B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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おっさん2人の二重唱が気になる
オペラは人気歌手の声と技巧を、これでもか、これでもかと聞かせるアリアも良いのだが、二重唱・三重唱等のアンサンブルは、ハーモニーの美しさに加え、歌手同士の競争と協力の微妙な関係も垣間見えて、もっと面白い。

もちろん定番は主役のテノールとソプラノの愛の二重唱だが、それはあまりにも当たり前だし、テノール&ソプラノという花形パートの高い声にはあまり興味を持たない「低音フェチ」の私としては、低音歌手とからませた女性どうし、あるいは男性どうしの二重唱に注目してしまう。

女性同士の重唱は、「フィガロ」の「手紙の二重唱」や、「ノルマ」のアダルジーザとの二重唱、それに「薔薇の騎士」や「ホフマン物語」なんかのズボン役とソプラノのデュエットを含め、有名作品が目白押しなのだが、男性歌手2人の有名なデュエットというと、あまり思い浮かばない。おっさん2人でデュエットしても華がない、ということなのだろうか。

ということで私が好きな、数少ないおっさん2人の二重唱といえば、ヴェルディの「ドン・カルロス」のタイトルロール、カルロス王子(テノール)と親友のロドリーゴ侯爵(バリトン)が歌う「我等の魂に友情と希望を」にとどめをさす。ロベルト・アラーニャ(カルロス)とトーマス・ハンプソン(ロドリーゴ)の組み合わせによるビデオがあったので、下記に貼り付ける。



スペインの王子、カルロスは自分の婚約者だった初恋の人が、政治的理由で父王の後妻となったことに絶望し、悶々とした日々を過ごしている。そこに、当時スペインの支配下にあったフランドルから帰国した親友のロドリーゴが登場し、フランドルをスペインの圧政から解放するため、共に戦おうと説得する。あらためて友情を誓いあう2人であった、というシーンなのだが、ロドリーゴがカルロスに寄せる「友情」には、絶対にそれ以上のものが含まれている。「義理のお母さんに対する恋慕なんて封印して、ボクたちはもっと崇高な目的のために身を捧げようよ」というストイックなところに日本の「衆道」と共通するものを感じてしまうのは私だけか?ともあれ、ロドリーゴは作品の後半でカルロスの身代わりになって暗殺されてしまう(愛のために身を投げ出す?)という自己犠牲の人。だから、これは男どうしの「愛の二重唱」だ。

↑ それにしてもこのビデオ、ロドリーゴ役のハンプソンが、カッコよすぎ。背、高すぎ(アラーニャがチビに見えてしまう)。髪、長すぎ(カツラだけど)。声帯の長さはある程度、身長に比例するとかで、低音歌手は背が高くて舞台映えする人が多いのも、私の低音フェチに拍車をかけている。

この他、気になるおっさん2人のデュエットといえば、ビゼーの「真珠採り」の「聖なる神殿の奥に」がある。これも友情の二重唱なのだが、旋律の美しさは絶品だ。



こちらは1950年の録音。スウェーデンが生んだ伝説的テノール、ユッシ・ビョルリングと、アメリカのバリトン、ロバート・メリルのデュエットだ。ビョルリングは1960年に49歳の若さで亡くなってしまった人だが、透明感のある美声が素晴らしい。
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by bonnjour | 2008-12-05 22:19 | 聴く&観る