B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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身ぐるみ剥がれるレストラン
日本のYahoo!のニュース・サイトに「ローマのレストラン、日本人観光客への『ぼったくり』で閉鎖」という見出しで、ローマの有名レストランで法外な料金を請求された日本人観光客が警察に相談に行き、その店は営業停止処分を受けたというニュースが載っていた。

日本のガイドブックにも「手頃な価格で美味しい店」と紹介されるその店で昼食を取った日本人カップルは、695ユーロ(約9万3,000円)を請求され、いったんはカードで支払いをしたものの、納得がいかず警察に届け出たという。パスタ、伊勢海老(<==「時価」だったらヤバそう)、ワイン、ジェラート等を楽しんだ後で示されたお勘定の内訳は、食事代が579.50ユーロ、勝手に加算された「チップ」が115.50ユーロとのこと。それは青くなることだろう。ガイドブックにあるメニューでは日本人の好きなスパゲティ・ボンゴレが12ユーロ(約1,600円)、ローマ名物サルティンボッカが18ユーロ(約2,400円)等、確かにローマの有名店としては手頃な価格だ。

このニュースは現地でも話題になっているようで、ローマに本社のある大衆的な日刊紙La Repubblica(余談になるが私はイタリアに行くとこの新聞を詐欺避けのお守りとして買い、現地在住者を装う。紙面は日本でいうと読売新聞みたいな感じだが、論調は左寄り)や、ミラノで発行されているCorriere della Sera(保守系の大手日刊紙)でも大きく報道されている。

Corriere della Seraの記事にはご丁寧にも証拠品のレシートまで掲載されているが、明細(大人2人分)が傑作だ。

前菜 (142 ユーロ)
パスタ・スープ類 (208 ユーロ)
魚料理 (82,50 ユーロ)
デザート (31 ユーロ)
ワイン (108 ユーロ)
以上にパン、ミネラルウォーター等を加算して579,50ユーロ。
それと別にチップとして115,50ユーロ。

一流レストランで稀少価値のある最高級ワインを頼めば勘定は700ユーロどころか天井知らずになるし、たいていのぼったくり店では「お店おすすめのワイン」(実は安物)を値段を知らせないままオーダーさせて料金を釣り上げるのが常道だが、ここではワイン108ユーロという、ありうるような、ありえないような微妙な価格設定にしてあるところが巧妙だ(ちなみにオーダーしたのはごく平凡なソーヴィニヨン・ブランだったそうで、そうなると108ユーロはどうみても暴利だろう)。逆に食事の部は、食材(例えば新鮮な伊勢海老や最高級のキャビアなど)によっては「ありえなくも、ない」価格なのが狡猾である。確かにパスタ類が208 ユーロというのは、「スパゲティの上に大量の金箔でも振りかけたんですか?」とツッコミを入れたくなるけれど。

今回は、お客さんにも迂闊なところがあって、値段を確認しないままに「お任せ」で料理を持ってきてもらったそうだ。日本の寿司屋のように「お任せでお願いします」といえば、お客の身なりや年恰好を考慮して適当な料金内で握ってくれる阿吽の呼吸が通用しない海外、とりわけ「騙すのが悪いのでなく、騙されるようなスキがある人間が悪いのである」という人生観がまかり通る国では、その一言が命取りになることに注意しなければならないだろう。それと同時に、モヤモヤしたら泣き寝入りせず、今回のようにしかるべき機関に通告することも大切だ。(「またですか」で終わることも多いけれど)。

このような「事件」は、実はローマやパリなど、一大観光地では日常茶飯事なのではないかと思うが、調子に乗りすぎたこの店が「見せしめ」のため営業停止処分を受けた、という気もする。なお、営業停止処分の理由は、ぼったくり行為でなく、調理場の衛生管理の不備と違法労働者の雇用だそうだ。そのあたりにも、どこからを「ぼったくり」というか、線引きが難しい現実がうかがえる。

↓ これがメニューに「時価」として載っていたら、要注意。さわらぬエビに祟りなし。
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by bonnjour | 2009-07-05 21:58 | 暮らす