B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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夏休みだ! スイス滞在記
東京があまりに暑いので、避暑と称してスイスに出かけてきた。

スイスといっても驚くなかれ、東洋のスイス、諏訪の上諏訪温泉である。諏訪湖に臨む温泉地で、都内からのアクセスも良好だ。ちなみに諏訪地方がスイスと呼ばれる所以は、羊飼いがいたり、金持ちだけを相手にした銀行がやたら沢山あったり、無駄に物価が高かったりするからではなく、高原にあって精密工業が盛んだからだそうだ。そういえばセイコーエプソンも諏訪が本拠地だ。

夏休みとはいえ、なんだかんだで仕事を持ち込むことになったため、客室のインターネット接続と洋式の机は必須ということで、上諏訪駅に近いビジネスホテルに5泊することにした。このホテルには、温泉の大浴場と露天風呂が付いているのが何よりの売り物だ。

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部屋はさほど広くないが、座り心地のよいオフィス用椅子と、そこそこのサイズのデスク、たっぷり使える冷蔵庫に湯沸かしポット(無料のドリップコーヒー付き)、衣類の消臭スプレーまで用意されていて、ビジネスホテルとしての機能は万全だ。

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【Day 1】
チェックインして、露天風呂(写真はホテルのWebサイトより)に直行。といっても小さいものなのだが、水道水でなく温泉のお湯に浸かれるだけで心が高揚する。温泉に狂喜乱舞するDNAって、日本人の身体に組み込まれているのだろうか。

温泉の後はお作法通りフルーツ牛乳を飲み、諏訪湖まで散歩に出る。

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諏訪湖のほとりで、「養命酒」のアンテナショップである小洒落た飲食店が屋上ビアガーデンをやっていたので、地元産のブランド豚肉の串焼きなどをつまみながらビールを飲んだ。ビアガーデンの料金設定はおしなべて割高だけれど、ここのは食器類がすべて使い捨てのプラスチックなのが大変に残念。
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【Day 2】
上諏訪駅周辺には造り酒屋が密集している。その酒屋を巡るのがDay 2のミッション。ほうぼうで試飲をさせてもらい、飲み逃げするわけにもいかないので、各所で気に入った銘柄をお土産に買ったら、荷物がとても重くなってしまった。海外での販売にも力を入れている「真澄」の宮坂醸造の試飲コーナー(4つ下の写真)は、モダンで高級感あふれる作りになっていた。が、一番気に入ったのは麗人酒造の非常に種類豊富な試飲コーナーで、お店の方が「どうせなら、とっておきのコレを試飲していってください」と、高級ラインを薦めてくださったのに恐縮した。

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【Day 3】
日曜日というのに急ぎの仕事が入った。涙目。バスに乗って霧ヶ峰に行くつもりだったのだが。仕事を済ませてから、午後は湖の周辺を散歩。湖畔にある「タケヤみそ」工場の「味噌会館」でイベントをやっていたので立ち寄った。味噌フレーバーのソフトクリームが美味。工場の構内に、味噌製造の役目を終えた麹菌を供養する「菌塚」(下の写真)があるのを発見し、万物に魂を見出す日本人の心情にしんみりする。
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【Day 4】
温泉デイ。製糸業で財をなした片倉財閥が地元の福利厚生のために建設した温泉施設「片倉館」に入り浸る。財閥の二代目オーナーが欧州視察で現地の文化施設に感銘を受け、建設を決意したという豪華な洋式温泉で、ローマ式の大浴場(おお、「テルマエ・ロマエ」の世界!)もさることながら、建物全体が貴重な洋風建築の遺産となっている。竣工は1928年で、森山松之助(他の作品に台湾総督府など)の設計によるネオゴシック風の建物は、国の重要文化財に指定されている。外側はネオゴシック、中に入ると古代ローマ風のお風呂とは様式美のテンコ盛り。日本の洋風建築を偏愛する私としては、熱い血がたぎってしまう物件だ。入浴料は大人600円と手頃なので、近くにあったら毎週通ってしまうことだろう。

(下の写真)塔が印象的な浴場棟(右)。左手には娯楽・文化用の会館棟がある。
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千人風呂と命名されたローマ風呂。今にも浴場技師のルシウスが登場しそう? 浴場内はもちろん撮影できないので、諏訪市役所のサイトから写真を借用。
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湯上りは階上の休憩室へ。飲み物や食事が出る。アカンサス模様の柱の下で、座卓に座布団で寛ぐという和洋折衷な風景が楽しい。
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【Day 5】
諏訪の看板建築めぐり。上諏訪駅周辺は、関東大震災以降に流行し、戦後まで受け継がれてきた建築様式である「看板建築」(建築史家の藤森照信氏が命名)の宝庫だ。これは、商店などの建物の前面を平坦にして、モルタルや銅板を使ってまるで大きな看板のように自由に装飾したスタイルのこと。食事をする場所を探しながら、ふらふらと街を歩いてみたら、魅力的な看板建築や洋風建築に巡り合うことができた。

上諏訪の商店街の看板建築群の中でも重厚さで群を抜いている三村貴金属店(左)と白牡丹(右)。
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こちらは、すっきりとモダンな感じ。
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旧富士銀行。今は予備校。銀行って、なぜ円柱を並べた神殿風の建物が多いのか。
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諏訪大手見番の建物。みごとなハーフティンバーに見とれた。
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旧魚安食堂。入口の硝子戸には「魚安食堂」という字が残っている。木造3階建てで窓の造形が美しい。
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by bonnjour | 2012-08-15 00:23 | 旅する