B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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水上の古楽まつり
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8月19日の日曜日、東京湾に浮かべた船を貸し切りにして古楽好きが集うという、なんとも洒落た催し物に参加した。集まったのは、Twitterの古楽クラスターの皆さん。実現したのは、ひとえに幹事であるリュート弾きのkkさんのハードワークと、運営に協力した有志の皆さんのおかげだ。楽しくも風流なひと時が過ごせて、心から感謝します。

ちなみにkkさんと私は、在籍時期は大幅に違うものの(私がずっとずっと古い)、同じ大学で音楽学のK教授に師事した仲間。といっても私は単に好きだから音楽史のクラスに出没していただけなので、この分野を専攻し、今でも情熱を持って勉強を続けているkkさんに比べたら、私の知識や理解なんて、まことにお粗末なものである。

↓ この60フィート・クルーザー「フェニックス・クィーン」が会場。主催者の熱心な宣伝活動の甲斐あって、定員一杯の50人もの参加者が集まったので、船室は大賑わいになった。飲み物は運営会社のスタッフがサーブしてくれて飲み放題。色とりどりのおつまみは参加者が持ち寄りで、夏らしくスイカも。
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↓ クラヴィコードって船に持ち込めるんだと驚くやら感激するやら。クラヴィコードの他にも幹事のkkさんが愛用のリュートを持ち込み、さながらバロック時代の船遊びみたいだった。揺れる船の中で、通りすがりに大事なクラヴィコードに生ビールをぶちまけては大変と緊張したが(ちょうど、飲み物を受け取って席に戻る途中にクラヴィコードが鎮座しているのである)、そんな事故も起こさずに会を終えることができて、よかった。なお、開催直前から開催後の様子については、こちらが詳しい。
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by bonnjour | 2012-08-31 23:35 | 暮らす
中央線な祭り 阿佐谷の七夕と高円寺阿波踊り
勤め人時代、中央線沿線に一人で住んでいた。通勤の便が良いというのもあるが、子供の頃からあの沿線のサブカルチャー色満点な雰囲気が好きで、オトナになったらあそこに住みたい!とずっと思っていた。そんな願いもかなうのだから、大人になるってのはいいことだ。

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中央線なヒト―沿線文化人類学」(三善里沙子・著、小学館文庫)という本によると、中央線沿線に集まる人たちというのは、「何かにつけてウンチクを垂れ、ビンボーそうなのにヨガやマイブームものには大枚をはたき、上昇志向を持つことを恥とし、夜は馴染みの飲み屋で一杯…」だそうで、ヨガを除くとほとんど自分に当てはまるのが恐ろしい。

この中央線沿線で、8月には2つの大きなイベントがある。今年はその両方に出かけることができた。

その1 阿佐谷の七夕祭り

月遅れの七夕に開かれるお祭り。商店街の活性化策として1954年から続いており、今年は8月3日~7日に開かれた。地元のアーケード街にさまざまな七夕飾り(くす玉、各種キャラクターの張りぼて)が取り付けられ、その下には多数の屋台が出る。屋台で買った生ビールとつまみを食べながら、趣向をこらした飾りを見て回るのが楽しい。アーケード街の酒屋の前でベルギーのサクランボ味のビール、ベルビュー・クリークの生を売っていたのが飲食面では一番の収穫だった。価格が現地の約3倍というのは、日本酒を海外で飲む場合と一緒なので、まあ仕方ない。

↓ 駅を降りると、ずらりと並んだ提灯がお出迎え。
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↓ 七夕飾りは日本のアニメだけでなく、こんな洋物キャラも登場。あと、スパイダーマンの飾りもあって、それは見事なものだった。
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↓ 人混みを避けて写真を撮ったけれど、アーケード街の入口など、人通りの多い場所では通勤ラッシュ時のプラットフォーム並みの混雑だった。
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その2 高円寺の阿波踊り

8月の最終の土日に、JR高円寺駅前から東京メトロ新高円寺駅にかけての複数の道路を舞台に、いくつもの集団(これを「連」という)が流し踊る、高円寺名物の阿波踊り。阿佐谷の七夕同様、町おこしとして1957年に始まったイベントで、今では本家の徳島に続く、「日本三大阿波踊り」のひとつとなっているそうだ。小学生の頃、家族でこのイベントを見にいったことがあった。時期的に夏休みの終盤に当たるが、宿題がまったく終わっておらず、お先真っ暗な気持ちで踊りを見物したのが強烈な印象で、阿波踊りといえば夏休みの宿題を思い出す。我ながら、情けない。

↓ こちらも、駅を降りると派手な提灯が出迎えてくれる。
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↓ 大きなイベントゆえ、後援にはメディア企業が。
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↓ 三味線、太鼓、鉦、篠笛などで奏される二拍子の音楽は、見ている者も踊りだしたくなるような躍動感がある。
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↓ 優美な女踊り。でも、網笠に手甲を付けた衣裳で踊り歩くのは、ものすごく暑そう。
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by bonnjour | 2012-08-26 01:17 | 暮らす
スイスで見つけた美味しいもの
東洋のスイス、諏訪で見つけた美味しいもの(と普通のもの)。

↓ ワカサギの天麩羅。JR上諏訪駅近くの居酒屋にて。品書きに、調理に時間がかかると但し書きが書いてあったが、なるほどとっても時間がかかった。あっさりと塩とレモンでいただく。待った甲斐があった。しかしこの居酒屋、突き出しに、いかにも活きの悪い生の甘海老(解凍したもの)が出てきたのは、いかがなものか。どう頑張ったって沿海部のように活きのいい海産物を安価に入手できないのだから、山の中だからこそ美味しい食材を使えばよいのに。
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↓ 昼食の店を探して、あてもなく路地裏を彷徨って見つけた定食屋。写真だとよくわからないが、看板の下の右手に入口がある。日替わり定食(この日は酢豚)が650円と手頃な価格設定で、お客さんの顔ぶれからみるに、近所のサラリーマンが常連客のようだ。カウンターの上に放置された新聞や雑誌を読みながら料理が来るのを待つのが、こうした店での正しい作法。なので私も県内購読率60パーセント超を誇る地元紙の信濃毎日を読みながら待つ(昔、仕事でこの新聞社に関わったことがあったので親近感がある)。高齢のおかみさんが作ってくれた料理は素人っぽい「おふくろの味」だったけれど、旅先で外食が続くときには、かえってほっとする。
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↓ 片倉館の休憩所で食べた日替わりランチ。タンドーリチキン風の鶏肉を中心にしたワンプレートで、付け合わせは冬瓜の煮物、小芋の炒め煮、サラダなど。味付け薄めで健康志向。キュウリやトマトの味が濃くて美味しかった。
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↓ 片倉館の休憩所では酒類も出している。地元の麗人酒造が出している地ビール「諏訪浪漫」シリーズから、ケルシュの製法で作った「しらかば」を選んだ。ケルシュはドイツのケルンで作られている、香りがよくすっきりとした上面発酵のビール。ボンにいたときは、生ビールといえば隣町ケルンの名産ケルシュがデフォルトで出てくる土地柄だったので、なんだか懐かしかった。
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飲食店情報の口コミ・サイトで上位に上がっていたカジュアルなフレンチの店にも行ってみた(写真無し)。2000円でシェフにおまかせという、とてもコストパフォーマンスの高いコースを頼む。アミューズ・ブーシュ(生ハム、リエット、オリーブ等)、ムール貝のワイン蒸し、イワシのバルサミコ・ソース、チキンのプロヴァンス風、仔牛とレンズ豆の煮込み、がそれぞれ控えめのポーションで出てくる。品数から考えると確かにとても安いのだが、当然、食材の原価にも制約があるし、完成度からいうと「とても料理上手な友達の家に招かれた」感じか。山の中でイワシは絶対に無理がある!その半面、最後に出てきた仔牛とレンズ豆の煮込みはとても美味しかった。レンズ豆を使った肉料理はいかにもフランス的だが、日本ではあまり流行らないようなので、それを敢えて出すシェフのチャレンジ心を評価したい。味付けは、信州という土地柄か、どれも塩気が強かった(フランスのビストロ並みの塩気、という見方もできるかも)。
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by bonnjour | 2012-08-16 23:29 | 旅する
夏休みだ! スイス滞在記
東京があまりに暑いので、避暑と称してスイスに出かけてきた。

スイスといっても驚くなかれ、東洋のスイス、諏訪の上諏訪温泉である。諏訪湖に臨む温泉地で、都内からのアクセスも良好だ。ちなみに諏訪地方がスイスと呼ばれる所以は、羊飼いがいたり、金持ちだけを相手にした銀行がやたら沢山あったり、無駄に物価が高かったりするからではなく、高原にあって精密工業が盛んだからだそうだ。そういえばセイコーエプソンも諏訪が本拠地だ。

夏休みとはいえ、なんだかんだで仕事を持ち込むことになったため、客室のインターネット接続と洋式の机は必須ということで、上諏訪駅に近いビジネスホテルに5泊することにした。このホテルには、温泉の大浴場と露天風呂が付いているのが何よりの売り物だ。

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部屋はさほど広くないが、座り心地のよいオフィス用椅子と、そこそこのサイズのデスク、たっぷり使える冷蔵庫に湯沸かしポット(無料のドリップコーヒー付き)、衣類の消臭スプレーまで用意されていて、ビジネスホテルとしての機能は万全だ。

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【Day 1】
チェックインして、露天風呂(写真はホテルのWebサイトより)に直行。といっても小さいものなのだが、水道水でなく温泉のお湯に浸かれるだけで心が高揚する。温泉に狂喜乱舞するDNAって、日本人の身体に組み込まれているのだろうか。

温泉の後はお作法通りフルーツ牛乳を飲み、諏訪湖まで散歩に出る。

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諏訪湖のほとりで、「養命酒」のアンテナショップである小洒落た飲食店が屋上ビアガーデンをやっていたので、地元産のブランド豚肉の串焼きなどをつまみながらビールを飲んだ。ビアガーデンの料金設定はおしなべて割高だけれど、ここのは食器類がすべて使い捨てのプラスチックなのが大変に残念。
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【Day 2】
上諏訪駅周辺には造り酒屋が密集している。その酒屋を巡るのがDay 2のミッション。ほうぼうで試飲をさせてもらい、飲み逃げするわけにもいかないので、各所で気に入った銘柄をお土産に買ったら、荷物がとても重くなってしまった。海外での販売にも力を入れている「真澄」の宮坂醸造の試飲コーナー(4つ下の写真)は、モダンで高級感あふれる作りになっていた。が、一番気に入ったのは麗人酒造の非常に種類豊富な試飲コーナーで、お店の方が「どうせなら、とっておきのコレを試飲していってください」と、高級ラインを薦めてくださったのに恐縮した。

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【Day 3】
日曜日というのに急ぎの仕事が入った。涙目。バスに乗って霧ヶ峰に行くつもりだったのだが。仕事を済ませてから、午後は湖の周辺を散歩。湖畔にある「タケヤみそ」工場の「味噌会館」でイベントをやっていたので立ち寄った。味噌フレーバーのソフトクリームが美味。工場の構内に、味噌製造の役目を終えた麹菌を供養する「菌塚」(下の写真)があるのを発見し、万物に魂を見出す日本人の心情にしんみりする。
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【Day 4】
温泉デイ。製糸業で財をなした片倉財閥が地元の福利厚生のために建設した温泉施設「片倉館」に入り浸る。財閥の二代目オーナーが欧州視察で現地の文化施設に感銘を受け、建設を決意したという豪華な洋式温泉で、ローマ式の大浴場(おお、「テルマエ・ロマエ」の世界!)もさることながら、建物全体が貴重な洋風建築の遺産となっている。竣工は1928年で、森山松之助(他の作品に台湾総督府など)の設計によるネオゴシック風の建物は、国の重要文化財に指定されている。外側はネオゴシック、中に入ると古代ローマ風のお風呂とは様式美のテンコ盛り。日本の洋風建築を偏愛する私としては、熱い血がたぎってしまう物件だ。入浴料は大人600円と手頃なので、近くにあったら毎週通ってしまうことだろう。

(下の写真)塔が印象的な浴場棟(右)。左手には娯楽・文化用の会館棟がある。
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千人風呂と命名されたローマ風呂。今にも浴場技師のルシウスが登場しそう? 浴場内はもちろん撮影できないので、諏訪市役所のサイトから写真を借用。
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湯上りは階上の休憩室へ。飲み物や食事が出る。アカンサス模様の柱の下で、座卓に座布団で寛ぐという和洋折衷な風景が楽しい。
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【Day 5】
諏訪の看板建築めぐり。上諏訪駅周辺は、関東大震災以降に流行し、戦後まで受け継がれてきた建築様式である「看板建築」(建築史家の藤森照信氏が命名)の宝庫だ。これは、商店などの建物の前面を平坦にして、モルタルや銅板を使ってまるで大きな看板のように自由に装飾したスタイルのこと。食事をする場所を探しながら、ふらふらと街を歩いてみたら、魅力的な看板建築や洋風建築に巡り合うことができた。

上諏訪の商店街の看板建築群の中でも重厚さで群を抜いている三村貴金属店(左)と白牡丹(右)。
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こちらは、すっきりとモダンな感じ。
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旧富士銀行。今は予備校。銀行って、なぜ円柱を並べた神殿風の建物が多いのか。
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諏訪大手見番の建物。みごとなハーフティンバーに見とれた。
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旧魚安食堂。入口の硝子戸には「魚安食堂」という字が残っている。木造3階建てで窓の造形が美しい。
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by bonnjour | 2012-08-15 00:23 | 旅する