B的日常
bonnjour.exblog.jp

ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
ブログパーツ
プロフィール
美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
最新のトラックバック
Wheelock's L..
from えいじゅなすの本棚 − 英語..
ミケランジェリ/ショパン..
from クラシック音楽ぶった斬り
フィリップ・ジャルスキー..
from ご~けんのAudio & C..
NAXOS MUSIC ..
from Ceciliaの部屋
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
2009年 02月 25日 ( 1 )
灰の水曜日
今日はキリスト教の四旬節の初日である「灰の水曜日」。四旬節とは復活祭の前の40日間(プラス、祝日扱いの日曜日が6回入るので実際には46日になる)で、悔い改めの期間とされる。カトリック信者は「灰の水曜日」と、復活祭直前の「聖金曜日」に大斎(1日3食のうち2食は少ない量に抑える)および小斎(肉食を断つ)を守ることになっている。というわけで普段は不信心の罰当たり教徒である我々も、今日は食事制限を守ることにした。といっても相棒は勤務先のカフェテリアで、うっかりローストチキンを食べてしまったという。ここはプロテスタント国なので、肉断ちの習慣はないのだ。

灰の水曜日には、教会の典礼の最中に信者の額に灰を十字の形に塗りつける儀式が行われる。これは、灰を頭の上にふりかけることで神の前での悔い改めを示した古代の中近東の習慣が起源だそうだ。この灰の原料は、前年の「枝の主日」に使われたシュロやナツメヤシ(こうした熱帯性の植物が育たない北方地域ではネコヤナギなどの常緑樹)である。イエス・キリストのエルサレム入城を記念する「枝の主日」では、祝別された枝が各家庭に持ち帰られ、翌年の灰の水曜日まで保管されるが、こうした枝が保管を兼ねて壁に飾られるさまは、「神社のお札」を彷彿とさせる。ついでに言えば、前年の枝を燃やすのは、日本で神社のお札やお守りを燃やす「お焚き上げ」に似ているかも。宗教儀式の形式は、洋の東西を問わず似通っているのだろう。

↓ こんな風にして枝を保管する。
c0163963_2225015.jpg


灰の水曜日は英語で「Ash Wednesday」だが、そういうタイトルの映画があった。エリザベス・テイラーとヘンリー・フォンダというアメリカ映画界を代表するスターが共演した1973年の作品である。英語タイトルをそのまま邦題にすると日本では馴染みがないからだろう、「別離」という、ありがちなタイトルで封切られた。

c0163963_22365721.jpg


テイラーが容色の衰えつつある中年女性、フォンダがその夫を演じる「倦怠期の夫婦の危機」もののストーリーで、妻は夫の愛を取り戻すためにイタリアの金持ち相手のクリニックで、最新鋭の全身美容手術を受ける。その甲斐あって妻は驚異的に若返るが、夫とは結局心がすれ違ったまま。その心の隙間に忍び込んでくるのが、ヘルムート・バーガー演じる若い美男のスキー教師(実はジゴロ)である。結局、夫の気持ちは取り戻せず、彼女は空しい心を抱いたまま、列車で去っていく夫を見送るのであった、というお話。当時41歳だったテイラーの熟れきった美しさが売り物の映画だったが、私としては、軽佻浮薄なジゴロ役のヘルムート様の退廃的な美貌に釘付けになった。しかし、こんな損な役、よく引き受けたものだ。ヴィスコンティ作品以外での彼は、本当に、もう、悲しくなるほどトホホな役ばかり。

↓ 美貌だった頃のヘルムート様。
c0163963_2318948.jpg


[PR]
by bonnjour | 2009-02-25 21:38 | 暮らす