B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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好きな夢を見る方法
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"Flaming June" by Frederic Leighton
私はプロのカウンターテナー歌手として、ケルン歌劇場で上演されるオペラ「アルタセルセ」(レオナルド・ヴィンチ作)の舞台に立とうとしている。間もなく開演なので、出演者一同には緊張が走る。

そこに当日の控えの歌手であるK氏(実在の人物)が現れて、「それで、君の役はどれなの?」と聞いてきた。私は一生懸命に記憶をたぐるが、頭の中が真っ白になってしまった。ややあって、「ああ、そうだ。今夜はドン・ジョバンニを演るんだった」と思い出し、「ツェルリーナ!」と返事した(このあたりの矛盾が、夢である所以)。

場面は変わり、舞台では「ドン・ジョバンニ」でなく「アルタセルセ」が進行中である。私の、ほんの数10センチ先には恋人同士を演じるフランコ・ファジョーリとマックス・エマニュエル・チェンチッチが向かい合っている。二人は二重唱「Tu vuoi ch'io viva o cara」(愛するひとよ、君は僕に生きろというけれど)を歌い始めた。まさに天国的なハーモニー。こんな至近距離でこの曲を聴けるとは、なんと幸せ者であることか。私は、自分自身がキャストの一員であることも忘れて、デュエットに聴き入るのだった。



先日、冗談に「今夜は夢の中でフランコ様に会うからね」と宣言してみたが(ファジョーリの実演を先月ナンシー歌劇場で聴いて衝撃を受けてから、にわかファンになった私である)、もちろんかなわなかった。それが昨夜、本当に実現して、ちょっとうろたえている。眠りにつく直前まで、「アルタセルセ」のケルン公演に行ってきたばかりのブログ友の報告を、同好の士とともにTwitterとFacebookで見聞きして興奮していたので、どうやらそれが夢に反映されちゃったらしい。夢にしては妙にリアルな音と映像であった。しかし、最初はカウンターテナー(=男性)であったはずの自分が、途中からツェルリーナ役(=女性)に性転換するのは、やっぱり自分の性自認は女性ってことなんだろうな。

好きな夢を見る方法、というのがあるらしい。

いわく、「自分は今、夢を見ている」と自覚できる「明晰夢」(lucid dream)を見ること。寝る直前に、見たい夢に近い写真や映像を見ること。夢を思い出す訓練をすること。見た夢を記録しておく「夢日記」を付けること、等々。

このうち、「明晰夢」以外はすべて自分に当てはまりそうなので、これは見るべくして見た夢だといってよいだろう。

夢を思い出して記録することについては、小学校に上がる前に見た、怪奇的でシュールな夢が最も古い記憶だ。あまりにも印象が強烈だったので、折に触れて思い出し、それが記憶に定着した。
私は近所の薬局の前に設置された、お気に入りの遊具に乗っている。10円玉を入れると、動物の形をした電動の乗り物が上下に揺れるという例のやつだ。ところが突然、乗り物の台がパカッと開いて、地下から数体の骸骨が躍り出てきた。ママー、助けて、怖いよう ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。

この夢には理由があって、その日の昼間、私は百科事典に載っている古代の埋葬の発掘写真を見せられたのだ。そこには踊ったような形をした骸骨があった。古代人だけでなく、人間は誰でも死ぬとそのような形になることを知った。「死ぬ」というのは、幼稚園で毎日唱えさせられるカトリックの「天使祝詞(=アヴェ・マリア)」に「天主の御母 聖マリア、 罪人なるわれらのために、 今も臨終の時も祈り給え」という一節があり、その「りんじゅう」というのが「しぬ」ことなのだと教えられていたが、「しぬ」ことを視覚化したのは、その発掘写真が最初である。地中から骸骨が湧いて出て、骨をガシャガシャいわせながら踊るなんて、幼稚園児が見るには生々しすぎる夢。まさにDanse Macabre(死の舞踏)の風景だった。ちょうど、下の絵のような。

どうせなら、死の舞踏ではなく、昨夜のような天国的なデュエットの夢を見たいものである。だから、寝る前に見る映像は厳選したい。
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"Dance of Death" by Hans Holbein the Younger
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by bonnjour | 2012-12-19 06:09 | 暮らす