B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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コペンハーゲンでヘンデルのPartenopeを見る
オーフスから3時間半かけてコペンハーゲンまで、ヘンデルのオペラ「Partenope(パルテノーペ)」を見るためにやってきた。コペンハーゲンには数年前にできた新しいオペラハウスがあるが、今回の公演は古いほうの劇場で上演されている。
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中に入るとクラシカルかつ豪華な内装で、さすが首都にあるメインの劇場という感じがするが、観客の服装が思いのほかカジュアルなのは、何事も気取らない北欧という土地柄かもしれない。有人のクロークがなくて、回廊の隅のコート掛けにセルフサービスでコートを掛ける形式なのは、気取らないというか、平和というか(紛失事件などないのだろうか)、余計なチップがかからなくてよいというか、新鮮な驚きだ。
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オペラのストーリーは10月8日のエントリーにある通りだが、今日はなんと「男装の麗人」Rosmira役のメゾソプラノ、Tuva Semmingsenが急病ということで(先週風邪をひいていたアンドレアス・ショルの恋人役で、なにかと接近するシーンが多いので、彼から風邪を移されたのでは?)、彼女は演技だけして、歌唱は代役がオーケストラピットでこなすという変則的な扱い。実力のある歌手と聞いて実演を聞くのを楽しみにしていたので、ちょっと残念。でも今日の公演は地元のラジオ局で生放送されたので、代役のメゾソプラノ、Trine Bastrup Mollerは、ひときわやりがいがあったに違いない。堂々とした歌唱で健闘していた。

【配役】
Partenope: Inger Dam-Jensen(ソプラノ)
Arsace: Andreas Scholl (カウンターテナー)
Armindo: Christophe Dumaux (カウンターテナー)
Rosmira: Tuva Semmingsen (メゾソプラノ、歌唱代役: Trine Bastrup Moller)
Emilio: Bo Kristian Jensen (テノール)
Ormonte: Palle Knudsen(バリトン)

【演奏】
Lars Ulrik Mortensen 指揮 Concerto Copenhagen

YouTubeに、地元のTV局、DR2で放映された公演の様子がアップされている。これは私たちが見た公演より前に収録されたもので、Tuva Semmingsenもちゃんと歌っている。ご覧の通り、スタイリッシュな舞台美術で歌手たちも歌はもちろんのこと、演技が達者なので、視覚的にも大変に楽しめる。


プレイボーイでちょっとなさけないアルサーチェを歌ったショルは、安定感ある歌唱とステージ上での抜群の存在感でさすが、カウンターテナー界の第一人者という印象を与えたが、先週の風邪ひきから完全に回復していないのか、全体的にsotto voceっぽい感じがした。でも、彼が出てくるととたんにステージが華やぐのはさすが。一時より痩せて精悍になってとにかく「カッコイイ」。第3幕のアリア「Ch'io Parta」は聞き惚れました。

内気で誠実なアルミンド役のカウンターテナー、フランスの若手クリストフ・デュモー(下記のYouTubeでちょっとだけ歌が聴ける)は温かみのあるまろやかな声で、技術もしっかりしている。大御所ショルと互角に渡り合っていたと思う。コミカルな演技も上手で「体操のお兄さん?」と思わせるほど身のこなしが軽い。まだギリギリ20代の歌手だが、将来がとても楽しみ。


タイトルロールのパルテノーペを歌ったソプラノのインガ・ダム=イェンセンも、よく通る美声で情けない男どもを仕切る女王様を貫禄たっぷりに歌った。往年のハリウッド女優みたいな金髪の肉感的美人で視覚的にもこの手の役がよく似合う人。

Lars Ulrik Mortensenが指揮したConcerto Copenhagenのバロック演奏も素晴らしかった。次は彼らの演奏する器楽曲を聴いてみたいものだ。

休憩時間を入れて3時間40分の長丁場だったけど、時間があっという間に過ぎた。同行した相棒の感想は「どうして男があんなに高い声を出すの?(カウンターテナーを実演で聴いたのは初めて)。敵役やった人(テノールのBo Kristian Jensen)の声のほうが自然で好き」という、素朴なものだったけど(トホホ)。
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by bonnjour | 2008-10-11 07:42 | 聴く&観る