B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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秋にぴったりの?嘆き節集
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いきなり妖しさが炸裂のジャケットだが、真面目なバロック声楽曲の新譜だ。17世紀に流行った「Lamento」(嘆きの歌:複数集まるとアルバム・タイトル通り「Lamenti」ね)というジャンルのアリアを、女流指揮者のエマニュエル・アイムのもと、当代の人気歌手たちが歌っている。

私はモンテヴェルディの有名な「アリアンナの嘆き」くらいしか知らなかったが、17世紀の人たちはこういう嘆き節の出てくるオペラやマドリガルを聴いて、現代人がTVのメロドラマに涙するのと同じようなカタルシスを味わっていたのだろうか。ともあれ、物思いにふけるのが似合う秋にはぴったりのディスクだ。

この手の企画ものは選曲と人選が勝負という感じがするけれど、このディスクは「アリアンナ」や、同じくモンテヴェルディの「オルフェオ」「ポッペアの戴冠」など有名どころから、女流作曲家バルバラ・ストロッツィの作品など、マイナーなものまでとりまぜて、歌っているのもロランド・ヴィラゾン、ナタリー・ドゥセ、フィリップ・ジャルスキー、パトリツィア・チョーフィなど、今元気のいい人たちばかりで、なかなかワクワクさせてくれる企画だ。

発売元のEMIでも、このディスクの宣伝には力を入れてるようで、発売前日(9月28日)にはこんな↓プロモーション・ビデオをネット配信した。(前宣伝につられて、リアルタイムで視聴してしまった私)



このビデオを見てもわかる通り、指揮のアイム女史はインタビュー記事の見出しに「Emmanuelle Haim: Beauty and the Baroque」なんて書かれるくらいにお美しい人。プロモーション・ビデオのネット配信など、ビジュアルも活用した販促活動を展開する現在の音楽産業では、音楽的才能に加えてビデオジェニックな容姿も大事だと思ってしまう。

【曲 目】

・カヴァッリ:D'Hipparco, e di Climene(エジストの嘆き)(「エジスト」): ロランド・ヴィラゾン(テノール)

・モンテヴェルディ:太陽神がまだ世界に昼を(ニンフの嘆き)(「戦と愛のマドリガル曲集(第8巻)」): ナタリー・ドゥセ(ソプラノ)、サイモン・ウォール(テノール)、トピ・レーティプー(テノール)、クリストファー・パーヴェス(バリトン)

・ストロッツィ:L'Eraclito amoroso(「カンタータ、アリエッタと二重唱」): フィリップ・ジャルスキー(カウンターテノール)

・モンテヴェルディ:われを死なせたまえ(「アリアンナの嘆き」): ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)

・ランディ:Superbe colli: クリストファー・パーヴェス(バリトン)

・モンテヴェルディ:さらば、ローマよ(「ポッペアの戴冠」): ジョイス・ディドナート(メゾ・ソプラノ)

・カヴァッリ:Acate, Ilioneo(エネアの嘆き)(「ディドーネ」): トピ・レーティプー(テノール)

・カリッシミ:Ferma, lascia ch'io parli(マリア・スチュアルダの嘆き): パトリツィア・チョーフィ(ソプラノ)

・チェスティ:Dure noie(アタマンテの嘆き)(「L'Argia」): ローレン・ナウリ(バス・バリトン)

・カヴァッリ:Alle ruine del mio regno(エクバとカッサンドラの嘆き)(「ディドーネ」): マリー=ニコル・レミュー(アルト)、パトリツィア・チョーフィ(ソプラノ)

・モンテヴェルディ:わが生命なる女よ、君死にて(オルフェオの嘆き)(「オルフェーオ」): ロランド・ヴィラゾン(テノール)

演奏:ル・コンセール・ダストレイ
指揮:エマニュエル・アイム
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by bonnjour | 2008-10-05 01:04 | 聴く&観る
隙間風(courant d'air)恐怖症
私は湿気の多い日本で生まれ育ったので、家の風通しにこだわる。部屋の空気がよどんでいると不愉快だし、「瘴気」(miasma)みたいなものが満ち満ちて病気の虫、貧乏の虫に取りつかれそうだ。だから暇さえあれば部屋の両側の窓を開けて風が通り抜ける道を作り、換気につとめる。

ところが地中海沿岸の乾燥地帯で育った相棒は全く逆で、部屋の中を風が通り抜けていくのは不愉快だという。私が両側の窓を開けていると「コランデール が多すぎるから片方の窓を閉めてよ」という。最初に聞いた時から「コランデール」ってなんだろうと思ったけど、文脈で「空気の流れ」みたいなものだろうと分かったので、そのままにしておいた。

今日、たまたまある文章を読んでいて、コランデールが「courant d'air(=隙間風)」であることを発見した。その文章によれば、フランス人は全般的に隙間風を忌み嫌うという。これでやっと「コランデール」の正体と、相棒の隙間風恐怖症がフランスでは一般的なものであることが分かった。

それにしても、部屋の通気を怠るのは、結露しやすくなる冬場に向かう今のシーズンには不適切だ。相棒の隙間風恐怖症のおかげで、おととし住んでいたドイツのミュンスターでは、部屋の壁に結露によるカビが大発生して大変だった。住まいだった大学ゲストハウスの管理室のFさんはあきれて「午前と午後に15分ずつ、部屋中の窓をあけて空気を入れ替えてね」とアドバイスしてくれたものだ。

ということで、相棒が出かけると部屋中の窓を全開にしてcourant d'airが吹き抜けるのを楽しんでいる私である。
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図版:Doktor Schnabel von Rom ("Doctor Beak of Rome"), engraving by Paul Fürst, 1656. 感染防止のマスクを着用してペスト患者を往診する「ドクター・嘴」。ペストの原因も「瘴気」だと考えられた時代があった。
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by bonnjour | 2008-10-01 10:53 | 暮らす