B的日常
bonnjour.exblog.jp

ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログパーツ
プロフィール
美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
最新のトラックバック
Wheelock's L..
from えいじゅなすの本棚 − 英語..
ミケランジェリ/ショパン..
from クラシック音楽ぶった斬り
フィリップ・ジャルスキー..
from ご~けんのAudio & C..
NAXOS MUSIC ..
from Ceciliaの部屋
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
週末旅行 Day 2:雨の日に訪れた港町ハンブルク
フレンスブルクのホテルでたっぷりの朝食をとった後、近くの安売りスーパーとドラッグストアで買い出しをする。狙い目は、デンマークより安い酒類とシャンプーや調理器具などの生活雑貨。これが今回の旅の目的の一つだったので、ミッションを遂げて達成感にひたる。

c0163963_1857875.jpg

フレンスブルクから次の目的地ハンブルクまでは車で2時間ほど。途中で雨が降り出し、嫌な予感がする。ハンブルクで予約した宿は自動車修理工場や小規模オフィスの立ち並ぶ、少々寂れた地区にあるアパートメント・ホテルだが、無料駐車場がある上に市内中心部まで地下鉄で数分と便利だったのでここに決めた。客室はキッチン・セットの隣にベッドがあって、なんだか台所に寝泊まりしているみたいだけど、冷蔵庫や湯沸かし、食器などが自由に使えるのは便利だ。フロント係も親切で、市内地図をくれたり観光地への行き方を分かりやすく教えてくれた。

c0163963_1994463.jpg
市内交通の1日乗車券を購入して、雨の中を観光に出かける。まず訪れたのはハンブルクのランドマークで港からもひときわ目立つ高い塔(132m)を持つ聖ミヒャエル教会と、その近くの旧商工組合福祉住宅。1669年に完成したバロック様式の聖ミヒャエル教会は、1906年の火災と1944/45年の爆撃で破壊され、そのたびに再建された。ブラームスが洗礼を受けたり、ここで営まれたハンス・フォン・ビューローの葬儀にマーラーが参列したりと、音楽家にもゆかりの深い教会だ。一番の観光ポイントとあって、近くの駐車場には観光バスが数台停まり、教会内部は見学客であふれかえっていた。

c0163963_20555249.jpg

教会の入り口上部には、悪魔を退治する聖ミカエル(ミヒャエル)の像。

c0163963_2059720.jpg
聖ミヒャエル教会の近くにある旧商工組合福祉住宅(
Krameramtswohnungen)
は、表通りから1本入った狭い路地に向かい合って建つ、商工組合員の未亡人たちのために作られた17世紀の小規模住宅。今のように福祉制度が発達していなかった時代にこうした相互扶助のシステムがあったことは、当時の市民社会の成熟をしのばせる。現在は小さな博物館とカフェ、土産物屋などが入居している。

c0163963_21273032.jpg

次は港町ハンブルクの風情を満喫しに、ザンクト・パウリ桟橋に向かう。遊覧船が発着する観光ポイントだが、時間がないのと雨天のため遊覧船はパス。

c0163963_2216571.jpg

ハンブルクは港町といっても海に面しているわけではなく、北海に注ぐエルベ川沿いに位置し、河口は約100キロ先にある。そのエルベ川を横断する旧エルベ・トンネル(1911年開通)を見にいく。といっても対岸に渡る用事はないので、入口を覗いただけなのだが。100年前の最新技術を駆使して4年がかりで建設されたトンネルは深さ23.5m、全長426.5mという規模で、車や歩行者をエレベーターで地下に下ろしてから通行させるという仕組みになっている。トンネルとは関係ないけれど、入口のユーゲント・シュティール風の美しいモザイクの壁に感心する。

c0163963_223343100.jpg


c0163963_22391729.jpg

↓ トンネル入り口の建物の石柱に貼りついていた亀と蛙。こういう枝葉末節が、なぜか気になる。
c0163963_2240922.jpg

c0163963_22404071.jpg
ザンクト・パウリ桟橋からは徒歩で今日のメインイベント(?)、レーパーバーンの見学に向かう。ハンブルクといえば必ず引き合いに出される一大歓楽街だ。「悪場所(あくばしょ)」の空気を吸うと「悪」が感染すると信じている節のある相棒を、「昼間だし、表通りを歩くだけだから大丈夫」と説き伏せた。レーパーバーンは港から陸に上がってすぐの場所に控えており、長旅を終えた船乗り相手に発達してきた歓楽街であることが位置関係からもよくわかる。大通りであるレーパーバーンはストリップ劇場やオトナの玩具店などに混ざってバーやファーストフード店が軒を連ねており、新宿の歌舞伎町あたりとちょっと似通った猥雑な雰囲気だが、裏手にある「ヘルベルト通り」は、もっともっとアブナそうな飾り窓地帯。外部の女性と青少年をシャットアウトするためのゲートがあるので、残念ながら内部の様子は不明だ。

c0163963_025288.jpg

↓ 18歳以下の青少年と女性は立ち入り禁止、とゲートに書かれている。
c0163963_0254547.jpg

内部には潜入できなかったので、Wikipediaからヘルベルト通り内部の写真を拝借。日が暮れるころ、窓の内側に扇情的な装いをしたお姉さんたちが立って道行く人を誘うのだろうか。

c0163963_0542335.jpg
歓楽都市ハンブルクの姿を垣間見た後は、壮麗な市庁舎を見にいく。ハンザ同盟以来の自治の歴史を持つハンブルクは一都市だけで連邦州を構成する特別市であり、この市庁舎は州議会の議事堂を兼ねている。

c0163963_1194947.jpg

ハンブルクの正式名称は「Freie und Hansestadt Hamburg(自由ハンザ都市ハンブルク)」で、車のナンバープレートの先頭に表記される都市コードも、「ハンザ都市ハンブルク」の略である「HH」となっている。初めてドイツに来たとき、都市コードがHというナンバープレートを見て、てっきりハンブルクの略だと思ったが、それはハノーバーの車だった。ハンブルクの車はHHと表記されるのだと知ったとき、ハンザ都市としての誇りのようなものを感じた。

運河をはさんで市庁舎の向かい側には高級ブランド店が並ぶショッピング・アーケードがあり、店の灯りに照らされた白いアーチが夕暮れの水面に映えて美しい。運河に集う白鳥の数多し。すれっからした港町の風情のあるレーパーバーンとは打って変わった、ハンブルクのよそ行きの顔を見た。

c0163963_1512757.jpg


c0163963_2122696.jpg

↓ アーケードの天井にはアールヌーボー調の壁画が。
c0163963_2131858.jpg
夕食は、由緒正しいツーリストとして(笑)、聖ミヒャエル教会の向かい側にあるOld Commercial Roomという観光名所のレストランでとることにした。船室をイメージしたインテリアが旅情をそそる店である。

c0163963_2383023.jpg

3年前、ハンブルクに一人で来たときにこの店で名物のラプスカウス(Labskaus)という北ドイツの郷土料理を食べた。ジャガイモのピュレにコーンビーフを混ぜたものにビーツやピクルスと目玉焼きを添えた料理で、もとは漁師があり合わせの材料で作ったものだったとか。日本円で2,000円弱と結構な値段だったのに満足度はいまひとつだったので(こういう家庭料理を観光客向けのレストランで注文するのは割に合わないと実感)、今回は魚料理を注文する。

私の頼んだスズキのペルノーソース添えは、香ばしく焼かれた魚とぺルノー風味の泡立ったソースがよく合っていて、洗練されたフランス料理とはまた違った力強い美味しさ。

c0163963_242091.jpg

相棒が食べた「カレイのフィンケンヴェルダー(ハンブルク郊外の地名)風」なる料理は、丸ごとのカレイ(とはいっても頭を切り落としてある)がベーコンの角切りとともにソテーされたもの。淡泊な魚にはベーコンで脂分を補いたくなるところが和食との違いかもしれない。

c0163963_392812.jpg

地元産ビール「Duckstein」のドゥンケル(濃色ビール)とともにいただいたハンブルクの魚料理は格別の味。食後は古い街並みの残るダイヒ通りと19世紀の倉庫街の名残りをとどめるシュパイヒャーシュタットを散歩して、いにしえのハンブルクをしのんだ。

c0163963_4494265.jpg

[PR]
by bonnjour | 2009-10-10 18:55 | 旅する