B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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アールデコのグラフィック美を堪能 ― 鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展
2月のフランス&イタリア旅行以来、また放置してしまった当ブログだが、いい加減、ネタがたまってきたので唐突に再開してみる。

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まずは新しいところから。練馬区立美術館で4月8日~6月3日まで開催された「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展」の最終日に駆け付けた。これは、蔵書狂として名高い仏文学者の鹿島茂氏のコレクションによる、アールデコ期の2人のイラストレーター、ジョルジュ・バルビエ(George Barbier、1882~1932)とジャン=エミール・ラブルール(Jean Émile Laboureur、1877-1943)の作品集だ。「コレクション2」ということは1もあったわけだが、それは昨年開かれた「鹿島茂コレクション1 グランヴィル 19世紀フランス幻想版画」(2011年2月25日~4月3日)で、残念ながら見に行けなかった。

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会場は、西武池袋線の中村橋駅に近い、公園に隣接したのどかな区立美術館。公共の交通機関だと電車とバスを乗り継ぐことになり面倒なので、愛車(自転車)に乗って行く。学生時代、この近所にバイトに通っていたが、来るのはそれ以来。当時は美術館もなかったし、駅周辺の変貌ぶりに驚く。

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ロビーの撮影は可ということだったので、吹き抜けを撮影。今回は1、2階に分かれての展示だ。ともに19世紀末、フランスのナントに生まれた(しかし作風は異なる)2人のアーティストによる挿絵本、版画作品、定期刊行物が、思いのほか多数出品され、大変に充実した企画。

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バルビエの「シェエラザード」(1913)。ディアギレフのロシア・バレエ団のスター、ヴァーツラフ・ニジンスキーと相手役のプリマドンナ、タマラ・カルサヴィナに捧げられたアルバムより。一瞬の動きを捉えた躍動感、画面を斜めに2分する大胆な構図が気持ち良い。この展覧会はラ・フォル・ジュルネとのコラボレーション企画ということになっているのだが、そういえば今年の音楽祭のテーマは「ロシアの祭典」なのだった。

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ラブルールの作風は、打って変わってシンプルかつモダンだ。彼はバルビエより5歳年長で活動期間もかぶるが、これはアーティストとしての方向性の差だろう。上の「アンドロメダ」(1935)では、ユーモラスにもグロテスクな魚たちを前景に、奥には岩礁に鎖でつながれたアンドロメダが立ちつくしている。不思議なリズムを持った、いつまで見ていても飽きない絵だ。ちょっととぼけた味のある彼の作品を大量に見ていたら、なぜか今は亡き滝田ゆう氏の漫画を思い出した。

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売店ではカタログ3,300円也(求龍堂から一般書籍として刊行)も奮発して買ってしまい、大満足であった。ただし、このふたりの作品の、シャープな線や美しい発色は、こうした大量印刷の書籍ではもちろん充分に再現できるものではなく、やはり今回展示された実物の版画や職人技で精緻に作られた挿絵本の迫力には負けるのである。鹿島先生が収集にはまる理由も、理解できるというものだ。
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by bonnjour | 2012-06-03 02:39 | 聴く&観る