B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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ナンシー歌劇場「アルタセルセ」をライブ放映
ナンシーのロレーヌ国立歌劇場で上演されたレオナルド・ヴィンチのオペラ「アルタセルセ」は、千秋楽の11月10日の公演が欧州のクラシック音楽専門チャンネルMezzoでライブ放映された。チャンネル契約者以外は見られなくて悔しい思いをしていたら、熱烈ファンが早速、さわりの部分をYouTubeにアップしてくれているのでご紹介する。

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冒頭のシンフォニアでは、衣裳をつける前のTシャツ(ナンシー歌劇場のロゴ入りだ)やバスローブ姿の歌手たちが舞台に一列に並ぶ。彼らが、これからこのオペラの登場人物に変身して物語が繰り広げられる、という舞台裏を見せるような演出。若くて威勢のいい男が6人も横一列に並ぶと、それだけでじゅるっとなってしまう この作品への期待感が高まるのだった。



第1幕、Scena IV+V: Per pietà, bell'idol mio (アルタセルセのアリア)。抒情的なアリアを歌わせたら並ぶ者のないジャルスキー(アルタセルセ役)。すれ違う恋人たちの心を象徴するかのように、前景のアルタセルセと後景のセミーラ嬢(サバドゥス)が交差する。白鳥のような衣裳を着けたサバドゥス君の可憐なダンスも見もの。



第1幕、Scena XIV: Vo solcando un mar crudel (アルバーチェのアリア)。今までの深刻な物語とまったく無関係に、突然ファジョーリ(アルバーチェ役)が伝説のカストラートかと見まごうばかりの派手衣裳とバロック・ゼスチャーで歌いだす超絶技巧アリア。別名、失神アリア。舞台を見た私は、ファジョーリがイキナリやらかしてくれた!と度肝を抜かれた。下のビデオの8:35頃には、歌謡ショーばりに、金色の紙吹雪が一面に降り注ぐのが見えるだろう。1幕目最後のこのアリアに、盛大なブラボーが飛んだのは、ビデオで見る通りである。



第2幕、Scena VI: Se d'un amor tiranno (マンダーネのアリア)殺された父王の復讐を願う気持ちと、下手人とされる恋人アルバーチェへの思いの間で揺れ動く女心をせつせつと歌いあげるチェンチッチ(マンダーネ役)。衣裳に目を移せば、女らしいマンダーネはオレンジ色のドレス、清楚なセミーラは緑色のドレスと色彩の対比も美しい。でもってマリー・アントワネットのように高く結いあげた髪には薔薇の花が飾られていて。そこまで、やるか!(笑)



第3幕、Scena VII: Tu vuoi ch'io viva o cara (アルバーチェとマンダーネの二重唱)。アリアが次から次へと放たれるこのオペラ唯一の二重唱にして、心を打つ美しい旋律の作品。衣裳とメイクのせいもあるが、生物学的には男である2人の歌手が男女の愛の二重唱を歌っていても、まったく違和感がない。それは上辺ではなく、女の「心」を歌っているからだろう。芸術の勝利。まさに、歌舞伎の世界。

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"Quando finisce, o dèi, la vostra crudeltà!"(おお、神々よ、あなたの無慈悲はいつになったら止むのでしょう)の”la vostra crudeltà!”(あなたの無慈悲)に現われる平行3度がゾクゾクするほどきれい(上記)。あと、下のビデオの1:22および5:21のあたりで、「crudeltà!」の語尾の「tà!」が、二人とも胸声をミックスした男性的な声になるのが変態チックでよい。



【余談】
ファジョーリ(下の写真右)は素顔がのっぺりしているせいか、白塗りメイクですごい色男に変身する。まるで男役の歌舞伎役者みたいだ。相手役のチェンチッチ(同・左)は顎が割れている男性的な顔立ちだけど、女性の仕草をよく研究していて見事に化けている。

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でもって、ファジョーリって「ソラマメ」に似てませんか?いや、苗字からの連想(fagioli = 豆)かもしれないけれど・・・。

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by bonnjour | 2012-11-13 10:59 | 聴く&観る