ヨーロッパの地方都市を転々とした挙げ句、ポーランドに流れ着いた管理人「B」の日常。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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Jazzyなモンテヴェルディ
2008年 12月 03日
【録画データ】 2008年9月18日 アンブロネイ・バロック音楽祭(Festival de musique baroque d'Ambronay) クラウディオ・モンテヴェルディ作「Ohime ch'io cado」(ああ、ぼくは倒れてしまう) 演奏: フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー) 古楽アンサンブル「L'Arpeggiata」(指揮:クリスティーナ・プルハー) 「バロック音楽祭」で「カウンターテナー」が「古楽アンサンブル」と一緒にやったセッションだが、アレンジはジャズ風だ。これを「偉大な作曲家であるクラウディオ様に失礼だ」と取るか、「古楽もジャズも、即興性というところでつながっているんだから、いいじゃない」と取るか、意見が分かれるところかもしれないが、私は後者だ。実は9月にフランスで聴いた同じ組み合わせのコンサートでも、この曲がアンコールで歌われたが、音楽を作りだす喜びが伝わってくる素晴らしい演奏だった。また、来年の4月25日にはドイツのポツダムで「Alte Musik trifft Jazz: L'Arpeggiata & Friends」(古楽がジャズと出会った:ラルペジャータ&フレンズ)と題したコンサートが開かれ、ジャルスキーがゲスト出演するので、この曲も演奏されることだろう。 彼らが同じ曲をスタジオ録音したディスクが来年1月に「Monteverdi - Teatro d'Amore」(直訳すれば「愛の劇場」?TBSの昼メロの放送枠がそんな名前だったような...)と題してヴァージン・クラシックスからリリースされる。モンテヴェルディの世俗曲を集めたオムニバス盤で、ジャルスキーの他にヌリア・リアル(ソプラノ) 、シリル・オーヴィティ(テナー) 等がゲスト出演している。 ジャルスキー秘蔵の(?)バリトン・ボイスまでまじえて、表情たっぷりに歌われるこの曲は恋に煩悶する男心を扱ったもので、歌詞の内容を知って聞くと一段と面白い。 Claudio Monteverdi "Ohime ch'io cado" Ohime ch'io cado, ohime ch'inciampo ancor il pie Pur come pria, E la sfiorita mia Caduta speme Pur di novo rigar Con fresco lagrimar Hor mi conviene. Lasso, del vecchio ardor Conosco l'orme ancor Dentro nel petto; Ch'ha rotto il vago aspetto E i guardi amati Lo smalto adamantin Ond'armaro il meschin Pensier gelati. Folle, credev'io pur D'aver schermo sicur Da un nudo arciero; E pur io si guerriero Hor son codardo Ne vaglio sostener Il colpo lusinghier D'un solo sguardo. O Campion immortal Sdegno; come si fral Hor fuggi indietro; A sott'armi di vetro Incanto errante M'hai condotto infedel Contro spada crudel D'aspro diamante. O come sa punir Tirann'amor l'ardir D'alma rubella! Una dolce favella, Un seren volto Un vezzoso mirar, Sogliono rilegar Un cor disciolto. Occhi belli, ah se fu Sempre bella virtu Giusta pietate! Deh voi non mi negate Il guardo e'l viso Che mi sa la prigion Per si bella cagion Il Paradiso. ************************ (試訳) ああ、ぼくは倒れてしまう。 足はよろめき、 次から次へと涙がわいて出る。 またしても 望みが打ち砕かれたのだから。 ああ、昨日の情熱は いまだにありありと、 ぼくの心の中にくすぶっている。 きみの美しい顔、愛しい姿が 頑丈な鎧を突き破った。 この鎧でぼくは、 哀れな思いを隠してきたのに。 ぼくは愚か者だった。 自分には、一糸まとわぬ射手から我が身を守る 丈夫な盾があると思っていたのだから。 ぼくは兵士だというのに、怖くてしかたない。 ほんの一瞥で有頂天にさせる まなざしに抗うことはできない。 おお、永遠の侮蔑、ぼくの擁護者。 まるで自分が急に脆くなったみたいに、 きみは逃げていく。 ガラスの武器、幻の防具でもって、 不実なきみは、ダイヤモンドみたいに硬い剣を ぼくに突き付ける。 おお、愛の暴君が、 大胆な反逆者を罰することなどできようか。 やさしい言葉、 穏やかな顔つき、 優雅な姿は 疲れた心を癒すものだ。 おお、やさしいまなざし。 美徳が悲しみにすぎないならば、 ぼくを拒まないでおくれ。 きみの姿と微笑み。 それがあるだけで、 牢獄は天国になる。
by bonnjour
| 2008-12-03 11:41
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