B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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ナンシーの旅 雑記帳
女人禁制オペラを追っかけた今回のナンシー旅行&パリ滞在(11/6-13)だが、その合間には普段の運動不足を解消するかのように街歩きに励んだ。

ナンシーといえば、街の中心部にある華麗なスタニスラス広場(を含む一帯が世界遺産に登録されている)と、かつてのアールヌーヴォー運動の一拠点としての顔が有名だ。ドイツ国境に近いロレーヌ地域圏にあるこの都市は、街並みもどことなく北方の香りを感じる。

まずはスタニスラス広場。実はナンシー歌劇場は、この広場を構成する重要な要素になっており、私が泊ったホテルもこの広場を突っ切ってほど近い場所にある。ナンシー駅に降り立ち、ホテル目掛けて歩いていたら、目の前にこの壮麗な広場が突然現れたときの感動をご想像いただきたい。

↓ 広場の夜景。双子みたいな建物の左側が歌劇場。右は老舗高級ホテルの「グランホテル・ド・ラ・レーヌ」で、マリー・アントワネットが故国オーストリアからフランスへの輿入れの途中で投宿したという逸話がある。
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↓ 昼間はこうなる。後景の建物は市庁舎。銅像の主は、かつてここを治めていたロレーヌ公スタニスラスで、広場は彼が作らせたもの。この人は祖国ポーランドで王様をやってたが、パワーゲームの中で王位を追われ、娘婿であるフランス王ルイ15世の温情により、当時フランス領になったばかりのロレーヌ地方の統治を一代限り認められた。善政を敷いた支配者として慕われたので、銅像の台座の銘には「A Stanislas le Bienfaisant, la Lorraine Reconnaissante(恩人たるスタニスラスに捧ぐ。ロレーヌは感謝の心で一杯である)」と刻まれている。卑近なたとえでいえば、会社を乗っ取られたオーナー社長が、知人の伝手で別の会社の雇われ社長になり、そこで名経営者として社員に慕われた、みたいな感じか。
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↓ 美しいロココ様式の金属細工の柵が広場を取り囲んでおり、それがこの広場の特徴となっている。
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↓ オペラの中身も大事だが、その容れ物となる歌劇場も、外観、内部ともにとても美しく、オペラに行くときのワクワク感を高めてくれる場になっている。
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↓ 幕間には飲み物が供されるホワイエ。シャンパン1杯にカナッペ3点(塩味2点、甘味1点)がついて8ユーロ(≒800円)という、地方ならではの良心価格に泣いた。ついでに今回のオペラの料金も、最上カテゴリーの席が59ユーロ(≒5,900円)という、武蔵野文化事業団すら負けそうな良心価格である。地方文化の拠点として地元の人に愛されていることは、あまり気負わない普段着に近い服装の人が目立つ観客を見ても分かった。
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↓ 「アルタセルセ」CDの看板を発見。ロビーでジャルスキーとチェンチッチのCDを即売していた。
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↓ ロレーヌ公の館を転用したロレーヌ地方博物館は、この地方が生んだ偉大な画家、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「蚤をとる女」を所蔵している。蝋燭や松明が発する光と、闇との強いコントラストが特徴的なこの画家を偏愛している私としては、ぜひとも立ち寄るべき場所だ。
(博物館内はフラッシュ不使用での写真撮影を許可)
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↓ 同じく博物館にて。尻フェチ。
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↓ こちらはスタニスラス広場に面したナンシー美術館。14世紀から現代までのヨーロッパ絵画をコレクション。また地元出身のガラス工芸家、ドーム兄弟の手によるアールヌーヴォーおよびアールデコ・スタイルのクリスタル製品やガラス工芸品を展示している。真ん中のペルジーノの聖母子像が、可愛いすぎ。
(美術館内はフラッシュ不使用での写真撮影を許可)

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↓ ナンシー美術館は、階段すら美的センスにあふれている。
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↓ 中心部から少し外れた住宅街にあるナンシー派美術館。ウジェーヌ・コルバン(ガラス工芸家エミール・ガレのパトロン)の邸宅だった建物で、アールヌーヴォーの一派であるナンシー派の美術品を展示している。というより、むしろ住宅という外枠を利用してアールヌーヴォーの建築、工芸品、ガラス製品、織物などをふんだんに盛り込んだ総合展示場のような場所。サロンに置かれたピアノに、ちょんまげ姿のお侍の絵が装飾としてあしらわれていたのには驚愕というか苦笑した。アールヌーヴォーに特徴的なジャポニズムの表れか?
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↓ ナンシーは街全体がアールヌーヴォー様式の展示場のようなところ。建築マップ片手に街を巡れば興味が尽きない。
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【番外編】
ナンシーで3泊した家族経営の小さなホテル。歌劇場の裏手という、オペラ鑑賞には最適のロケーション。そのため、宿泊者の多くはオペラ目当てで来ている人たちだった。
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by bonnjour | 2012-11-16 04:30 | 旅する