B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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エディンバラ旅行記 その1 「レゴランド」空港から一路エディンバラへ
我が家からバスで1時間半ほどの場所にビルン(Billund)空港がある。ここはデンマークが誇る一大観光地「レゴランド」の最寄空港として有名な場所(行ったことはないけれど)。

このビルンから格安エアラインのライアンエアーで一路エディンバラに飛ぶ。お菓子のくずが散らばった座席や極限まで縮めたシートピッチなど、いつもながら乗合バスより劣るかもしれない快適さだが、たった1時間半の旅なのでさほど気にならない。着地すると「パンパカパーン」というファンファーレが鳴って「またもや当社の便は時間通りに到着しました」との自画自賛アナウンスが流れたので笑いが広がる。ともあれ無事に到着してよかった。

今回は1カ月ここに出張している相棒のアパートに泊るので、入国審査のときに根掘り葉堀り聞かれるのではと心配したが(その時のために相棒の受け入れ先からのメールのコピーなど用意したのだが)、割とあっさりと審査を通過する。

空港から市内までリムジンバスで25分ほど(往復チケット6ポンド)。大陸とはまた違った独特な街並みと可愛らしい建物に旅心が刺激される。沿道にはパブの数多し。考えてみればデンマーク内で空港までたどり着くのに1時間半、そこからエディンバラまで飛ぶのに1時間半と、空港まで行ってしまえば後はあっという間だ。

市内中心部にあるWaverley駅で相棒と待ち合わせて、まずは彼が先週から滞在している家具付きアパートに向かう。エディンバラ城のふもとという絶好のロケーション。昔は豪華だっただろう部屋がちょっとくたびれて、あまり掃除が行き届いていないけれど、ここで掃除魔の本性を発揮すると休暇にならないので気にしないことにする。

近所のパブで早速地元のエール(フルーティな絶品)を堪能してから、相棒の共同研究者で今回ここに彼を呼んでくれたEさんおよびその教え子2人とディナー。小さなネパール料理のレストランで、手頃な料金で美味しい料理がたっぷり出てきた。イギリスではエスニック系のレストランに行くに限る。ブラジル人女性らしく、いつもラテンな雰囲気を発散しているEさんが、一番飲んで一番喋った。

↓アパートから見えるエディンバラ城の昼と夜。
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by bonnjour | 2009-07-08 20:24 | 旅する
わたしが泣くと獣と石も


Sigismondo d'India: "Piangono al pianger mio"
- musica sopra il basso della Romanesca


Piangono al pianger mio le fere, e i sassi
A miei caldi sospir traggon sospiri;
L'aer d'intorno nubiloso fassi
Mosso anch'egli à pietà de' miei martiri.
Ovunque io volgo, ovunque giro i passi
Par che di me si pianga, e si sospiri;
Par che dica ciascun, mosso al mio duolo,
Che fai tu qui, meschin, doglioso e solo?

わたしが泣くと獣と石も

わたしが泣くと獣も泣く。
石たちはわたしの熱いため息をあわれみ、ため息をつく。
わたしのあまりの嘆きに同情し、まわりの空気は霞と化す。
どこに赴こうと、どこに足を向けようと、
わたしは涙とため息にくれるばかり。
あらゆる生き物が、わたしをあわれんでこう語りかけているようだ。
「悲しみにくれる孤独で哀れなおまえよ、そこで何をしているのだ」

本日のタイトルだけ見ると何のこっちゃと思うが、モンテヴェルディやジェズアルドの同時代人、ルネサンス末から初期バロックの過渡期に活躍したイタリアの作曲家、シジズモンド・ディンディア(Sigismondo d'India: c.1582 - 1629)作曲の、モノディ様式の嘆きの歌である。現代人には過剰に感傷的ともうつる涙目な歌詞を書いたのは、世界初のオペラ「ダフネ」の台本作者でもあるオッタヴィオ・リヌッチーニ(Ottavio Rinuccini: 1562 - 1621)。

musica sopra il basso della Romanesca(ロマネスカ形式の低音の上で奏でられる音楽)という副題のとおり、当時よく使われたロマネスカ(下記の譜例)という下降形の固執低音(basso ostinato)の上で、メロディが次々と新しい装飾に伴われて変化していく。

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フィリップ・ジャルスキーが歌っている上記の動画では、”martiri”(苦痛)、”sospiri” (ため息)といった苦しみを想起させる言葉での、すすり泣くような表現が出色である。それと同時に、抑制のきいた彼の抒情性は、ともすれば大げさで感情過多になりがちなこの曲に真実味を与えている。

と前置きが長くなったところで、今日の本題(笑)。この秋にジャルスキーは古楽アンサンブルのラルペッジャータ(指揮:クリスティーナ・プルハル)とともに来日し、モンテヴェルディ作品を歌う。プログラムは、今年リリースされたアルバム「モンテヴェルディ 愛の劇場」を中心にしたものになる模様。どうやらチケット売れ行きが好調のようで、東京では追加公演も発表された。この機会にぜひ、旬の歌手、ジャルスキーをお見逃しなく(って私は別に事務所のまわし者じゃないけど)。詳細およびチケット購入はこちら

【フィリップ・ジャルスキー&ラルペッジャータ 来日公演日程】
11月 1日(日)19:00 サントリーホール ブルーローズ(東京) *追加公演
11月 5日(木)19:00 王子ホール (東京)
11月 7日(土)19:00 電気文化会館 ザ・コンサートホール(名古屋)
11月10日(火)19:00 サンケイホールブリーゼ(大阪)

え、私ですか?もちろん、東京公演に駆け付けます。
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by bonnjour | 2009-07-06 04:15 | 聴く&観る
身ぐるみ剥がれるレストラン
日本のYahoo!のニュース・サイトに「ローマのレストラン、日本人観光客への『ぼったくり』で閉鎖」という見出しで、ローマの有名レストランで法外な料金を請求された日本人観光客が警察に相談に行き、その店は営業停止処分を受けたというニュースが載っていた。

日本のガイドブックにも「手頃な価格で美味しい店」と紹介されるその店で昼食を取った日本人カップルは、695ユーロ(約9万3,000円)を請求され、いったんはカードで支払いをしたものの、納得がいかず警察に届け出たという。パスタ、伊勢海老(<==「時価」だったらヤバそう)、ワイン、ジェラート等を楽しんだ後で示されたお勘定の内訳は、食事代が579.50ユーロ、勝手に加算された「チップ」が115.50ユーロとのこと。それは青くなることだろう。ガイドブックにあるメニューでは日本人の好きなスパゲティ・ボンゴレが12ユーロ(約1,600円)、ローマ名物サルティンボッカが18ユーロ(約2,400円)等、確かにローマの有名店としては手頃な価格だ。

このニュースは現地でも話題になっているようで、ローマに本社のある大衆的な日刊紙La Repubblica(余談になるが私はイタリアに行くとこの新聞を詐欺避けのお守りとして買い、現地在住者を装う。紙面は日本でいうと読売新聞みたいな感じだが、論調は左寄り)や、ミラノで発行されているCorriere della Sera(保守系の大手日刊紙)でも大きく報道されている。

Corriere della Seraの記事にはご丁寧にも証拠品のレシートまで掲載されているが、明細(大人2人分)が傑作だ。

前菜 (142 ユーロ)
パスタ・スープ類 (208 ユーロ)
魚料理 (82,50 ユーロ)
デザート (31 ユーロ)
ワイン (108 ユーロ)
以上にパン、ミネラルウォーター等を加算して579,50ユーロ。
それと別にチップとして115,50ユーロ。

一流レストランで稀少価値のある最高級ワインを頼めば勘定は700ユーロどころか天井知らずになるし、たいていのぼったくり店では「お店おすすめのワイン」(実は安物)を値段を知らせないままオーダーさせて料金を釣り上げるのが常道だが、ここではワイン108ユーロという、ありうるような、ありえないような微妙な価格設定にしてあるところが巧妙だ(ちなみにオーダーしたのはごく平凡なソーヴィニヨン・ブランだったそうで、そうなると108ユーロはどうみても暴利だろう)。逆に食事の部は、食材(例えば新鮮な伊勢海老や最高級のキャビアなど)によっては「ありえなくも、ない」価格なのが狡猾である。確かにパスタ類が208 ユーロというのは、「スパゲティの上に大量の金箔でも振りかけたんですか?」とツッコミを入れたくなるけれど。

今回は、お客さんにも迂闊なところがあって、値段を確認しないままに「お任せ」で料理を持ってきてもらったそうだ。日本の寿司屋のように「お任せでお願いします」といえば、お客の身なりや年恰好を考慮して適当な料金内で握ってくれる阿吽の呼吸が通用しない海外、とりわけ「騙すのが悪いのでなく、騙されるようなスキがある人間が悪いのである」という人生観がまかり通る国では、その一言が命取りになることに注意しなければならないだろう。それと同時に、モヤモヤしたら泣き寝入りせず、今回のようにしかるべき機関に通告することも大切だ。(「またですか」で終わることも多いけれど)。

このような「事件」は、実はローマやパリなど、一大観光地では日常茶飯事なのではないかと思うが、調子に乗りすぎたこの店が「見せしめ」のため営業停止処分を受けた、という気もする。なお、営業停止処分の理由は、ぼったくり行為でなく、調理場の衛生管理の不備と違法労働者の雇用だそうだ。そのあたりにも、どこからを「ぼったくり」というか、線引きが難しい現実がうかがえる。

↓ これがメニューに「時価」として載っていたら、要注意。さわらぬエビに祟りなし。
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by bonnjour | 2009-07-05 21:58 | 暮らす
ギリギリの安全ガイド
そろそろ夏休みシーズン。新型インフルエンザの流行は気になるが、航空機の燃料サーチャージ値下げや円高という追い風により、海外旅行を予定している人も少なくないだろう。

そこで気になるのが搭乗時の安全対策。各航空会社では機内TVや実演で酸素マスクの装着法や緊急時に取るべき姿勢など、安全に関する情報を提供しているが、「そんなの知っている」とばかり、ちゃんと見ている人は少ないようだ。

そんななか、ニュージーランド航空が作った機内放映用の「安全ガイド」は一味違った趣向で乗客の関心をひこうとしている。



「Bare essentials of safety from Air New Zealand」(ニュージーランド航空からの、ギリギリ必要な安全のお知らせ)と題したこのビデオには、会社のために身体を張った(身体に塗った?)現役の操縦士と客室乗務員が登場する。この試みが功を奏して乗客の安全意識が向上すればよいが、記憶に残ったのは「見えそうで見えないギリギリのカメラ・アングル」だけ、ってなことになったらちょっと寂しい。
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by bonnjour | 2009-07-03 03:40 | 息抜き