B的日常
bonnjour.exblog.jp

ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブログパーツ
プロフィール
美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
最新のトラックバック
Wheelock's L..
from えいじゅなすの本棚 − 英語..
ミケランジェリ/ショパン..
from クラシック音楽ぶった斬り
フィリップ・ジャルスキー..
from ご~けんのAudio & C..
NAXOS MUSIC ..
from Ceciliaの部屋
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
<   2009年 12月 ( 10 )   > この月の画像一覧
年末帰省日記 その4:静かな田舎の村
相棒の実家は人口3,000人ばかりの小さな村にあり、東京で生まれ育った私には想像を絶することがたくさんある。

- 小学校はあるが中学から上の学校が地元にはなく、子供たちは近隣の町までバス通学する。
- 電車は通っていない。本数の少ない乗合バスか自家用車が便りだ。
- 商店はコンビニ的規模のスーパーが一軒あるだけで、日常の買い物は近隣のショッピングセンターに車で行く。
- 本屋がない。これが自分の地元だったら気が狂いそう。
- 医療機関は家庭医のクリニックがあるだけで、専門医にかかるときは近隣都市の病院に行く。

全体的に自家用車に頼っているライフスタイルで、徒歩と公共の交通機関を組み合わせて出歩く東京の人間からみると、運動不足の感が否めない。車で1時間ほどいくと都市圏人口152万を誇る大都市マルセイユがあるのだが、地中海最大の港町の喧噪とは無縁な、静かな田舎だ。

↓ 30年以上前に廃線になった鉄道。かつてはこの地方で採れるボーキサイトの運搬に使われた。

c0163963_2252741.jpg

↓ 村の教会と、教会の壁に作りつけられた水道。ローマあたりだと冷たくて美味しい水が噴き出しているが、ここの水は水質に問題があり、現在は飲用不可。

c0163963_2255346.jpg


c0163963_22552759.jpg

↓ 教会の近くには野良猫の集会場がある。集会場近くにいた首輪のついているこの子は飼い猫のようで、妙に人なつこかった。

c0163963_22563452.jpg
↓ 村はずれの古いチャペル。今は使われていない廃屋。

c0163963_2258118.jpg


[PR]
by bonnjour | 2009-12-29 22:49 | 旅する
年末帰省日記 その3:胃袋マラソンの3日間が終わり
食べ物の話ばかりで情けないが、胃袋マラソンの3日間が終わった翌日、「食べ過ぎてお腹が重いから、今日はあっさりとしたものを」といって作った昼食がこれだ。

c0163963_2238693.jpg

ステーキにフレンチフライとサラダ。

これのどこが「あっさり」なんじゃ、と突っ込みたくなる。

ステーキは消化に良いので胃が疲れたときに最適、と考えるのは肉食民族に共通の思考方法のようだが、七草粥という素晴らしく健康的なお正月明けの伝統料理を持つ日本人からみると、見ただけで胃が重くなりそうだ。とはいえ、このステーキを完食してしまった自分が嬉しいような、情けないような。
[PR]
by bonnjour | 2009-12-27 22:35 | 旅する
年末帰省日記 その2:食べ尽くす3日間
3日がかりで帰省先にたどり着いたのが24日の午後。その晩から25日、26日と3日がかりで親戚と一緒にご馳走を食べ尽くす胃袋耐久レースのクリスマスが始まった。義父母の家には私たち夫婦のほか、近くに住んでいる義母の両親と、アルプスの麓の町グルノーブルから帰省した義母の妹一家が集まった。相棒が子供の頃から、クリスマスはなぜかこの顔ぶれで、子供世代が独立してからも続いているのだそうだ。

相棒の母方の祖母は10代で結婚し義母を生んだが、義母がまだ幼児のころに初歩的な医療ミスから夫を亡くしてしまい(第二次世界大戦直後のフランスの田舎のこと、とんでもないヤブ医者に当たってしまったそうだ)、義母がハイティーンになってから今の夫と再婚し、さらに二女をもうけた。二十歳そこそこで最初の夫に先立たれて苦労したはずだが、晩婚の私の両親とは同世代ながら、なんとなく少女の面影を残す小柄でブロンドの可愛い祖母だ。

そんな経緯で義母の異父妹たちは相棒の叔母にあたるとはいえ同世代で、相棒とは子供の頃からいとこ同士のような付き合いだったという。今年は下の妹のV一家は来られなかったが、上の妹のCが旦那さんと二人の男の子を連れて参加した。この子たちは相棒のいとこにあたるが、まだ小学生と中学生だ。中学生は一人前に携帯を持ち(携帯の通話料がかさむので両親が怒っているとか)、これみよがしに友達と通話しているところなど、日本のコドモと変わりない。携帯やビデオゲーム、携帯音楽プレイヤーなど、電子機器が子供に普及する様子は洋の東西を問わないものだと変なところで感心する。

居間に飾られたクレッシュ(キリスト生誕シーンのジオラマ)。人形はサントンという南仏伝統の泥人形。

c0163963_20214593.jpg

↓ 拡大図

c0163963_20233640.jpg
南仏の伝統的な「13種のデザート」(キリストと12使徒の計13人を象徴するナッツやドライフルーツ類の取り合わせ)がサイドテーブルにいつも鎮座していているので、ついついつまみ食いしてしまう=体重増加。

c0163963_20274048.jpg

クリスマスのテーブル。ナプキンの赤と黄色は、地元プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏の紋章の色。もとはプロヴァンス伯(アラゴン王)の紋章がルーツだ。郷土愛の強い義父母は、こんなところにもこだわる。

c0163963_21464858.jpg

↓ これが地域圏の紋章。

c0163963_22325981.jpg
3日間に食べたご馳走の例。順に生牡蠣、車海老のニンニク炒め、七面鳥のモモのロースト(クリスマスに丸ごとの七面鳥を焼く習慣は、ここにはないらしい)、付け合わせの野菜(貴重な食物繊維源)、豚肉のシベ(豚の血を混ぜた赤ワイン煮込み)、デザートのビュッシュ・ド・ノエル(薪型のクリスマスケーキ)。

c0163963_20284737.jpg

c0163963_20292498.jpg

c0163963_20303920.jpg

c0163963_20311969.jpg

c0163963_2032018.jpg

c0163963_21541569.jpg

[PR]
by bonnjour | 2009-12-26 07:07 | 旅する
年末帰省日記 その1:これは何の罰ゲーム?3日かけてフランスに到着
c0163963_2194226.jpg

年末年始の帰省でデンマークを車で出発したのが22日の早朝。相棒の実家のある南フランスまでの距離は約2,000キロで(上記地図参照)、普通は飛行機を使うが、今回は今使っている自動車の車検を登録地のフランスで済ませなければならず、どうしても車で行く必要があった。途中で1泊すれば到着するはずの旅だったが、あいにく欧州を襲った大雪のため、車が思うように進まない。結局ドイツとフランスで1泊ずつするはめになり、3日がかりで帰省先にたどり着いたのは24日の午後3時過ぎだった。

c0163963_151021.jpg

↑こんな雪景色を延々と見ながら、ノロノロ運転。途中で、よほど引き返そうと思ったがじっと我慢して南を目指して進んだ。とりわけデンマーク国境に位置するドイツのフレンスブルク周辺の雪がすごかった。

ドイツの高速道路のドライブインで食べたグリュンコール(ケール)の煮込みとソーセージ。この量(少ない)と内容で10ユーロ(1,300円)は高速道路価格か?でも、雪の降る寒い日にはもってこいの料理。

c0163963_11212100.jpg


旅のお供にiPodと小型スピーカー。相棒の車は93年に新車で購入したものをかれこれ15年以上使っており、カー・オーディオはカセットデッキだ。近代的な(笑)オーディオ装置は自分で持ち込むしかない。

c0163963_1175066.jpg
1日目の夜は、ドイツのデュッセルドルフとケルンの中間地点でホテルを見つけ、宿泊した。今回は行程の予測がつかないので、高速道路をひたすら走り、夜になったところで高速周辺にあるホテルを見つけ、飛び込みで泊まることにした。

c0163963_126015.jpg

ホテルのレストランで地元のビールを飲んで一息つく。やっぱりドイツはビールが美味しい。

c0163963_1275329.jpg
ドイツのホテルは、部屋の清潔度に当たり外れがないのが助かる。

c0163963_1285523.jpg

2日目はドイツからルクセンブルクに入り、税金の関係で他国より安いガソリンを目一杯給油する。ルクセンブルクに入る直前にガソリンタンクがほぼ空になるよう、事前の給油量を調節するのが腕の見せ所(笑)。

国土の小さいルクセンブルクをあっというまに通り過ぎると、やっとフランスに入国。高速の売店で売っているバゲットの値段の安さに感激する(ルクセンブルクでは1ユーロ75、フランスでは1ユーロ10。ちなみにデンマークのパン屋では2ユーロ80前後)。ユーロ導入以来、物価がどんどん上昇しているフランスだが、食事の基本にあるバゲットだけは価格が低く抑えられており、割高な高速道路でもこの値段だ。デンマークで買い込んだハムやチーズをはさんでサンドイッチを作る。

c0163963_145557.jpg
フランスの高速道路を延々と南下するが、そこそこ広い国土を持つフランスのこと、なかなか南端にはたどり着かない。ドライブインで高い・不味いの夕食をとった後は、2泊目の宿を探す。

c0163963_149369.jpg

ドライブインで食べた23日の夕食、メルルーサのムニエルと付け合わせ(カフェテリアで好きなものを選ぶ)のホウレンソウとご飯。ムニエルは見本の写真よりかなり小さく(これはよくあること)、ホウレンソウは煮すぎて味がなく、ご飯は東南アジア風の不思議な香りがする。あのフランスで、どうしてここまで不味いものが作れるのか謎。高速道路という競合相手のない商売だと、グルメ国といえども手を抜いちゃうのだろうか。相棒はアンドゥイエットという臓物ソーセージを食べる。高速道路のカフェテリアで食べる安物のアンドゥイエットは、日本の「くさや」(これは大好物)とよい勝負の動物系の強烈な臭気で私にはどうしても無理な味である。
c0163963_1501450.jpg

高速道路を走っていたら「ホテル」の看板が複数見えたので、そこで高速を降りてホテルを探す。値段の安さと「Wifi接続無料」につられてレストランとホテルを兼業しているこの店 ↓ に決めた。降りてみてわかったのだが、そこは新酒で有名なボージョレー・ワインを生産しているBelleville-sur-Saôneという町だった。

c0163963_1595977.jpg

c0163963_205454.jpg

3日目にやっとフランス南東部の主要都市、リヨンを通過できた。高速道路の表示に「マルセイユ」の文字を見つけたときはうれしかった。

c0163963_21393.jpg

高速道路から見えたローヌ川。フランス南部を流れて地中海に注ぐこの川の流域では、美味しいワインがとれる。

c0163963_2151489.jpg


[PR]
by bonnjour | 2009-12-24 00:46 | 旅する
クリスマスのショッピング
久しぶりの晴天。もうすぐ相棒の実家に帰省するので、義父母へのクリスマス・プレゼントを買いに中心街まで出る。

今週降った雪がまだ消えず、ちょっと歩きにくいが、見慣れた風景に雪が乗っかると、なかなか風情がある。

c0163963_1523997.jpg

ブリューゲルの雪景色を、ちょっと思い出させなくもない。

c0163963_211029.jpg
Vor Frue Kirke(聖母教会:写真中央の塔のある建物)の周りも雪化粧。見た目は美しいが、冷凍庫の中にいるみたいで足元からしんしんと冷える。

c0163963_1574483.jpg

歩行者天国になっているショッピング街。アパレル関係はH&M(スウェーデン)、Zara(スペイン)、Esprit(ドイツ&香港)など、国際展開のチェーン店が多くてあまりデンマークらしさを感じないが、至るところにある北欧デザインのキッチン用品の店はご当地ならではだろう。

c0163963_2133444.jpg

義父母へのプレゼントには、ちょっと洒落たテーブルナプキンを1ダースほど、と考えていたのだが、どうやらデンマークではカラフルな紙ナプキンが全盛のようで、布製のナプキンはなかなか置いていない。専門店やデパートなど、6~7カ所の店を回ってやっと探し当てたのは、デンマークのジュエリー・ブランド「ジョージ・ジェンセン」のテキスタイル部門「ジョージ・ジェンセン・ダマスク」。これが品質も高級なら値段も最高級で、プレースマット2枚とナプキン4枚の2人用セットが1,000クローネ(約1万7,500円)と、すでに予算を倍もオーバーしている。

そこで作戦を変えて、デパートで見つけたプレースマットとコースターのセットにした。なぜかニュージーランド製。そして絵柄はなぜかフランス・ワイン。デンマークから持っていくプレゼントなのに芸がないなあと思ったのだが、この手の絵柄が義父母の好みだから、という相棒の直感を信じることにした。

c0163963_6552164.jpg


本屋のウィンドウもクリスマス向けにディスプレイ。でも、プレゼントに本を贈るのは難しい。男性へのネクタイ、女性への香水と同じく、本のプレゼントは贈る相手のことをかなりよく知らないと見当外れのセレクションになってしまいそうだ。
[PR]
by bonnjour | 2009-12-19 01:48 | 暮らす
雪景色
高緯度にありながら、めったに雪が降らないオーフスだが、昨夜から降り続いた雪で一面がぼってりした白い毛布で覆われた。

↓ 右手奥の遠景に見える工業地帯のようなものが港だ。

c0163963_023021.jpg

寒いときにはグラタン類が美味しい。カリフラワーをベシャメルソースであえて、グリュイエールチーズをかけて焼いた。冬はカリフラワーや芽キャベツなど、アブラナ科の野菜が旬で値段も手頃なのでうれしい(といってもユーロ換算するとドイツの倍くらいの値段がついているので萎える...)。

c0163963_073578.jpg

ほかにアブラナ科では、今のキャベツ、カリフラワー、コールラビ等の原種で「青汁」の原料としても有名なケール(ドイツでGrünkohl、デンマークでGrønkålと呼ばれる濃い緑の葉野菜)もこの季節に出回るが、青汁の「まずい、もう1杯!」のイメージが強すぎて、上手に料理する自信がなく、自分では買ったことがない。でもケールをくたくたに煮込んでソーセージを添えた料理はドイツ名物で、見た目は悪いが栄養たっぷりで美味しい。

↓ 肉料理に添えられた、煮込んだケール。
c0163963_025515.jpg


↓ 冬の間のビタミン源として皆の健康を守ってきたケール君。日本語ではハゴロモカンラン(羽衣甘藍)という典雅な名前がついている。
c0163963_027032.jpg

[PR]
by bonnjour | 2009-12-16 00:00 | 暮らす
バッハのクリスマス・オラトリオ
街は電飾やツリー、アーモンド菓子を売る屋台など、クリスマス色が一杯なのだが、季節用品はあらかた実家に預けたまま仮住まいの私たちのアパートは特別な飾り付けをしているわけでもなく、殺風景な感じ。せめて耳だけでもクリスマスの気分を味わおうと取りだしたのは、ハルモニア・ムンディから出ている、こちらのディスクだ。

c0163963_6344187.jpg
J.S.バッハ、クリスマス・オラトリオ
ルネ・ヤーコプス(指揮)
RIAS室内合唱団
ベルリン古楽アカデミー
ソリスト: ドロテア・レシュマン(S)
      アンドレアス・ショル(CT)
      ヴェルナー・ギュラ(T)
      クラウス・ヘーガー(Bs)

まずジャケットに惹かれる。趣味のよい絵を使ったハルモニア・ムンディ盤は、いわゆるジャケ買いの人も多いのでは? そしてヤーコプスの指揮のもとに集まったドイツ系の豪華ソリストの顔ぶれも魅力的だ。とりわけアルト・パートを歌っているショルは録音当時29歳と若いが、大変に安定した歌唱でその後の活躍もうなずける。ベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団による質実剛健な演奏をきいていると、ドイツのどこかの教会でクリスマス礼拝に参加しているような気持ちになってくる。

ただ、教会音楽は礼拝で使われるために書かれた実用品なので、演奏会で一気に聴くより、実際の典礼の最中に聴いたら感動もひとしおなのでは、とないものねだりの気持ちもわいてくる。この曲も、降誕節第1祝日(12月25日)から顕現節(1月6日)まで、6回の祝日用に書かれたもので(バッハによる初演では、ライプツィヒの聖ニコライと聖トーマスの2つの教会を行き来して演奏された)、それを演奏会で通して演奏すると3時間近くにもなる。

この作品の多くの部分は旧作のカンタータのメロディを流用し、歌詞を入れ替えた「パロディ」だが、それでいてひとつの独立した世界を構築しているのはさすがだ。第1部第5曲のコラール「Wie soll ich dich empfangen(いかにしてかわれは汝を迎えまつり)」と、第6部第64曲のコラール「Nun seid ihr wohl gerochen(いまや汝らの神の報復はいみじくも遂げられたり)」は、同じバッハの「マタイ受難曲」のコラール「O Haupt voll Blut und Wunden(血潮したたる主のみかしらよ)」と同じメロディ(下記楽譜)を使用しており、後に起こるイエスの受難を象徴しているという説もある。

c0163963_19451622.jpg

この旋律は、もとをただせばドイツの作曲家ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612)の「Mein G'muth ist mir verwirret(わたしの心は千々に乱れ)」という恋愛歌から取られたものだ。人々に馴染んだ旋律が別の曲に転用された当時の習慣とはいえ、見事なリサイクルぶりに驚く。

クリスマス・オラトリオ全曲のスコアはこちらのIMSLP/Petrucci Music Libraryサイトでダウンロードできる。

ディスクのジャケットの絵は、ルネサンス期のヴェネツィア派の画家、ジョヴァンニ・ベッリーニ(c. 1430 – 1516)の「イエスの神殿奉納」(1460-64)。原画は80 cm x 105 cmのテンペラ画だが、ジャケットでは聖母マリアと幼子イエスの顔だけがトリミングされており、画面のひび割れも含めて原画のタッチが鮮明に出ているのも趣がある。

↓ こちらが原画。登場人物が一列に並ぶ構図は、舞台劇を見ているようだ。
c0163963_6563540.jpg

解説と対訳が英独仏の3ヶ国語で書かれたブックレットも充実している。美麗な絵画の写真多し。

c0163963_7245491.jpg
↓ ディスクの音源がYouTubeにあったので、貼り付けておく。降誕節第1日-第9曲:コラール「Ach, mein herzliebes Jesulein」(ああ、心から愛する幼子イエスさま)。



【追記】 パリ在住のCさんが、先週の土曜日にシャンゼリゼ劇場で行われたジャン・クリストフ・スピノジ指揮、アンサンブル・マテウスによる「クリスマス・オラトリオ」の演奏会に行ってらした。ソリストとして登場したナタリー・ドゥセが素晴らしかったとのこと。このディスクのようなドイツ色の強い演奏もいいけれど、パリで聴くフランス人演奏家主体のバッハも面白そうだ。
[PR]
by bonnjour | 2009-12-14 19:46 | 聴く&観る
リンゴはなんにも言わないけれど
c0163963_10424833.jpg


袋詰めされたお徳用リンゴは割安なのだが、1袋に小型のリンゴが20個くらい入っていたりするので、小所帯だとうっかりすると腐らせてしまって結局高くつくことになる。

そこで、買ったその日のうちに相棒が焼きリンゴを作った。リンゴを皮つきのまま洗って、芯を抜いた穴に砂糖を詰めてオーブンに入れるだけ。1時間もしたら上部がカラメル状になった、なかなか美味しそうな焼きリンゴができた。菓子類にシナモンを使う習慣のない相棒が作ったので、私がほとんど出来上がった頃にシナモンを振った。そのため、ちょっと粉っぽくなったのが残念。でも、ラズベリー(冷凍物だ)を添えて食べたら、ちょっと素敵なデザートになった。

今回使ったのはブレイバーン(Braeburn)という、1950年代に発見されたニュージーランド原産の品種。米国リンゴ協会によると、レディ・ハミルトンとグラニー・スミスという品種の間の偶然の交配で生まれたと推定されるそうだ。クリスピーな果肉とたっぷりの果汁、そしてハッキリした酸味で私は気に入っている。今は日本の市場から消えてしまった「国光」という古い品種をちょっと思い出す味だ。

さて、西洋美術ではリンゴをアダムとイブが食べた「禁断の果実」になぞらえ、罪の象徴としてよく登場させる(もっとも、その果実がリンゴだった証拠はどこにもない)。

たとえば、こちらブロンツィーノ(1503 – 1572)作の「愛の寓意」(c. 1545、ロンドン、ナショナルギャラリー蔵)。この絵には足元の仮面(偽り)、砂時計を肩に載せた老人(年月の経過)、少女が持つ蜂の巣とサソリ(蜜と毒)など、様々な寓意がテンコ盛りだが、年端もいかない少年(キューピッド)と危ない関係になっているヌードの女性(ヴィーナス)は、お約束通りに罪のリンゴを手に持っている。神話の世界を描いたふうにみせて、ここで描かれる愛は邪な、禁断の恋だ。

c0163963_11432713.jpg
↓ リンゴ拡大図

c0163963_11465748.jpg
下の写真のカルロ・クリヴェッリ(c. 1435 – c. 1495)作、「聖エミディウスがいる受胎告知」(1486、ロンドン、ナショナルギャラリー蔵)では、絵の一番手前の唐突な場所にリンゴがぽつんと置かれている。罪多き人類を救済する救い主、キリストの受胎を象徴しているのだろうか。リンゴの左側の巨大キュウリ(ピクルスにするガーキン)は豊穣(=受胎)のシンボルだそうだが、リンゴ以上に場違いな雰囲気を発散している。

c0163963_18264742.jpg

↓ リンゴとキュウリ拡大図

c0163963_6255153.jpg
リンゴつながりで、さいごにもうちょっと新しい絵も。こちらのリンゴは罪の象徴というわけではなさそうだけど、謎めいたところはクリヴェッリと一緒だ。

c0163963_633249.jpg


René Magritte: Le Fils de l'Homme (個人蔵)
[PR]
by bonnjour | 2009-12-12 22:58 | 暮らす
王子様系テノールの前身は不気味系ロックバンドのヴォーカル


Topi Lehtipuu: ”Un'aura amorosa” (Così fan tutte/Mozart)
Glyndebourne Festival, 2006

バリトンやアルトなど低い声を偏愛し、テノールやソプラノにはあまり興味がない低声フェチの私だが、フィンランド出身のテノール、トピ・レティプー(Topi Lehtipuu)はちょっと気になる。Naïveレーベルから出たヴィヴァルディのオペラ「La Fida Ninfa」(J.Ch.スピノジ指揮)に彼が参加していて、ディスクを繰り返し聴いているうちに、そのリリックで端正なテノール声にひかれた。

ルター派の牧師である父親の赴任先オーストラリア(フィンランド移民のコミュニティがあるそうだ)で1971年に生まれた彼は学齢期になると母国に戻り、そこでフィンランドが世界に誇る充実した音楽教育を受けた。かの国では音楽の才能を見出された子供は、適切な専門家の指導が受けられるよう、人的ネットワークが発達しているのだそうだ。人材が最大の資源と心得ている国だけのことはある。

c0163963_054504.jpg
オペラ歌手としてのデビューは、フィンランド国立歌劇場でブリテンの「アルバート・ヘリング」のタイトルロール。その後、ジャン=クロード・マルゴワールのオーディションを受けて、彼が指揮する「魔笛」のタミーノをパリのシャンゼリゼ劇場で歌い、注目された。甘くて若々しい声は、タミーノや「コジ・ファン・トゥッテ」のフェルランド(上のYouTube動画参照)など、王子様&貴公子系の役柄にぴったりだ。

もうひとつの活動の柱はバロック作品で、前述のヴィヴァルディの他にもモンテヴェルディ、ヘンデル、ラモーなどをレパートリーにしている。音楽マーケティング的には古楽系テノールということになるのかな。オペラやオラトリオもいいけれど、この人の歌う歌曲も聴いてみたいと思う。

そんな彼がオペラ歌手としてステージに立つ前にやっていたのが、HÖYRY-KONE(「蒸気機関」の意)という地元のチェンバー・ロック・バンドのヴォーカル兼ヴァイオリニストで、バンドは90年代にアルバムを2枚出し、とりわけ日本では結構売れた(本人談)とか。覚えている人、いますか?

そのアルバムが、YouTubeでも何曲か聴ける。下記は、2枚目のアルバム「Huono Parturi」より、Karhunkaato(熊の屠殺)という作品。



うーん、ヘビメタ風のギターと管弦楽にトピ青年の伸びやかな正統派テノールが組んずほぐれつして、ミスマッチというか、聴いていると頭がクラクラしそうな不気味な作品だ。でも、彼の歌のうまさは、当たり前だけどここでも光っている。
[PR]
by bonnjour | 2009-12-09 00:36 | 聴く&観る
冬景色@オーフス
オーフスの市庁舎の前には巨大クリスマスツリーが登場。

c0163963_11494490.jpg

これで午後3時40分。すでに薄暗くなりかけている。オーフスは沖合に暖流が流れていることもあり、高緯度の割には冬も極寒というわけでなく雪もめったに降らないが、日没の異様な早さで北の土地にいる実感がわいてくる。

c0163963_11502873.jpg


[PR]
by bonnjour | 2009-12-04 11:48 | 暮らす