B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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地ビールを東京湾の上で飲む
梅雨の晴れ間の土曜日、ふと思い立って海の近くにビールを飲みに出かけた。品川駅に着くと、海風なのか、気持ちの良い風が吹いている。同じ都内でも、私がいる武蔵野方面と臨海部では、気象にかなりの違いがあるようだと感心する。

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品川駅から散歩を兼ねて徒歩15分、Waterlineという、天王洲運河に浮かぶラウンジに入った(上の写真左側の、ちょっと見に遊覧船のような形をした建物)。ここは、寺田倉庫が運営する飲食店で、東京都の「運河ルネサンス構想」(江戸時代からの歴史がある東京の運河を、都市景観の美化や観光振興にもっと活用しようというプロジェクト)の第1号店(2006年オープン)なんだそうだ。この店では、隣接するT.Y.ハーバー・ブルワリーという地ビール工場直送のビールを出している。それが目当てで来たというわけ。

天王洲地区は90年代初頭に再開発が済んで、一時はオシャレなデートスポットとしてもてはやされたが、今では客足も落ち着き、観光名所というよりはビジネス街としての色が強い。その中では、この地ビール工場を核にした飲食店(水上ラウンジと、工場併設のレストラン)はコンスタントに人気を集めているようだ。

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さて、喉が渇いていたので、さっぱりしていそうなウィートエールを注文する。Sサイズと称する半パイントほどのグラスで480円というのは、店の雰囲気など考えるとリーズナブルな価格だ。昨年、ドイツでよく飲んだHefeweizenを思い出す、夏向きの味。爽やかなそよ風がひっきりなしに吹いてきて、見た目も涼しい水の上のテラスは、暑気払いにうってつけだ。

渇きをいやしての2杯目はアンバーエールを注文し、こってりしたコクを楽しんだ。2杯飲んで、1000円札で足りるのは、なんとも嬉しいこと。おっと、おつまみ類はミックスナッツ500円、チーズ盛り合わせ1,800円、ピザ(マルゲリータ)が1,800円等と、それなりの東京価格なので、ご注意。

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by bonnjour | 2012-06-23 11:57 | 暮らす
お風呂映画
スウェーデンに住んでいる学生時代の友人Sが来週、東京に来るという。「古代ローマ人お風呂設計士の日本映画(題名忘れた)を見たい」というので、一緒に行く約束をした。もちろん、その日本映画とは今ヒットしている「テルマエ・ロマエ」のことだ。古代ローマ時代の浴場設計技師が、ひょんなことから時空を超えて現代の日本にやってきて、その独特のお風呂文化に圧倒されつつ、そこで見聞きしたものを古代ローマに戻って応用し、名声を高めていくというハチャメチャなお話。



これはヤマザキマリの漫画作品の映画化だが、実は私は日本に来るたび単行本を買い求め、全巻(といっても4巻だ)を揃えた。漫画に熱中した学生時代(漫研で下手くそな少女漫画を描いていた。憧れの人は萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子...)から一転して、社会人になってからは漫画から遠ざかっていたが、いきなり昔の熱がぶり返した感じ。笑いたくなると、この本を取り出して一人でニヤニヤしている。海外在住の作者が、浴槽がないのが標準の住環境の中で、風呂好き日本人としてのフラストレーションを発散するために描いた作品、というエピソードにも共感を覚えた。私もデンマークにいた3年間は浴槽のない生活で困り果てた。

さて映画版だが、古代ローマと現代日本をまたにかけたSF的な設定を、主要なキャラクターは日本の俳優を使って実写版で製作するというのに興味をそそられた。それにしても主役の阿部寛選手は顔が濃い。他の役者も、予告編を見る限り、見事にローマ人風に化けている。聞くところによると、海外での公開も続々と決まっているようだ。アートシアター系の日本映画だけでなく、こういう娯楽大作が海外に紹介されるのは、日本のポップカルチャーを知ってもらう意味で意義深いことだと思う。

映画版に先立ち、今年初めにはアニメ版もテレビ放映されているが、それに英語やスペイン語の字幕を付けたものがYouTubeにアップされている。海外のアニメファンが字幕職人をやったのだろうか。動画を勝手にアップされたテレビ局には申し訳ないが、こうやって日本発のコンテンツが草の根式に紹介されていくのは嬉しいことだ。


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by bonnjour | 2012-06-21 01:26 | 聴く&観る
アールデコのグラフィック美を堪能 ― 鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展
2月のフランス&イタリア旅行以来、また放置してしまった当ブログだが、いい加減、ネタがたまってきたので唐突に再開してみる。

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まずは新しいところから。練馬区立美術館で4月8日~6月3日まで開催された「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展」の最終日に駆け付けた。これは、蔵書狂として名高い仏文学者の鹿島茂氏のコレクションによる、アールデコ期の2人のイラストレーター、ジョルジュ・バルビエ(George Barbier、1882~1932)とジャン=エミール・ラブルール(Jean Émile Laboureur、1877-1943)の作品集だ。「コレクション2」ということは1もあったわけだが、それは昨年開かれた「鹿島茂コレクション1 グランヴィル 19世紀フランス幻想版画」(2011年2月25日~4月3日)で、残念ながら見に行けなかった。

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会場は、西武池袋線の中村橋駅に近い、公園に隣接したのどかな区立美術館。公共の交通機関だと電車とバスを乗り継ぐことになり面倒なので、愛車(自転車)に乗って行く。学生時代、この近所にバイトに通っていたが、来るのはそれ以来。当時は美術館もなかったし、駅周辺の変貌ぶりに驚く。

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ロビーの撮影は可ということだったので、吹き抜けを撮影。今回は1、2階に分かれての展示だ。ともに19世紀末、フランスのナントに生まれた(しかし作風は異なる)2人のアーティストによる挿絵本、版画作品、定期刊行物が、思いのほか多数出品され、大変に充実した企画。

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バルビエの「シェエラザード」(1913)。ディアギレフのロシア・バレエ団のスター、ヴァーツラフ・ニジンスキーと相手役のプリマドンナ、タマラ・カルサヴィナに捧げられたアルバムより。一瞬の動きを捉えた躍動感、画面を斜めに2分する大胆な構図が気持ち良い。この展覧会はラ・フォル・ジュルネとのコラボレーション企画ということになっているのだが、そういえば今年の音楽祭のテーマは「ロシアの祭典」なのだった。

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ラブルールの作風は、打って変わってシンプルかつモダンだ。彼はバルビエより5歳年長で活動期間もかぶるが、これはアーティストとしての方向性の差だろう。上の「アンドロメダ」(1935)では、ユーモラスにもグロテスクな魚たちを前景に、奥には岩礁に鎖でつながれたアンドロメダが立ちつくしている。不思議なリズムを持った、いつまで見ていても飽きない絵だ。ちょっととぼけた味のある彼の作品を大量に見ていたら、なぜか今は亡き滝田ゆう氏の漫画を思い出した。

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売店ではカタログ3,300円也(求龍堂から一般書籍として刊行)も奮発して買ってしまい、大満足であった。ただし、このふたりの作品の、シャープな線や美しい発色は、こうした大量印刷の書籍ではもちろん充分に再現できるものではなく、やはり今回展示された実物の版画や職人技で精緻に作られた挿絵本の迫力には負けるのである。鹿島先生が収集にはまる理由も、理解できるというものだ。
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by bonnjour | 2012-06-03 02:39 | 聴く&観る