B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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2009年 06月 17日 ( 4 )
デンマークで患者になる 番外編 阿片の夢想
手術翌日、かなり傷口が痛むのでモルヒネの錠剤を処方された。モルヒネは依存性が非常に強い麻薬なので、各国ともその使用には法律で厳しい制限が設けられているが、疼痛の緩和には大きな効果がある。とはいえ、こんなに簡単に投与されちゃっていいのだろうかと拍子抜けした。

モルヒネはいわずと知れた阿片に由来する物質なので、錠剤を飲んだ後はベッドにもぐり込み、持ち込んだiPodでこの曲↓を聴く。一度、やってみたかったんだよねー。



カミーユ・サン=サーンス作、Tournoiement - 'Songe d'opium' (渦巻き「阿片の夢想」)
Op.26-6 「ペルシャの歌」(1870)より

演奏: フィリップ・ジャルスキー (カウンターテナー)
     ジェローム・デュクロ (ピアノ)


ガイドラインに従って適切な量を処方してもらったおかげで、痛みが消えただけでトリップ状態にはならず、「阿片の夢想」を実体験できなかったのは残念、いえ、幸運でした。
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by bonnjour | 2009-06-17 23:04 | 暮らす
デンマークで患者になる その3 またたく間に病院滞在は終わり
またたく間に2泊3日の病院滞在が終わり、水曜日に退院となる。実は前日、看護師さんから「経過が良いので希望するなら今日退院できますけど、どうします?」ときかれ、さすがにそれは怖いので予定通りの水曜日退院を選んだ。

退院前に看護師さんから今後の生活に関する注意とフォローアップについて説明を受ける。傷口にはまだホチキス状の物体がはめられたままだが、これは1週間後に家庭医(住民登録時に特定の医師を指定して登録する)のところで抜鉤する予定。このように、デンマークでは専門的な処置を行う病院と、患者の生活に密着した家庭医の分業体制ができている。また今回の入院手術の総まとめのフィードバックも4週間後に家庭医から行われることになっている。こうして家庭医のところに患者の病歴情報が集中管理されるシステムは大変に優れていると思う。日本では複数の医療機関に記録が分散しているので、日本からヨーロッパに引っ越してくるときは今までかかった医療機関を回って過去の記録を集めるのに苦労した。

今回の入院で感じたこと。患者の質問には医師が時間をかけて丁寧に答えてくれるなど、コミュニケーションと情報公開がしっかりしている。医師・看護師をはじめとする病院スタッフがみなフレンドリーでよく気が付く(全員が上手な英語を話すのも外国人の患者にとってはありがたかった)。患者を必要以上に甘やかさず早期のリハビリを奨励している。院内の至る所に手指消毒用のアルコール・スプレーが備え付けてあり、院内感染を防いでいる(潔癖症の相棒は、これがすっかり気に入ってしまった)。

↓ ナース・ステーションの前に置かれた飲み物とスナックのワゴン。飲み物は温かいコーヒー、紅茶と水、ジュース数種類。スナックは果物と数種類のドライフルーツ&ナッツ類。入院患者はセルフサービスで好きなときに好きなものを頂ける。1日に最低でも1リットル半以上の水を飲むようにいわれたので、このワゴンをたびたび襲撃して色々と頂いてしまった。

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by bonnjour | 2009-06-17 20:39 | 暮らす
デンマークで患者になる その2 大いに食べて歩く
手術翌日の火曜日。午前中、担当医の先生が病室に様子を見にきてくださった。手術は大変にスムースにいって何も心配することはないとフィードバックを受ける。午前中に点滴の管も外されて自由になったのがうれしい。

朝食は焼き立てのパンとチーズ、ヨーグルトにココアドリンクと紅茶。毎回の食事は廊下に回ってくるワゴンで好きなものを選べる。

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手術の24時間後にはシャワーも許された。さすがに今日は髪の毛は洗わないようにと指導される。病室に付属のシャワールームには椅子が備え付けられていて、それに座ってゆるゆると湯を流す。早々にシャワーが使えると、病人気分が一掃されて助かる。

さて、昼食はこんな感じ↓。蛋白質と水分をふんだんに取るのが早期回復のコツと心得て、色々もらってしまった。担当の看護師さんからは、この旺盛な食欲を大いに褒められる。大食いを褒められた経験など、大人になってからは皆無だったので(普通そうでしょう)、調子に乗って完食する。

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回復には栄養を取ってどんどん身体を動かすことが大切なので、定期的にベッドから這い出して病室の廊下をガシガシと歩いた。傷口の痛みは、ふんだんに投与される鎮痛剤でかなりましになっている。どうやら徹底的に痛みを封じ込めて、廊下を歩くなど活動的な状態に置くことで患者のリハビリを促進しているようだ。

こちらが夕食のメニュー↓。メキシコ料理風のトルティーヤ(中には野菜のクリーム煮が入っている)、ハンバーグ、サラダにデザートはイチゴのコンポートと洋ナシ。飲み物は蛋白質補給を考えて牛乳。

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by bonnjour | 2009-06-17 18:52 | 暮らす
デンマークで患者になる その1 2泊3日のアドベンチャー開始
日本にいた頃から抱えていた持病の治療のため、地元デンマークの病院で手術を受けることになった。命にかかわるようなものではないのでずっと経過観察していたが、不快な症状が出るようになったのでここが潮時と観念した次第。生まれてから今まで入院経験は皆無なので、勝手の分かっている日本に戻って治療を受けることも考えたが、難しい手術ではないのと、福祉先進国といわれるデンマークの医療を実体験してみるのも面白いかも、という好奇心で地元での治療を決めた。

入院したのは大学病院で、デンマークではコペンハーゲンの大学病院に次ぐ規模とのこと。当地では家庭医制度が徹底していて、まずは住民登録時に指定した近所の家庭医の診察を受け、必要に応じて専門医を紹介してもらう。私の場合も家庭医の紹介で大学病院に回されたのが昨年のこと。何回か通院、検査を経て6月15日に手術を行うというアポを取った。

前の週の木曜日に担当医と麻酔科の医師、そして看護婦さんと3時間ほどの面接があり、治療の概要や手術の準備について説明を受けた。デンマークの病院では無料で医療通訳の手配もしてくれるそうだが、幸いスタッフ全員が上手な英語を話すので通訳の必要がなかったのは助かった。事前に渡された資料一式はデンマーク語だったが、辞書とネットの自動翻訳でなんとか解読。その日は家に帰り、手術当日の月曜日に病院に出向く。

麻酔をかける前に住民登録番号(この番号で健康保険を含む住民サービスの一切を管理している)と、これから受ける手術の内容を自分の言葉で説明するよう求められ面食らったが、患者の取り違え事故を防ぐための措置ときいて、納得。麻酔をかける間も、進行中の出来事について医師が英語で逐一説明してくれるのはありがたい。全身麻酔のおかげで何も感じないままに手術が終わり、近年まれにみる爽やかな目覚めを迎えた(麻酔科の先生は凄腕かも)。目が覚めるなり、一番気になっていた緊急輸血の有無をたずね、輸血不要だったことを知って一安心。2時間ほどで昼食の時間になったのでしっかりと食事を頂く。パンとチーズとイタリア風スープ。旺盛な食欲に自分でもビックリ。

こうして病院に2泊3日のアドベンチャーが始まった。ちなみに同様の手術を日本で受けた場合、平均的な入院期間は1週間~2週間らしい。医療費をすべて税金でまかない自己負担ゼロを実現しているデンマークだけに、入院期間は必要最小限にとどめ、後は自宅療養と家庭医によるフォローにまかせて徹底的な合理化を図っている。医療費の高騰が問題になっている日本でも見習うことは多いだろうが、その前に患者の意識を変える必要があるだろう。開腹手術の3日後に自宅に帰されることに不安や不満を感じる患者さんも多いだろうから。

↓ なかなか快適な病室。2人部屋で専用のバス・トイレ付き。1泊目は一人だったのでますます寛げた。
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by bonnjour | 2009-06-17 15:00 | 暮らす