B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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雑踏の中でフェルメール
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東京都美術館で開催されているフェルメール展に行く。フェルメールは今ほど神格化されていなかった(=十分に購入可能な価格だった)20世紀初頭にアメリカの画商が買いあさったので、現存する30数点(真作の数については諸説ある)の作品中、15点が米国にある。ヨーロッパと米国、そして個人コレクションに分散されたフェルメール作品が7点も一度に見られる大変に便利な展覧会なので、空いていそうな時間帯を選んで上野に向かったのだが、これが大変な混雑。11月11日に入場者が60万人突破しているそうだが、その勢いはとどまるところを知らないようだ。

で、行ったはよいが、朝のラッシュアワー並みの雑踏の中で絵を鑑賞するのはなんとも疲れる。いつもは「絵との対話」なんて称して、時間をかけて好きな作品を一点一点、じっくり見るのだが、とてもそんなことが許される状況ではない。それでも一通り(観覧者の頭越しに)見て、最後の部屋にたどり着いた時にはほっとしてしまった。見ることより参加することに意義のある展覧会という印象。

今回は目玉だったウィーン美術史美術館所蔵の「絵画芸術」が、長時間の輸送に耐えられる状態ではないというオーストリア教育文化省の判断で出品取り消しになった。開催直前になっての「ドタキャン」にがっかりした人は多いだろうし、何より主催者やスポンサーは苦境に立たされたのではないかと思うが、絵のためにはこれでよかったのだと思う。私はこの作品が見たい一心で会社の正月休みにウィーンに飛んだ「追っかけ」歴がある(一度ならず、二度も)。その時の感動たるや!冬の、少々薄暗い美術館の中で、来場者もまばらな中、この絵の前で好きなだけ佇み、作品が発するオーラみたいなものを全身で感じるのは快感だった。その時の美術館の空気は今でもありありと思い出す。

さて、疲れるばかりの展覧会だったが、今まで実際の作品を1点(下記参照)しか見たことのなかったカレル・ファブリティウスの作品が4点も出品されていたのはめっけものだった。ファブリティウスはレンブラントの弟子で将来を嘱望されていたが、アトリエのあるデルフトで起きた火薬庫の大爆発に巻き込まれ、30代の若さで非業の死を遂げた。爆発の際に作品も破壊されたため、現存する真筆は10数点という。

↓今回は出品されなかったが、オランダのデン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館に所蔵されているファブリティウスの「The goldfinch(ゴシキヒワ)」。33.5 cm × 22.8 cmと小さな絵だが、実際に見た時には画家の悲劇的な最期というストーリーもあいまって、不思議に心を惹きつけられた。
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by bonnjour | 2008-11-21 13:33 | 聴く&観る