B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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草紙柄の小紋の反物
数カ月前にネットのリサイクル着物ショップで衝動買いした小紋の反物。くすんだ朱の綸子地に、ベージュの草紙の柄が散らしてある。いわゆるデッドストックなのだろう、未使用・未仕立で7,500円というお得価格なのと、本の虫には嬉しい柄だったのでフラフラと「買う」アイコンをポチッとやってしまい、実家に届けてもらった。このたび里帰りして初めて対面したが、なかなかいい感じだ。

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間近に見れば草紙だとわかるが、これを着物に仕立てて全身に纏うと、すぐには何の模様だかわからないのが謎解きのようで、かえって面白いのではないかと思った。これから仕立てに出して、次にご対面するのは来年の里帰り時かという長いスパンのプロジェクト(笑)である。

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しかし問題は、私は着付けができない!

今まで、見よう見まねで浴衣を着て都内某所の花火大会に出かけたのが1回、相棒の実家でお正月に着付けの本を見ながらなんとか小紋を着て半幅帯を文庫(これしかできない)に結んでみたのが1回。後者は数時間でみごとに着崩れて、ほうほうの体で洋服に着替えるという悲しい結果に終わっている。

というわけで、今回の里帰り中に母に着付けを教えてもらうことにした。こういうことはもっと若いうちに習っておけばよかったが、大女には着物は似合わないと思い、成人式にも振袖は着なかった私である(だいたい、地元の自治体が催した成人の日の集いに出席した記憶がない)。20代の頃に嫁入り道具のつもりか、私が知らないうちに親が訪問着や喪服など、何枚かの着物を作ってくれたのだが、それを着る機会も嫁に行く機会も長いこと逃していた(爆笑)。しかし、年を取るに従って、せっかく日本人に生まれたのだから着物を着てみるのも面白いじゃないかと心境は変化する。

母に着付けを教えてもらうだけでは忘れてしまうので、着付けのハウツー本も買った。

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笹島式 一人でできる着付け DVD BOOK (別冊家庭画報)

この本は人間の骨格に従って合理的に着物を着付ければ、苦しくないし着崩れも防げる、というコンセプトでまとめられたもの。今まで人間の骨格や内臓の配置と、身体全体を包みこむ着物、そしてそれを固定するための紐や帯との関係を考えたことはなかったので、目から鱗の感がある。

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これで思い出したのが、疫学研究者の三砂ちづるさんが書いた「きものとからだ」(2008年、バジリコ)という本だ。三砂さんは「オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す」(2004年、光文社新書))という著書で「女性は生物として子供を産むように作られているので、その機能を使わないとエネルギーが行き場を失いあちこちに弊害が出る(そして行き着くのはオニババ)」と説き、一部のフェミニストから大顰蹙を買った人だが(フェミな私も、もちろん茶を吹いた)、「きものとからだ」では、毎日着物を着て暮らす(海外出張でさえも)という自身の体験に基づいて、日本の気候や暮らしから生まれた着物は快適な衣服で、毎日着物を着ることで身体もイキイキとしてくる、と主張しており、これは私もある程度同意する。とはいえ、服装の自由のきく研究者である著者ならいざしらず、普通にオフィスで働く会社員やサービス業に従事する人など、圧倒的多数の人々は着物を日常着にすることが社会的に無理なのだから、絵に描いた餅という気もする。
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by bonnjour | 2009-11-09 20:04 | 暮らす