B的日常
bonnjour.exblog.jp

ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブログパーツ
プロフィール
美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
最新のトラックバック
Wheelock's L..
from えいじゅなすの本棚 − 英語..
ミケランジェリ/ショパン..
from クラシック音楽ぶった斬り
フィリップ・ジャルスキー..
from ご~けんのAudio & C..
NAXOS MUSIC ..
from Ceciliaの部屋
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
ドイツ映画「青い棘」
c0163963_21285957.jpg渋谷の東急文化村に、ドイツ映画「青い棘」(原題:Was Nutzt Die Liebe in Gedanken)を観にいく。実はドイツでは、大多数の映画がドイツ語吹き替えになっているために、観たい映画があっても行くに行けなかった。というわけで、日本語字幕というありがたいサービスのついた映画を、みられるうちにみておこうという魂胆である。それに、これから力を入れようかと思っているドイツ語学習にも励みになるのではないか?

さて、この映画、舞台は二つの世界大戦の狭間、ワイマール憲法下の1920年代ドイツで、実際にあった事件をもとにしている。

ギムナジウム(大学進学を前提とした高等学校)に通う感受性豊かな二人の少年が「自殺クラブ」を結成し、愛を感じなくなったときに自ら命を絶つ、という約束をする。一人は上流階級、もう一人は労働者階級の出身で、上流少年には小悪魔的な妹がいる。この小悪魔妹が労働者少年を翻弄するいっぽう、ゲイである上流少年は、別れたゲイの恋人が今度は小悪魔妹とヘテロ愛を結ぶ、という四角関係が浮上し、そこに労働者少年に思いを寄せる、冴えない少女(小悪魔妹の友達)がからみ、ぐちゃぐちゃになったあげく、上流少年がゲイ恋人を殺し、自分も自殺する、という話。

ギムナジウム、愛と裏切り、生と死、とくると、必然的に萩尾望都の名作「トーマの心臓」(10代の私はこの作品に大きな影響を受けた)を思いだすが(じっさい、日本の映画評の多くがそれに言及している)、人間の原罪と神の赦しをテーマにした宗教的な「トーマ」に比べると、この映画は当時のドイツの時代精神が真の主人公になっていると感じた。

つまり、青年期にあったドイツ(ビスマルクによるドイツ統一から60年足らずしか経っていない)が、ナチスによる狂気の時代に突き進む前の、静かで不気味な一時期における、存在の不安とか、移ろいやすい愛や美などへの愛惜がテーマになっているのではないかと思う。

とはいえ、美少年たち(主役の役者たちの実年齢はすでに20代だったので、美青年といったほうがいいか)の繰り広げるヨーロピアンな耽美の世界に、すっかり満足の私であった。

肝心のドイツ語は...? はい、現地に行ったら、がんばります
[PR]
by bonnjour | 2005-12-11 21:28 | 聴く&観る