B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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間違い探し? ヒンツの「珍品奇物の棚」
先週パリのジャックマール・アンドレ美術館で見たヨハン・ゲオルク・ヒンツ作、「キュリオシテ(珍品奇物)の棚」(ルーマニア、ブルケンタール国立博物館所蔵)という静物画について、メラノさん(ハンドルネーム)から興味深い情報をいただいた。兵庫県立美術館で開催中(8/26~11/3)の「だまし絵」展に、同じ画家によるそっくりの作品が出展されていたとのこと。下の写真の2番目にある、チェコのリフノフ城にあるコレクションが兵庫の展覧会に出品された作品だ。

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ヨハン・ゲオルク・ヒンツ作、キュリオシテ(珍品奇物)の棚(1666年)
シビウ(ルーマニア)、ブルケンタール国立博物館所蔵


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ヨハン・ゲオルク・ヒンツ作、キュリオシテ(珍品奇物)の棚(1666年)
リフノフ城(チェコ)、コロヴラット・コレクション


たしかに「間違い探しゲームか?」と思うほど似ている。まったく同じ構図で複数の作品が制作されたのだろう。この絵画が描かれた17世紀における騙し絵の人気と、珊瑚や真珠、貝殻といったエキゾチックで珍奇なものに対する人々の興味・関心をしのばせる。絵に描かれた珊瑚や真珠などの宝飾品類や宝石箱は「虚栄」の象徴だが、さらに目をこらせば、この棚にはミニチュアの頭蓋骨や時計といった「人生のはかなさと死」を象徴する図像も描き込まれ、全体で「Vanitas(現世の虚しさ)」の寓意画になっている。

Vanitasは16~17世紀にオランダを中心とした地域で非常に好まれた絵画のテーマだが、肉筆の絵画が購入できる豪奢な生活を送りながら、敢えて現世の虚しさを戒める絵画を飾っていた倒錯が面白い。

さらにバリエーションを、この画家が活躍したハンブルクの美術館に発見!

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ヨハン・ゲオルク・ヒンツ作、キュリオシテ(珍品奇物)の棚(1666年)
ドイツ、ハンブルク美術館所蔵


ブルケンタール国立博物館のサイトに掲載された所蔵品の解説を見てみたら、この絵のバリエーションはほかにもベルリンとポツダムに所蔵されているそうだ。
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by bonnjour | 2009-09-29 20:31 | 聴く&観る