、食前酒がわりに近くのパブでビールを飲んだ。市内には何軒も英国風パブがあるが、「シャーロック・ホームズ」という名前のこの店は、ここに来て間もない頃に見つけた。落ち着いて飲めるので(どうやら騒音源の学生連中は、もっと若向きの店に流れるようだ)、この店にだけ通いつめることになった。今日が最後だと思うと、これまでの3年間を思い出してちょっとセンチメンタルになる。店内では折りしもラグビーの試合のテレビ放映の真っ最中で、これを目当てに集まってきたお客たちが熱くなっている。相棒も私もスポーツ音痴なので、はじめはどの国が対戦しているのか見当もつかなかったが、これは欧州6カ国対抗のイングランド対フランス戦で、お客は皆、イングランドを応援しているのだった(英国パブなので当然)。後で知ったがオペラ鑑賞のヨーロッパ旅行中だったブログ仲間のアルチーナさんは、旦那様の希望でこの試合を現地ロンドンで観戦したそうだ。それだけ注目の試合だったらしい。


# by bonnjour | 2011-02-26 03:24 | 暮らす
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運命のいたずらか、ヨーロッパの地方都市を毎年のように転々としている管理人「B」の日常。今年は数カ国を漂流中。


by bonnjour

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