B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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2011年 02月 13日 ( 1 )
コンピューターはクイズ名人を超えられるか ― IBM「ワトソン」のチャレンジ
子供の頃、フジテレビ系列で平日の夕方に放映されていた「クイズ・グランプリ」という番組のファンだった。一般の視聴者が解答者として出場し、「社会」「科学」「文学・歴史」といったジャンル別の問題を選び、解答していくゲームだ。問題には難易度があり、難しい(マニアックな)問題には高い得点が設定してある。複数の解答者がいて、ボタン早押しで解答の権利を得る。

この番組の形式が、米国の人気クイズ番組「ジョパディ!(Jeopardy!)」を下敷きにしたものであることを、最近知った。米国で暮らしたことはないので、「ジョパディ!」という番組がどれほど一般に親しまれているのか、いまひとつピンとこないが、この番組の特別企画として明日14日から3日間、番組の歴代チャンピオン2人がIBMの開発した「ワトソン」というコンピューター・システムとクイズ対決する



「ワトソン」は、IBM社の創立者トーマス・J・ワトソンにちなんでネーミングされたコンピューターで、コンピューター言語でなく人間の話す「自然言語」でなされた、ありとあらゆるジャンルの質問に対し、正確で素早い解答を行うことに特化して開発された。特筆すべきは、解答の際にその答えに対する「確信度」を算定することで、人間なら直感的にやっていることをコンピューターにさせるのには大変な困難があったという。また、「ジョパディ!」で読み上げられる質問文には微妙な言葉の綾やアイロニー、謎掛けなどが多く含まれていて、そうした複雑な要素をコンピューターが解析するのは難問だ。IBMの研究者チームは4年がかりで「ワトソン」を開発したという。

対戦者は、「ジョパディ!」の歴代出場者の中で最多連勝記録を達成したケン・ジェニングス氏と、単独の出場者の累積賞金として最高の325万5,102ドルを稼いだ記録をもつブラッド・ラター氏。こういうクイズ名人の頭の中というのは、最近発見された星の名前から映画の中の名台詞、メキシコ料理に使われる特殊なスパイスの名前に野球選手の成績まで、果てしない分野の知識がぎっしり詰まっていて、問題文の読み上げとともにそれらの知識が即座に連携して解答が導きだされるのだろうか。人間の可能性はたいしたものだと感心する。

対する「ワトソン」は対戦前にメモリーに書籍100万冊分のさまざまなコンテンツ(百科事典、辞書、一般書籍、映画台本、等々)を読み込んでおき、問題文に含まれる特定の言葉をメモリー内の知識と結び付けて、確信をもって正しい解答を決定する。言葉の意味や文脈を分析する能力があるため、それが可能となっている。また、並列演算で大量の情報処理を行うプロセッサーの技術革新のおかげで、100万冊分の自然言語で書かれた情報を瞬時にチェックし、3秒以内に正解を見つけ出すという離れ業が可能になった。具体的にはPOWER7という汎用プロセッサーがコア数にして2,880個(!)使われている。

さて、この「ワトソン」だが、開発の目的は実世界での応用にあり、「大量のデータを取捨選択して的確な解答を導き出し、その信頼性を順位付けする」という能力を、今後は医療診断や医薬品の開発、法律分野では過去の判例の検索、ビジネス界では顧客サポートなど、さまざまな分野に応用していくという。

今回の人間とコンピューターのクイズ対決。私が会社員としての大半の年月を過ごし、現在でも間接的にお世話になっていないこともないIBMの「ワトソン」に肩入れしたい気持ちもあるが、接戦の末に人間に勝ってほしいような気もする。
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by bonnjour | 2011-02-13 17:29 | 思う