B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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2009年 04月 09日 ( 1 )
洗足木曜日:ド・ラランドとクープランの「ルソン・ド・テネブル」
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今日の「洗足木曜日」からデンマークは復活祭の連休に入った。なぜ「足を洗う木曜日」かというと、今日はイエス・キリストと使徒たちによる「最後の晩餐」を記念する日で、福音書によれば、その席でイエスが最高の謙遜を表す行為として、弟子たちの足を洗ったというエピソードがあるからだ。

宗教がらみの祝日でも、国によってその日が国民の休日になったり、ならなかったりと違いがあって興味深い。前に住んでいたドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州では、明日の「聖金曜日」と、復活祭翌日の月曜日は休日だったが、洗足木曜日は平日だった。相棒の出身地フランスでは復活祭後の月曜日だけが休日だ。

というわけで、現在住んでいる場所はデンマークでも、諸事情からフランスの暦に従って生活している感のある相棒は、いつも通り仕事に出かけ、といっても勤務先のカフェテリアは連休で閉まっているため、昼食用にリンゴとバナナを持参し(もっかダイエット中)、取引先が日本にあるため日本の暦に従って生活している私も通常営業、といういつも通りの生活。

今日のBGMは聖週間にちなんで、ミシェル=リシャール・ド・ラランド(Michel-Richard de Lalande)の「聖週間のためのルソン・ド・テネブル」をナクソス・ミュージック・ライブラリーで聴く。
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ド・ラランド(1657- 1726)はルイ14世に仕えたフランス・バロックの作曲家。リュリやフランソワ・クープランなんかと同時代人だ。

「ルソン・ド・テネブル」(=暗闇の続誦)は、復活祭前の洗足木曜日~聖土曜日の3日間の聖務日課(1日に8回行われる勤行)のうち、最も早い「朝課」で歌われた声楽曲で、旧約聖書の「エレミヤの哀歌」をベースにしている。現実には、夜明け前に行われるのが建前の「朝課」は、前日の晩のうちに翌日分を唱えるという運用に変化していったため、ド・ラランドのルソン・ド・テネブルのタイトルも水曜日で始まり金曜日で終わるという、1日ずつのズレが生じている。

悔い改めがテーマである荘厳な「エレミヤの哀歌」に乗せた曲とはいえ、太陽王が君臨した時代の好みもあったのか、ド・ラランドやクープランが残したルソン・ド・テネブルは、この上なく優雅で軽快だ。この軽さは、重厚で重苦しい宗教音楽が苦手な人にも受け入れられるのではないだろうか。

こちらはクープランのルソン・ド・テネブル*。現存するのは「聖水曜日のための~」だけで、木曜日と金曜日の分は楽譜が出版されず、自筆譜も残っていないという。このディスクではジェラール・レーヌが包み込むような柔らかい声で歌っていて心が癒される。聖週間だけでなく一年中聴いていたくなる。
* Thanks to R-sama.

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François Couperin: Office des Ténèbres du Mercredi Saint
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by bonnjour | 2009-04-09 08:59 | 暮らす