B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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トップの失言
ローマ教皇ベネディクト16世が、里帰りしたドイツで、イスラム教を非難したと取られても仕方のない発言(というか、失言だ)をしてしまった一件。日本でも報道されているようだが、当地でももちろん大ニュースで大きな反響を巻き起こしている。

教皇の真意がどこにあったのか、知る由もないが、出身国ドイツの大学で神学の教授を務めた後バチカン入りして「教理省長官」(世が世なら「異端審問官」だ)をやっていたという彼の経歴や、「超保守派」という教皇選出時の評判を考えると、イスラム教に必ずしも好意的ではないのだろう、と想像するのはそれほど間違っていないと思う。

教皇個人として、さまざまな感情や感覚を持つことは誰にも止められない。そもそも80歳に近い老人の主義主張を、誰が変えることができようか。だが問題なのは、それを外部に吐露してしまうことだ。彼の発言は「ヨゼフ・ラッツィンガー氏(教皇の本名)の気持ち」ではなく「全世界にネットワークを持つカトリック教会の見解」として受け止められるのは必至なのだから。

企業広報に携ってきた自分の経験からいうと、これは典型的な「トップの自覚不足による失言事件」だ。ようするに、自分の発言の影響力を見くびったということ。

失言が起きやすいシチュエーションとして「緊張が解けた一瞬」「気心が知れた相手へのオフレコ発言(本来、オフレコというのは存在しない。喋ってしまったら報道される)」というのがある。今回の教皇の失言は、この図式にまんまと当てはまる。(余談だが、日本の政治家の失言も、たいてい「支持者との集会」など、内輪の席でのオフレコ発言に端を発することが多い)。

まず、生まれ故郷のドイツに戻った安心感。今回の失言は大学での講演の最中に起こったということだが、長らく大学で教えていた経歴から、ついつい古巣に戻ったような、内輪の感覚が出てしまったのかもしれない。講演の言語が母語のドイツ語だったことも、ついつい「ホンネ」を言ってしまう要因になりそうだ。

これを防ぐには、もう徹底的な「メディア・トレーニング」(正しいメディア対応の仕方を学び、失言を防止するとともに正確かつ効果的に真意が伝わるコミュニケーション方法を習得する)を受けていただくしかない。今回の失言はメディア取材によるものではないが、公の場での発言は常にメディアに注目されていることを考えれば、応用が利く。

アメリカあたりのPR会社が、さっそくバチカンに売り込みをかけていたりして...。
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by bonnjour | 2006-09-15 21:49 | 思う