B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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王子様系テノールの前身は不気味系ロックバンドのヴォーカル


Topi Lehtipuu: ”Un'aura amorosa” (Così fan tutte/Mozart)
Glyndebourne Festival, 2006

バリトンやアルトなど低い声を偏愛し、テノールやソプラノにはあまり興味がない低声フェチの私だが、フィンランド出身のテノール、トピ・レティプー(Topi Lehtipuu)はちょっと気になる。Naïveレーベルから出たヴィヴァルディのオペラ「La Fida Ninfa」(J.Ch.スピノジ指揮)に彼が参加していて、ディスクを繰り返し聴いているうちに、そのリリックで端正なテノール声にひかれた。

ルター派の牧師である父親の赴任先オーストラリア(フィンランド移民のコミュニティがあるそうだ)で1971年に生まれた彼は学齢期になると母国に戻り、そこでフィンランドが世界に誇る充実した音楽教育を受けた。かの国では音楽の才能を見出された子供は、適切な専門家の指導が受けられるよう、人的ネットワークが発達しているのだそうだ。人材が最大の資源と心得ている国だけのことはある。

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オペラ歌手としてのデビューは、フィンランド国立歌劇場でブリテンの「アルバート・ヘリング」のタイトルロール。その後、ジャン=クロード・マルゴワールのオーディションを受けて、彼が指揮する「魔笛」のタミーノをパリのシャンゼリゼ劇場で歌い、注目された。甘くて若々しい声は、タミーノや「コジ・ファン・トゥッテ」のフェルランド(上のYouTube動画参照)など、王子様&貴公子系の役柄にぴったりだ。

もうひとつの活動の柱はバロック作品で、前述のヴィヴァルディの他にもモンテヴェルディ、ヘンデル、ラモーなどをレパートリーにしている。音楽マーケティング的には古楽系テノールということになるのかな。オペラやオラトリオもいいけれど、この人の歌う歌曲も聴いてみたいと思う。

そんな彼がオペラ歌手としてステージに立つ前にやっていたのが、HÖYRY-KONE(「蒸気機関」の意)という地元のチェンバー・ロック・バンドのヴォーカル兼ヴァイオリニストで、バンドは90年代にアルバムを2枚出し、とりわけ日本では結構売れた(本人談)とか。覚えている人、いますか?

そのアルバムが、YouTubeでも何曲か聴ける。下記は、2枚目のアルバム「Huono Parturi」より、Karhunkaato(熊の屠殺)という作品。



うーん、ヘビメタ風のギターと管弦楽にトピ青年の伸びやかな正統派テノールが組んずほぐれつして、ミスマッチというか、聴いていると頭がクラクラしそうな不気味な作品だ。でも、彼の歌のうまさは、当たり前だけどここでも光っている。
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by bonnjour | 2009-12-09 00:36 | 聴く&観る