B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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山のような荷物を引きずってデンマークに戻る
山のような荷物を引きずってデンマークに戻る。荷物を重くしている元凶は、いつものとおり食品だ。今回は成田からコペンハーゲンまで直行便だったのでフライトは楽だった。しかし、いつも使っているエールフランスに比べ、SASのエコノミーの機内食は「ふざけてんのか?」といいたいほどセンスがないのは、食に対する執着の違いか?朝食に日本蕎麦とコロッケのサンドイッチ(とんかつソース味)と「ポッキー」をセットにして出すのは、嫌がらせとしか思えない(笑)。さて、問題はコペンハーゲン到着の後。地方都市在住の悲しさ、重いスーツケースを引きずってコペンハーゲンの空港からオーフスに列車で移動する3時間半の旅がいつもネックだ。

幸い、インターシティの列車は大変に空いていて地獄のように重いスーツケース類を置くスペースもふんだんにあった。翌日が締め切りの仕事を持ち帰ってきたのだが、座席にはテーブルとパソコン用の電源が完備されているので早速パソコンを立ち上げる。列車の中という環境ゆえ他にやることがないので集中できて、いつもよりずっと能率的に仕事が仕上がったのはよかった。
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by bonnjour | 2009-11-28 11:18 | 旅する
西荻窪の喬家柵
変わり者の父が、若い頃を過ごした下関に一人で1泊旅行に出てしまったので(思い立つと一人でふらりと旅に出る性格は私が受け継いだ)、夜は母と二人で西荻窪の喬家柵(ジョカサア)という、働き者の中国出身のオーナーがやっている上海料理店に行く。わたしが西荻で独居していたときに見つけた店だ。日本滞在もあと数日となったので、美味しい中華を食べ貯めしておこうという魂胆。

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車海老の胡椒風味揚げが絶品。

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白身魚の甘酢がけは、あっさりした味。

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海鮮のXO醤炒め。そういえば調味料のXO醤はデンマークでは見かけない。買って帰りたいけれど、瓶入りは重くなるので無理か。

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白身魚の甘酢がけと見た目が似ているが、こちらは黒酢の酢豚。

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上海蟹入りチャーハン。これはコストパフォーマンスが悪かった。

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小さい甕に入った紹興酒は割高だったけど美味。

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食事の後は、かつてよく通ったディスカウント酒屋でデンマークに持って帰るための酒類を購入する。ビールを除くデンマークの酒類の値段の高さは異常。(結局荷物が重くなりすぎ、買った酒類は1つを除き実家に置いてきた)。

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by bonnjour | 2009-11-25 10:46 | 暮らす
奄美大島の味
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昨年、母がわたし用に購入してくれて店(所在地は奄美大島だ)に預けっぱなしだった大島紬の反物を、今回やっと仕立ててもらったのだが、納品された着物と一緒に奄美大島の名産品が送られてきた。仕立てをお願いする際に、海外に持って帰りたいと仕上がりの期日を確認したのだが、それを覚えていてくださって、親切にも「外国で奄美の味を楽しんでください」とメッセージが入っていた。その気配りに、じーんとする。
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by bonnjour | 2009-11-25 10:29 | 暮らす
季節はずれの隅田川クルーズ
用事があって都心に出かけたついでに浜松町に足をのばし、日の出桟橋から隅田川クルーズの遊覧船に乗る。実はこのルート、昔から好きで何度か乗ったことがある。日の出桟橋から浅草まで、約40分のクルーズで760円とお手軽価格の観光だ。

こんな季節の平日だから、乗る人はまばら。さびしいというよりは、空いていてうれしい。
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移転問題で揺れている築地市場。

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浅草に到着するまで、12の橋をくぐるのだが、その一つ一つの造形を見ているだけでも面白い。

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隅田川沿いに建つ古巣のオフィス@日本橋箱崎町、を遊覧船から眺める。今ごろ元同僚たちはあのビルの中で仕事中だなとノスタルジーにひたる間もなく、船は通り過ぎた。

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遊覧船が到着したのは吾妻橋のアサヒビール本社のすぐそば。隣接するアサヒビール吾妻橋ホールは、フィリップ・スタルク作の巨大な黄金色のオブジェ(別名、大きなウ〇チ)が有名だ。

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せっかく来たので(と言い訳して)、アサヒビール アネックス1階のカフェで「隅田川ヴァイツェン」という特製ビールを飲む。カフェの室内の煙草の煙が苦手なのでテラス席にいたら、テラス席のお客へのサービスということで、温かいカップスープを無料で出してくれた。

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by bonnjour | 2009-11-24 09:57 | 旅する
なぜかフランス人率の高い浅草
日曜日の午後。思い立って一人でぶらりと浅草に「観光」に行った。

まずはこの写真を撮らないことには観光が始まらない。

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浅草界隈では、なぜかフランス語を話す熟年カップルを多数見かけた。しまり屋の多いフランス人のこと、もしかすると近くの山谷のゲストハウスあたりに泊っているのかも?山谷のゲストハウス街はバックパッカー向けの老舗ガイドブック「Lonely Planet」に載っているそうだ。

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あまりにもワンパターンなのだが、「神谷バー」で名物のカクテル「デンキブラン」を飲む。いまどき1杯260円という破格の廉価。でも、上級バージョンの「デンキブラン オールド」(360円)のほうがずっとおいしかった。日曜日の夕方とあって大変な混雑。ここでも熟年フランス人の団体に遭遇。

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「花やしき」のレトロな遊具が浅草らしさをかもしだしている。

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伝法院通りの古着屋を見て回るのも面白い。

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by bonnjour | 2009-11-22 09:38 | 旅する
吉祥寺点描
井の頭公園の池の水鳥たち。

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週末は公園内で色々なパフォーマンスをやっていてお祭りみたいだ。

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吉祥寺の駅前のバスターミナルは、早くもクリスマス&年末用のイルミネーションが灯っていた。

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by bonnjour | 2009-11-21 09:31 | 旅する
「古代ローマ帝国の遺産」展
所用があって上野に行ったら、商店街の街灯に国立西洋美術館で開催されている「古代ローマ帝国の遺産」展の宣伝バナーがずらりと下がっていたので、急に思い立って展覧会を見て帰ることにした。美術館に入る前に駅前のチケットショップで値引きチケットを買うことは忘れなかった。当日券1,500円のところ、チケットショップでは1,300円。よく見ると無料の招待券なので、新聞販売店かなんかが配ったタダ券を転売した人がいるのかもしれない(ちなみに主催者には東京新聞が名をつらねている)。

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この企画は西洋美術館の開館50周年記念事業だそうだ(現在の館長である青柳正規氏が古代ローマの専門家であることと関係あるのかしらん)。帝国の首都ローマと、火山の噴火で滅びたポンペイの2つの都市に光を当て、帝国の誕生から最盛期までの歴史をたどるもので、彫像やフレスコ画などの美術品や工芸品、ポンペイから出土した当時の生活用品などが展示されている。どうやって運んだのか、ポンペイの大型フレスコはなかなかの迫力だ。精緻に描かれた植物は、2000年前のものとは思えない色香を漂わせている。

↓ ポンペイの「黄金の腕輪の家」から出土したフレスコ (200cm X 357cm)
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また、ポンペイの遺跡「黄金の腕輪の家」の往時の様子を再現したバーチャルリアリティの映像は、大型スクリーンに映し出されたこともあって、まるでその場にいるようだ。10数年前の8月の暑い日、一人でポンペイの遺跡を見にいったときのことを思い出した。

↓ こんな首飾りは、今でも高級宝飾店で扱っていそうだ。
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↓ 東大が2002年から発掘調査を行っているナポリ近郊のソンマ・ヴェスヴィアーナで発見された、豹を抱くディオニュソス像。白大理石で作られた見事な彫像だ。これを掘り当てたときの調査隊の興奮は、いかほどのものだったろう。
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こうした豪華な展示物のほかに、ローマ時代の水道に使われた部品が出品されていて、それがなぜか一番印象に残った。水を漉すフィルターや、水道弁などの実用品だが、水道設備を規格化して帝国の領土にインフラを行き渡らせた古代ローマ人は、ただものではなかった。

展覧会の後は向かい側の東京文化会館の資料室に寄り、モンテヴェルディの「Ohime ch'io cado」の楽譜をコピー。ここでは一定の条件下で楽譜を含む所蔵資料(視聴覚資料は対象外)の複写が許されており、コピー料金も1枚30円と手頃。コピー受付で係の人に作曲者の名前をきかれたのは、権利者の著作権が存続しているかどうかをチェックするためだと思うが、大丈夫、モンテヴェルディ先生は400年近く前にお亡くなりになっています。

この資料室は高校時代に結構よく通ったのだが、その後は足を踏み入れることがなかった。コンピューターによる検索システムが導入されるなど、近代化はなされているが、なぜかレトロな内部の雰囲気にしばしノスタルジーにひたったのである。

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by bonnjour | 2009-11-10 14:56 | 聴く&観る
草紙柄の小紋の反物
数カ月前にネットのリサイクル着物ショップで衝動買いした小紋の反物。くすんだ朱の綸子地に、ベージュの草紙の柄が散らしてある。いわゆるデッドストックなのだろう、未使用・未仕立で7,500円というお得価格なのと、本の虫には嬉しい柄だったのでフラフラと「買う」アイコンをポチッとやってしまい、実家に届けてもらった。このたび里帰りして初めて対面したが、なかなかいい感じだ。

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間近に見れば草紙だとわかるが、これを着物に仕立てて全身に纏うと、すぐには何の模様だかわからないのが謎解きのようで、かえって面白いのではないかと思った。これから仕立てに出して、次にご対面するのは来年の里帰り時かという長いスパンのプロジェクト(笑)である。

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しかし問題は、私は着付けができない!

今まで、見よう見まねで浴衣を着て都内某所の花火大会に出かけたのが1回、相棒の実家でお正月に着付けの本を見ながらなんとか小紋を着て半幅帯を文庫(これしかできない)に結んでみたのが1回。後者は数時間でみごとに着崩れて、ほうほうの体で洋服に着替えるという悲しい結果に終わっている。

というわけで、今回の里帰り中に母に着付けを教えてもらうことにした。こういうことはもっと若いうちに習っておけばよかったが、大女には着物は似合わないと思い、成人式にも振袖は着なかった私である(だいたい、地元の自治体が催した成人の日の集いに出席した記憶がない)。20代の頃に嫁入り道具のつもりか、私が知らないうちに親が訪問着や喪服など、何枚かの着物を作ってくれたのだが、それを着る機会も嫁に行く機会も長いこと逃していた(爆笑)。しかし、年を取るに従って、せっかく日本人に生まれたのだから着物を着てみるのも面白いじゃないかと心境は変化する。

母に着付けを教えてもらうだけでは忘れてしまうので、着付けのハウツー本も買った。

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笹島式 一人でできる着付け DVD BOOK (別冊家庭画報)

この本は人間の骨格に従って合理的に着物を着付ければ、苦しくないし着崩れも防げる、というコンセプトでまとめられたもの。今まで人間の骨格や内臓の配置と、身体全体を包みこむ着物、そしてそれを固定するための紐や帯との関係を考えたことはなかったので、目から鱗の感がある。

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これで思い出したのが、疫学研究者の三砂ちづるさんが書いた「きものとからだ」(2008年、バジリコ)という本だ。三砂さんは「オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す」(2004年、光文社新書))という著書で「女性は生物として子供を産むように作られているので、その機能を使わないとエネルギーが行き場を失いあちこちに弊害が出る(そして行き着くのはオニババ)」と説き、一部のフェミニストから大顰蹙を買った人だが(フェミな私も、もちろん茶を吹いた)、「きものとからだ」では、毎日着物を着て暮らす(海外出張でさえも)という自身の体験に基づいて、日本の気候や暮らしから生まれた着物は快適な衣服で、毎日着物を着ることで身体もイキイキとしてくる、と主張しており、これは私もある程度同意する。とはいえ、服装の自由のきく研究者である著者ならいざしらず、普通にオフィスで働く会社員やサービス業に従事する人など、圧倒的多数の人々は着物を日常着にすることが社会的に無理なのだから、絵に描いた餅という気もする。
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by bonnjour | 2009-11-09 20:04 | 暮らす
生き生きとした即興性に彩られた夜 - ジャルスキー&ラルペッジャータ来日公演 (王子ホール)
ジャルスキー&ラルペッジャータの来日公演にまた行ってきた。会場は銀座・王子ホール。先週土曜日の東京芸術劇場(フジコ・ヘミングとのジョイントコンサート)、日曜日のサントリーホール・ブルーローズ(追加公演)と続けて聴いてきたが、自分にとっては今日が聴き納めだ。

ちなみに今夜は東京オペラシティでマルク・ミンコフスキがレ・ミュジシャン・ド・ルーブルを率いて来日公演(ラモー・プログラム)を行っており、そちらにもかなり魅かれたのだが、初心を貫いて(笑)ジャルスキーを選んだ。東京近辺のバロック音楽ファンの中には、ジャルスキーとミンコフスキを秤にかけて後者を選んだ人も多かったようだ。豪華な顔ぶれの来日公演が目白押しの東京だが、このように日程がバッティングするとなると良し悪しだ。

王子製紙がメセナ事業の一環として本社ビルに併設した王子ホール(1991年完成)は、客席数315席と小振りながら、親密なサロン的雰囲気を持つホール。古楽アンサンブルとカウンターテナーの演奏を聴くには最適の環境だ。

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演奏が始まり、あれっ?と思った。今まで2回の公演は、いずれもイタリア民謡歌手のルチッラ・ガレアッツィが力強く歌う「ああ、美しき人生」で幕を開けたのだが、今夜は器楽曲(カッツァーティ作曲のチャコーナ)で始まった。まさか、前回素晴らしい歌唱で聴衆を圧倒したガレアッツィが急病で降板?と心配になるうち、ジャルスキーが登場し、女性作曲家バルバラ・ストロッツィ作の「恋するエラクレイト」を歌いはじめる。これは「Udite, amanti (聞け、恋人たちよ)」で始まるドラマチックなラメント(嘆き歌)。私は今回、後ろの方の席に座っていたのだが、彼の声はシャープで張りがあり、後方にまでよく響く。そして時折り差し込む浮遊感が、聴く者を病みつきにする。

ジャルスキーが2曲歌った後は、カスタネットの激しいリズムが印象的なタランテラ(器楽曲)が演奏される。そしていよいよガレアッツィが「ああ、美しき人生」を歌いながらステージに登場した。地に足のついた存在感のある歌手だ。よかった、キャンセルじゃなかったんだ。後でロビーをよく見たら「曲順変更のお知らせ」という掲示があった。私はそれを見逃して早とちりしていたわけだ。

コンサート後にジャルスキーとプルハルが出席するサイン会が開かれたので、そこでお二人に曲順変更の理由をきいたところ、演奏効果を考えてのことという。冒頭で民謡歌手のガレアッツィを出してしまうと、最初から種明かしをすることになるので、「サプライズ」は少し後に登場させることにしたのだそうだ。また、前回の公演で演奏されたモンテヴェルディの「美しい乙女」および「安らかにみな忘れ」(「ポッペアの戴冠」より)は省略されて、かわりにルイジ・ロッシの「アヴェルヌスを離れよ」が入っていた。

このように、日を経るに従って演奏曲目の選択と順番が臨機応変に変化するのに加え、各曲のアレンジも日によって少しずつ異なっているのが興味深かった。即興演奏については言うまでもない。日本公演のプログラムに寄せた解説で、プルハルは次のように書いている。
「どんなバックグラウンドを持つミュージシャンにとっても、即興演奏とは、聴衆とコミュニケーションをとるための最も直接的な手段です。年齢や文化的背景にかかわらず、即興演奏はあらゆる音楽形式に勝ります」

その言葉を裏付けるように、この晩のコンサートは演奏者と聴衆が親密なホールの中で一体となり、生き生きとした即興性に彩られた音楽が次から次へと飛び出した。きっと、忘れられない夜になると思う。

↓ カーテンコールでのガレアッツィ(左)とジャルスキー。
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↓ カーテンコールを受ける出演者一同。いつまでも拍手が鳴りやまなかった。
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【演奏曲目】
器楽曲ジャルスキーのソロガレアッツィのソロで色分けした。最後の「ロマネスカによる子守唄」はジャルスキーとガレアッツィのデュエット。

・マウリツィオ・カッツァーティ:チャコーナ
 Maurizio Cazzati : Ciaccona

・バルバラ・ストロッツィ:「恋するエラクレイト」
 Barbara Strozzi : L’Eraclito Amoroso

・ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス:プレッソ  ロンデ トランクィッロ
 Giovanni Felipe Sances : Presso l’onde tranquillo


・即興演奏:タランテラ・ナポリターナ
 Improvisation : Tarantella Napoletana


・ルチッラ・ガレアッツィ:ああ、美しき人生
 Lucilla Galeazzi : A vita bella

・クラウディオ・モンテヴェルディ/即興演奏:ああ、私は倒れてしまう
 Claudio Monteverdi/Improvisation : Ohime, ch’io cado

・ジローラモ・カプスペルガー:アルペッジャータ
 Girolamo Kapsberger : Arpeggiata


・ルチッラ・ガレアッツィ:私の花の夢
 Lucilla Galeazzi : Sogna fiore mio

・即興演奏:タランテラ・イタリアーナ
 Improvisation : Tarantella Italiana

・G.A.パンドルフィ・メアッリ:ラ・ヴィンツィオリーナ
 G.A. Pandolfi Mealli : La Vinciolina


・クラウディオ・モンテヴェルディ:苦しみが甘美なものならば
 Claudio Monteverdi : Si dolce e’l tormento


・ドメニコ・マリア・メッリ:ディスピエガーテ・グアンチェ・アマンテ
 Domenico Maria Melii : Dispiegate, guancie amate

・即興演奏:ラ・ディア・スパニョーラ
 Imprivisation : La dia Spagnola

・ルイジ・ロッシ:アヴェルヌスを離れよ
 Luigi Rossi : Lasciate Averno


・マルコ・ウッチェリーニ:満足したルチミニア
 Marco Uccelini : La Luciminia contenta


・ルチッラ・ガレアッツィ/即興演奏:家が欲しいな
 Lucilla Galeazzi/improvisation : Voglio una casa


・トラディショナル/即興演奏:ロマネスカによる子守唄
 Traditionelle/Improvisation : Ninna, nanna sopra la Romanesca

【アンコール】

・ルチッラ・ガレアッツィ/即興演奏:家が欲しいな
 Lucilla Galeazzi/improvisation : Voglio una casa

・クラウディオ・モンテヴェルディ/即興演奏:ああ、私は倒れてしまう
 Claudio Monteverdi/Improvisation : Ohime, ch’io cado


・作者不詳:天国と地獄のシャコンヌ
 Ciaccona del Paradiso e dell'Inferno


・ルチッラ・ガレアッツィ:ああ、美しき人生
 Lucilla Galeazzi : A vita bella


・クラウディオ・モンテヴェルディ:苦しみが甘美なものならば(日本語歌詞による)
 Claudio Monteverdi : Si dolce e’l tormento


【耳寄り情報】
「音楽の友」9月号の「来日演奏家速報2010」に、ジャルスキーが来年9月に来日(予定)、というようなことが書いてあったのでサイン会でご本人に確認したところ、詳細は未定ながら、来年も日本公演を行う予定とのこと。しかも次回は自身が結成した「アンサンブル・アルタセルセ」を同伴する可能性が高いそうだ。今から楽しみだ。
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by bonnjour | 2009-11-05 05:39 | 聴く&観る
ジャルスキー&ラルペッジャータの来日公演 (サントリーホール)
前日に引き続き、ジャルスキー&ラルペッジャータの来日公演に行った。今日は彼らだけが出演するプログラムで、会場もサントリーホールの小ホール(384席)と適正規模なので安心してホールに向かう。このコンサートは追加公演で、チケットは公演直前に完売という情報だったが、当日券が30枚ほど出た。会場のキャパシティからいうと結構な数で、結果的に当日券は半分以上売れ残っていたようだ。

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【演奏曲目】
ルチッラ・ガレアッツィ:ああ、美しき人生
マウリツィオ・カッツァーティ:チャコーナ
バルバラ・ストロッツィ:「恋するエラクレイト」
ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス:プレッソ  ロンデ トランクィッロ
即興演奏:タランテラ・ナポリターナ
クラウディオ・モンテヴェルディ/即興演奏:ああ、私は倒れてしまう
アントニオ・ベルターリ:チャッコーナ
ジローラモ・カプスペルガー:アルペッジャータ
ルチッラ・ガレアッツィ:私の花の夢
即興演奏:タランテラ・イタリアーナ
G.A.パンドルフィ・メアッリ:ラ・ヴィンツィオリーナ
クラウディオ・モンテヴェルディ:苦しみが甘美なものならば
・クラウディオ・モンテヴェルディ:美しい乙女

マルコ・ウッチェリーニ:満足したルチミニア
ルイジ・ポッツィ/即興演奏:カンタータ ソプラ イル パッサカリオ ディアトニカ
クラウディオ・モンテヴェルディ:「安らかにみな忘れ」(歌劇「ポッペアの戴冠」より)
ドメニコ・マリア・メッリ:ディスピエガーテ・グアンチェ・アマンテ
ルチッラ・ガレアッツィ/即興演奏:家が欲しいな
トラディショナル/即興演奏:ロマネスカによる子守唄 (デュエット)

休憩を入れず全プログラムが通して演奏された。ジャルスキーと、イタリア民謡の女性ヴォーカリスト・ガレアッツィによる独唱と、ラルペッジャータによる器楽演奏を織り交ぜるプログラム構成は昨日と同様だが、曲目は今日のほうが多い。ためしに上記の曲目リストでは演奏者を色分けしてみたが、こうしてみると変化に富む構成であることがよくわかる。会場で手渡されたプログラムには載っていなかったモンテヴェルディの「Oblivion Soave (安らかにみな忘れ)」(歌劇「ポッペアの戴冠」より)が演奏されたのもラッキー。ポッペアの乳母が歌う、この子守唄は好きな曲だ。

ジャルスキーは絶好調で、艶のある高音は震えがくるほど美しかった。また、彼の特質であるデリケートなピアニシモを味わえる、こじんまりしたホールであることもよかった。野太い声のガレアッツィが歌う土俗的なイタリア民謡と、透明感のあるジャルスキーの初期バロック曲の取り合わせが、違和感を感じるどころか、不思議とマッチしていたのは考え抜かれたプログラム構成のおかげだろう。ラルペッジャータの器楽奏者たちも名手揃いで、丁々発止の即興演奏に引き込まれた。

長らく一緒にコンサートツアーを続けているジャルスキーとラルペッジャータは、ファミリーのようなものなのだろう。互いの信頼感に裏付けられたアンサンブルの妙味を味わえる、素晴らしいコンサートだった。大喝采を浴びても出しゃばらず、いつも共演者に花を持たせようとするジャルスキーのステージマナーも、大変に好感のもてるものだ。

この晩はアンコールも大サービスで、それぞれに楽しい趣向がこらされた曲が5つ演奏された。

【アンコール】
・ガレアッツィ:「家が欲しいな」(観客参加型)
・モンテヴェルディ:「ああ、私は倒れてしまう」(ジャズか?)
・作者不詳:「天国と地獄のシャコンヌ」(下記動画をご参照)
・ガレアッツィ:「ああ、美しき人生」(ガレアッツィとジャルスキーが歌合戦状態に...)
・モンテヴェルディ:「苦しみが甘美なものならば」(日本語歌詞による)

アンコール最後の「苦しみが甘美なものならば」については、ネタばれになるので11月10日の最終公演(大阪)が終わるまではどこが「special version」だったのか書かないでおくが、この曲を歌って喝采を受けたジャルスキーが、ラルペッジャータのメンバーで鍵盤奏者の北御門はるさんの方を向いて拍手を贈る仕草を見せた、というのをヒントにしておく(といっても、いろいろな人がネタばれしているみたいだが)。

【追記】 アンコールで歌った「苦しみが甘美なものならば」special versionの種明かし。なんとジャルスキーはこのイタリア語の歌を日本語で歌ってくれたのである。11月5日の王子ホールでの同内容のコンサート終了後に北御門さんに伺ったところ、すでに日本語に訳された歌詞があり、北御門さんがその歌詞に音符を割り振ってジャルスキーが歌えるようにしたそうだ。イタリア語と日本語の構造の違いを考えると大変な作業だったと思うが、その甲斐あって旋律の美しさはそのままに、イタリア語版とは一味違った親しみやすい歌になっていた。

↓ 昨年9月のアンブロネー音楽祭で演奏されたジャルスキー&ラルペッジャータの「天国と地獄のシャコンヌ」。ヴァイオリンのタンピエリとコルネットのシャーウィンが突然歌手に変身。それを迎え撃つジャルスキー。3人とも、なかなかの役者だ。


↓ そしてアンコールでの「ああ、美しき人生」の、ガレアッツィとジャルスキーの掛け合いは、こんな感じ。(前の週にパリで開かれた「ジャルスキーのデビュー10周年記念コンサート」でのジャルスキーとゲストのガレアッツィ)


前日のジョイントコンサートではやらなかったサイン会も、この夜は開催され、ジャルスキーとプルハルの両氏が並んでサインに応じてくれた。9月にヴィシーのオペラハウスでジャルスキーと言葉を交わしたとき、秋の東京公演に行くと言っておいたのを覚えていてくれて「昨日もいらしてましたね。この辺(と、手で位置を示す)の客席に座っていたでしょう?」と言われたので、嬉しくもあり、赤面ものでもあり。相好を崩してステージを凝視する姿を見られてしまったか...。

前日の、やりにくそうなただっ広い会場や、我が道を行くタイプのピアノ伴奏者のことが頭にあって、「昨日もよかったけれど、今日はもっと幸せそうにみえましたよ」とうっかり口をすべらせたら、ジャルスキーは隣に座っているプルハルさんと顔を見合せて微笑んだ。おっと失言!と思って「いや、昨日も幸せそうでしたけど...」と取り繕ってみたけれど。

時間管理に厳しい主催者は、サイン会が長引かないよう気をもんでいる様子だったが、ファン一人一人に時間をかけて接してくれる二人のアーチストは終始にこやかで、ファンの感想を聞いたり質問に答えたりしてくれていた。プルハルのサインは笑顔のマンガ入り。物静かで神秘的な雰囲気にもかかわらず、意外とお茶目な人なのかも。

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【出演】
フィリップ・ジャルスキー Philippe Jaroussky:カウンターテナー
クリスティーナ・プルハル Christina Pluhar:指揮&テオルボ
ルチッラ・ガレアッツィ Lucilla Galeazzi:ヴォーカル
エーロ・パルヴィアイネン Eero Palviainen:リュート、バロックギター
マルギット・ウベルアッケル Margit Übellacker:プサルタリー
アレッサンドロ・タンピエリ Alessandro Tampieri:バロックヴァイオリン
ドロン・シャーウィン Doron Sherwin:コルネット
ミシェル・クロード Michèle Claude:打楽器
北御門はる Haru Kitamika:チェンバロ

【追加情報】 この公演で超絶技巧のバロックヴァイオリンを弾きまくって鮮烈な印象を残したアレッサンドロ・タンピエリは、12月に予定されているヴァイオリニスト&指揮者のエンリコ・オノフリの来日公演にもコンサートマスターとして参加する。公演は12月9日(水)および10日(木)、東京・紀尾井ホールにて。詳細はエンリコ・オノフリの日本語公式サイトをご参照。
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by bonnjour | 2009-11-01 03:58 | 聴く&観る