B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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わたしが泣くと獣と石も


Sigismondo d'India: "Piangono al pianger mio"
- musica sopra il basso della Romanesca


Piangono al pianger mio le fere, e i sassi
A miei caldi sospir traggon sospiri;
L'aer d'intorno nubiloso fassi
Mosso anch'egli à pietà de' miei martiri.
Ovunque io volgo, ovunque giro i passi
Par che di me si pianga, e si sospiri;
Par che dica ciascun, mosso al mio duolo,
Che fai tu qui, meschin, doglioso e solo?

わたしが泣くと獣と石も

わたしが泣くと獣も泣く。
石たちはわたしの熱いため息をあわれみ、ため息をつく。
わたしのあまりの嘆きに同情し、まわりの空気は霞と化す。
どこに赴こうと、どこに足を向けようと、
わたしは涙とため息にくれるばかり。
あらゆる生き物が、わたしをあわれんでこう語りかけているようだ。
「悲しみにくれる孤独で哀れなおまえよ、そこで何をしているのだ」

本日のタイトルだけ見ると何のこっちゃと思うが、モンテヴェルディやジェズアルドの同時代人、ルネサンス末から初期バロックの過渡期に活躍したイタリアの作曲家、シジズモンド・ディンディア(Sigismondo d'India: c.1582 - 1629)作曲の、モノディ様式の嘆きの歌である。現代人には過剰に感傷的ともうつる涙目な歌詞を書いたのは、世界初のオペラ「ダフネ」の台本作者でもあるオッタヴィオ・リヌッチーニ(Ottavio Rinuccini: 1562 - 1621)。

musica sopra il basso della Romanesca(ロマネスカ形式の低音の上で奏でられる音楽)という副題のとおり、当時よく使われたロマネスカ(下記の譜例)という下降形の固執低音(basso ostinato)の上で、メロディが次々と新しい装飾に伴われて変化していく。

c0163963_8334316.jpg

フィリップ・ジャルスキーが歌っている上記の動画では、”martiri”(苦痛)、”sospiri” (ため息)といった苦しみを想起させる言葉での、すすり泣くような表現が出色である。それと同時に、抑制のきいた彼の抒情性は、ともすれば大げさで感情過多になりがちなこの曲に真実味を与えている。

と前置きが長くなったところで、今日の本題(笑)。この秋にジャルスキーは古楽アンサンブルのラルペッジャータ(指揮:クリスティーナ・プルハル)とともに来日し、モンテヴェルディ作品を歌う。プログラムは、今年リリースされたアルバム「モンテヴェルディ 愛の劇場」を中心にしたものになる模様。どうやらチケット売れ行きが好調のようで、東京では追加公演も発表された。この機会にぜひ、旬の歌手、ジャルスキーをお見逃しなく(って私は別に事務所のまわし者じゃないけど)。詳細およびチケット購入はこちら

【フィリップ・ジャルスキー&ラルペッジャータ 来日公演日程】
11月 1日(日)19:00 サントリーホール ブルーローズ(東京) *追加公演
11月 5日(木)19:00 王子ホール (東京)
11月 7日(土)19:00 電気文化会館 ザ・コンサートホール(名古屋)
11月10日(火)19:00 サンケイホールブリーゼ(大阪)

え、私ですか?もちろん、東京公演に駆け付けます。
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by bonnjour | 2009-07-06 04:15 | 聴く&観る