B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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古楽オーケストラ受難の時 --- ラ・プティット・バンドを救え!
先日、オランダ在住のレイネさんのブログで、アムステルダム・バロック・オーケストラ(ABO)が政府の助成金を凍結された上、昨今の金融危機で大手スポンサーが撤退し、存亡の危機にさらされている、という記事を拝見したが、今度は隣国、ベルギーのルーヴェンに本拠を置く古楽オーケストラ「ラ・プティット・バンド(La Petite Bande)」が危機にさらされている、というお話。

シギスヴァルト・クイケンが率いるラ・プティット・バンド(1972年設立)は、ピリオド楽器によるリュリ、ラモー、J.S.バッハなどバロック作品の演奏に加え、最近ではハイドンやモーツアルトなど古典派にまでレパートリーを広げ、音楽ファンに親しまれてきた。チェリストの鈴木秀美氏を始めとする日本人奏者もこの楽団で数多く活躍してきたことで、日本のファンにも馴染みが深いオーケストラだ。

そのラ・プティット・バンドに対して、ベルギーのフランドル地方政府の助成金が下りなくなるかもしれないというのが、今回の問題だ。次回の助成金割り当ての選考に先立ち、文化大臣の諮問委員会がラ・プティット・バンドにネガティブな評価を与えたのだという。地元紙「De Standaard」の報道はこちら

そこでフランドル地方政府の文化大臣、ベルト・アンシオー(Bert Anciaux)氏に宛て、この古楽オーケストラの重要性を認識し、諮問委員会のネガティブ評価を再考するよう請願する署名運動がネット上で始まった。==>署名運動のサイト「Save La Petite Bande!」はこちら。私も早速署名した。日本時間2月9日午前7時半現在の署名数は5822名で、本国ベルギーの他、欧州各国、米国、ブラジル、日本を含む世界各国から次々と署名が集まっている。

諮問委員会がなぜラ・プティット・バンドにネガティブな評価を与えたのか、内情は分からないが、昨今の経済危機で国民の生活が苦しくなっている中、一部のインテリの趣味というイメージのあるクラシック音楽、とりわけ愛好者が決して多くはない古楽に政府の助成金を投じるのは納税者の手前、よろしくないということなのかもしれない。しかも北部オランダ語圏と南部フランス語圏の対立で国家分裂の危機にさらされているベルギーのこと、悠長にバロック音楽に耳を傾けている場合ではない、とか、文化予算は南北融和に役立つものに投じるべし、というような思惑があるのかもしれない(単なる想像だが)。

美しい音楽を通して、私たちに夢を与えてきてくれたこのオーケストラが生き残ることを願ってやまない。

↓ ラ・プティット・バンドが本拠を置くルーヴェンの風景。
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by bonnjour | 2009-02-09 07:35 | 聴く&観る
ツアーデスク業務
相棒は昨日からエジンバラに出張。ここからバスで1時間半ほどの所にあるレゴランド空港(おっと、本当の名前はビルン空港。近くにLEGOがやってるテーマパークの「レゴランド」がある)からエジンバラに飛んでいった。訪問先が旅費を負担してくれたが、予算不足とのことでイージージェットとライアンエアーという大手の格安航空会社を組み合わせて利用する。安いだけに乗り継ぎが不便だったり、荷物の重量制限が厳しかったり、制約があるのが難だ。

いつものことながら、出かけるまでがひと騒動だった。ビルン空港までのバスの時刻表は?エジンバラって寒いの?ポンドはどこで両替しよう?空港から訪問先に電話をかけたいんだけど、公衆電話(<==相棒はいまどき携帯電話を持たない少数派)はどうやってかけたらいいの?

知る人ぞ知る古代ローマの思想家、ググレカス(Gugurecus, 生没年未詳。検索システムの基礎を作り上げたことで知られる)の名前が喉元まで出かかるが、ぐっとこらえて目の前の魔法の小箱に検索ワードを入力。たちどころに答えが出てくる。所要時間、1件につき15秒。ついでに、地元の人をうっかり「English」と呼んだら喧嘩を売ってることになるから、必ず「Scottish」または「British」と呼ぶようにと釘を刺す。

以上でツアーデスク業務は終了。

訪問先のエジンバラ大学は1582年の創立だそうで、ダーウィンやコナン・ドイル、電話を発明したベルなどが学んでいる。古都にしっとりと佇む歴史あるキャンパス...。私も実際に行って雰囲気を体感してみたいものだ。アフターファイブのスコッチウィスキーにも惹かれるしね。
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by bonnjour | 2009-02-05 00:20 | 暮らす
NMLにコヴァルスキー様大量追加
ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)に最近、ヨッヘン・コヴァルスキーのディスクが大量に追加されたのを発見。その中には、昔よく聴いたものの、相次ぐ引っ越しのために倉庫に預けっぱなしになって早や4年、というタイトルも何枚かあったので、懐かしくなって早速聴いてみた。

まずはシューマンの「詩人の恋」とモーツァルト/ベートーヴェン/ミスリヴェチェクの歌曲を集めた、このディスク。==>NMLのリンクはこちら

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それまでもバロック曲ではカウンタテナーの声に馴染んでいたが、ドイツ・リートをカウンターテナーが歌うのを初めて聴いたのがこのディスクだ。90年代の初め、コヴァルスキーが「男性アルト」として日本で注目を集めはじめた頃だったと思う。「詩人の恋」第1曲目の有名な「Im wunderschonen Monat Mai(美しい五月に)」からノックアウトされた。それまで、フィッシャー=ディースカウによる「これぞドイツ・リートの決定版」という感じの演奏に馴染んでいた私には、彼のアンドロギュノス的な声で歌われるシューマンは、未知のワクワクする世界だった。カウンターテナーのレパートリーが、決してカストラート物だけに限らないことを知らされたディスクでもある。

とはいえ、カストラートのレパートリーも好きだ。当時、よく聴いたのはこの2枚。

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↑ ヘンデルとモーツアルト(カストラートのために書かれた初期の作品『ポントの王ミトリダーテ』)のオペラ・アリア集。==>NMLのリンクはこちら。

そしてハッセ/グルック/ヘンデル/モーツァルト/ドニゼッティ/ロッシーニのアリア集 ↓ では、カストラート物に加え、ドニゼッティとロッシーニというベルカントのレパートリーを歌っているのに注目した。コヴァルスキーは過去にロッシーニの「タンクレディ」をオペラの舞台でも歌った実績があるようだが、実演を聴くチャンスがなかったのが、いかにも残念。あの声とルックス(当時)で主役のタンクレディを歌われては、あまりにかっこよすぎて音楽に集中できなかったかもしれないが。==>NMLのリンクはこちら。

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このほかに、コヴァルスキーのディスクでは「Evergreens」と題した、戦前のドイツ流行歌を集めたものがあり(下の写真)愛聴していたのだが、現時点ではNMLに入っていないのが残念だ。これは、ちょっと退廃的な彼の魅力が炸裂しているお勧め盤。1曲だけテノールとのデュエットがあり、それはかなり倒錯的だ(そういうの、好き)。
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全盛期が短くなりがちなカウンターテナーの宿命か、コヴァルスキーは今ではオペラでなくポピュラー系のレパートリーにシフトしているようだが、カウンターテナーの一般的な人気を高めた大功労者であることに変わりはない。
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by bonnjour | 2009-02-04 09:08 | 聴く&観る