B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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ロンドン 音楽(と中華街入り浸り)の旅 まとめ
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12月5日(日)
地元オーフス空港からライアンエアー”空飛ぶ我慢大会”便に乗ってロンドン・スタンステッド空港に。オーフス空港では雪のため出発が遅れるが(写真上)、定刻から40分ほどたって無事に離陸した。ライアンエアーは基本料金を安くして人目をひくかわりに、別料金制の受託荷物や、オンラインチェックインしない場合の高額の手数料など、あの手この手で追加料金を取って収益を上げる商法の格安航空会社だが、空飛ぶ乗り合いバスに徹している姿は、なんだか清々しい。とはいえ、飛行中はひっきりなしに乗務員が物売り(飲食物、新聞、宝くじ、空港と市内を結ぶスタンステッド・エクスプレスの切符、等々)に来るのがちょっとうっとうしいかも。

ロンドン郊外にあるスタンステッド空港からは、これまた格安航空会社イージージェットと同系列のシャトルバス「イージーバス」で市内に向かう。格安航空便同様、便の時間帯や購入時期によって料金が変わるシステムになっているが、私は最低料金の片道2ポンド(265円)で予約でき、ちょっと嬉しい。

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予約した宿はヴィクトリア駅の駅前にある、Comfort Innというチェーンのバジェット・ホテル(写真上)。便利な場所にあるのと無線LANが無料、客室の水周りを最近改装したというところにひかれて予約したが、部屋の狭さは今まで泊まったホテルで一、二を争うかも。これで1泊約80ポンド(ポンド暴落後の今のレートでも1万円少々)取るのだから、ロンドン滞在はお金がかかる。でも、南アジア系のフロント係はフレンドリーだし、ロビーにあるマシンでカフェオレやカプチーノ、ココアなど温かい飲み物が24時間飲み放題なのはうれしい。

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ホテルにチェックイン後はナショナル・ギャラリーに行ってイタリア・ルネサンスとフランドル絵画を中心に見てまわる。「ヴェニス:カナレットとライバルたち」という特別展をやっていたが、常設展を見るだけでもかなりの時間がかかるので割愛する。ギャラリーから程近いところにある中華街で激辛スープに浮かんだ水餃子を食べてホテルに戻った。

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12月6日(月)
工芸品の宝庫、ヴィクトリア&アルバート博物館に長々と滞在。東洋コレクションでは日本の根付にあらためて感心し、ヨーロッパの宝飾の展示では大量の宝石が放つ妖気に圧倒される。改装のため、服飾の展示室が閉鎖され、収蔵品が他の展示室に分散していたのが残念。

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この博物館は工芸品をコレクションしているだけあって、トイレの洗面台のデザイン(写真上)も一筋縄ではいかない。上部の円筒状物体から液体石鹸が出て、下のパイプに手をかざすと水が自動的に噴き出す。噴水のイメージなのだが、水の噴き出し口はリング状になっているので、かなり無駄がありそう。女子トイレで写真を撮る、怪しい東洋人観光客のわたし。いえ、盗撮はしてませんから。

そのあと、またもや中華街に行き、昨日は時間が遅くてできなかった飲茶で点心を色々と注文し、満腹の後は中華街から徒歩圏にあるナショナル・ポートレート・ギャラリーで一日をしめくくる。所蔵品のひとつ、ブロンテ3姉妹の有名な肖像画(写真下)は、一家の唯一の息子で、画家や作家を志すも芽が出ないまま若死にしたブランウェルの手によるもの(これじゃ画家として有名になるのは無理だろうと妙に説得力のある絵)。当初は中央に描かれていた作者の自画像が自身の手で消され、作家として後世に名を残した3人の姉妹の姿だけが残っているのが、一人息子として溺愛されながらも不遇で、酒びたりになって死んだ彼の人生を象徴しているようだ。もちろん、大画家による美術的に価値の高い肖像画も多数展示されていたが、一番気になり心に残ったのは、非凡な姉妹たちのおかげでかろうじて美術館に展示されることになった、ブランウェル・ブロンテの下手糞なこの作品だ。

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12月7日(火)
日本から音楽鑑賞の旅にいらしたブロガーのgalahadさんと一緒にヘンデルの旧居を博物館にしたヘンデル・ハウスを見学。ドイツで生まれイギリスで活躍したヘンデルが1723年から死去する1759年まで、36年の長きにわたって暮らした家で、往時の状態をよく保存してあり、彼の生活ぶりがうかがえる。決して豪華ではないが、ロンドン中心部にこのような居心地のよさそうな邸宅を構えていたヘンデルは、たいした成功者だったのだと思い知らされる。

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↑ 公式写真より。

ヘンデル・ハウスで「今夜はアンドレアス・ショルのコンサートに行くんだ♪♪」と、案内係のおばさまに嬉しそうに話すイギリス青年を発見。続いて、「共演者はジャルスキーって人なんだけど、何をする人かな?ピアニスト?」というので、「そのコンサート、私たちも行くんですよ」と会話に割り込んだ。そしてジャルスキーはフランスを中心に大人気のカウンターテナーであること、今晩のプログラムは人気カウンターテナー二人の話題の共演であることを熱っぽく語ってしまった。ショルはイギリスのクラシック界で大変な人気を誇るが、ジャルスキーの知名度は、まだヨーロッパ大陸から海峡を渡っていない感がある。

夜はショル&ジャルのジョイントコンサートでパーセルの世界を満喫。ヘンデル・ハウスで会った人も、きっとジャルスキーの才能のほどを実感しただろう。

12月8日(水)
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galahadさんとテート・ブリテン美術館で待ち合わせ、美術館内のカフェでランチをともに。頭の回転が早くて話題豊富なgalahadさんと、とても楽しい時間を過ごした。

その後、こりずにまた一人で中華街に赴き、前回と同じ店で飲茶をする。ロンドンまできて中華三昧というのも芸がないが、ヨーロッパで美味しい中華料理が食べられる都市はロンドンとパリくらいしか知らないので、どうしても足が向いてしまう。

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新世界大酒家というこの店は、蒸し物、揚げ物、焼き物など、多種多様の点心を載せたワゴンが店内を巡回し、お客は好きなものを選んで取るという形式。昨年、盟友Nさんと来て気に入った店。プリプリの海老が入ったシュウマイ、蒸し餃子類がとりわけ美味しかった。

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夜はバルトリ&ファジョーリのコンサートに圧倒される。目(美術館)と舌(飲茶)と耳(コンサート)を大満足させる一日であった。

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12月9日(木)
大学時代の同級生でロンドン在住が長いT君が昼食に付き合ってくれた。メイフェア地区にある、T君おすすめのパイの名店であるパブ「Windmill」(写真上)でステーキ&キドニー・パイを食べる。キドニー特有の臭みをあまり感じさせない見事な出来に「イギリスに美味いものあり」と感心する。卒業後に海外に根を下ろした同窓生は少なくないが、T君もそのひとりで、ロンドンで生まれ育ったお子さんたちはもうすっかりイギリス人だ。本人は謙遜するが、大変に優秀で才能のあるお子さんたちのようで、将来は日本のルーツをもったイギリス人としてカズオ・イシグロみたいな活躍をするかもしれない。

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英国料理を堪能したあとは、夜まで市内をぶらぶら観光。テムズ河のほとりやシティ周辺を、あてもなく歩く。日中は晴天だったが、短い日が落ちると、かなり寒い。それでもせっかく来たのだからとロンドン大火記念塔やタワーブリッジ、倉庫地帯を再開発したバトラーズ・ワーフなど、観光名所をコートの襟を立てて根性で見て回る自由は一人旅の醍醐味だ(同行者がいたら、非難ごうごうだからね)。

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↑ 実物を見たかった30 St Mary Axe、通称「ガーキン(ピクルス用キュウリ)」ビル。シティにそびえたつヘンテコな形の超高層ビル(設計:ノーマン・フォスター卿、竣工:2004年)で、私は座薬を連想したが、この流線型はビルが起こす乱気流を和らげるために計算されたものだとか。

翌日早朝のフライトに備えて、夜はスタンステッド空港近くのホテルに移動。可愛らしいインテリアの広々とした部屋が、空港への往復送迎付きで56ポンド(約7,400円)というのはロンドン市内に比べるとかなりお得だが、シャワーが途中で冷水に変わり、ついぞ温水に戻らなかったのは閉口した。ともあれ、頼んでおいた空港への送迎は往復とも正確・確実に運行されたので(国やホテルによっては、それが難しかったりする)、よしとしよう。

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↑ これでシャワーが冷水でなければ言うことないのだが。

12月10日(金)
朝7時10分にロンドン・スタンステッド空港発のライアンエアー便でオーフス空港に到着。コペンハーゲン空港を経由しないと時間と旅費が節約できて便利だ。前日、土産としてイギリス名産のブルーチーズ、スティルトンを買った。家の近くのスーパーで調達したポートワインとともに食すと、これが絶品。

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by bonnjour | 2010-12-10 19:17 | 旅する