B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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阿波しじら織の着物
日本の夏というと浴衣を着たくなるが、一式を夫の実家に保管中なのと、仕立て上がりの品では希望する寸法のものが見つからないため、浴衣としても使える夏物の木綿着物をオーダーしてみた。阿波しじら織の、気軽に使える日常着だ。身丈170センチ、裄丈71センチというマイサイズ(巨大サイズともいう)に対応してもらえて嬉しい。

阿波しじら織は徳島で作られる綿織物で、経糸の張力差を利用して表面に細かい凹凸をつける。この凹凸が、高温多湿の日本の夏に最適な、さらっとした肌触りを生む。伝統的な藍染のものも素朴な感じでいいが、今回は濃紺の地に、白とパステルカラーの縞が入ったモダンなものにしてみた。

7月に入ってから注文したため、仕立てあがったものが届いたのは8月の初めだった。最初は「水上の古楽まつり」(前回のエントリー参照)に着ていこうと思っていたのだが、別途ネットで注文した帯が、実物が届いたらまったくイメージと違った色で取り合わせが悪いので、着ていくのをやめた。これがネット購入の落とし穴。まあ、船着き場までずいぶん歩くのも、洋服に傾いた理由だけど。

ハズレだった帯は別の機会に活用するとして、あらためて色が合いそうなものを(また性懲りもなく)ネットで買った。今度はイメージ通りのものが届き、ほっとした。博多織の小袋帯で、初雪を踏んだときのようなキュッキュッという絹鳴りがいい感じである。

これまたネットのバーゲンで麻の長襦袢も揃えたので、単衣の季節である今月中に、こいつを着てどこかに出かける機会を作ってみたいものだ。
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# by bonnjour | 2012-09-05 21:53 | 暮らす
水上の古楽まつり
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8月19日の日曜日、東京湾に浮かべた船を貸し切りにして古楽好きが集うという、なんとも洒落た催し物に参加した。集まったのは、Twitterの古楽クラスターの皆さん。実現したのは、ひとえに幹事であるリュート弾きのkkさんのハードワークと、運営に協力した有志の皆さんのおかげだ。楽しくも風流なひと時が過ごせて、心から感謝します。

ちなみにkkさんと私は、在籍時期は大幅に違うものの(私がずっとずっと古い)、同じ大学で音楽学のK教授に師事した仲間。といっても私は単に好きだから音楽史のクラスに出没していただけなので、この分野を専攻し、今でも情熱を持って勉強を続けているkkさんに比べたら、私の知識や理解なんて、まことにお粗末なものである。

↓ この60フィート・クルーザー「フェニックス・クィーン」が会場。主催者の熱心な宣伝活動の甲斐あって、定員一杯の50人もの参加者が集まったので、船室は大賑わいになった。飲み物は運営会社のスタッフがサーブしてくれて飲み放題。色とりどりのおつまみは参加者が持ち寄りで、夏らしくスイカも。
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↓ クラヴィコードって船に持ち込めるんだと驚くやら感激するやら。クラヴィコードの他にも幹事のkkさんが愛用のリュートを持ち込み、さながらバロック時代の船遊びみたいだった。揺れる船の中で、通りすがりに大事なクラヴィコードに生ビールをぶちまけては大変と緊張したが(ちょうど、飲み物を受け取って席に戻る途中にクラヴィコードが鎮座しているのである)、そんな事故も起こさずに会を終えることができて、よかった。なお、開催直前から開催後の様子については、こちらが詳しい。
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# by bonnjour | 2012-08-31 23:35 | 暮らす
中央線な祭り 阿佐谷の七夕と高円寺阿波踊り
勤め人時代、中央線沿線に一人で住んでいた。通勤の便が良いというのもあるが、子供の頃からあの沿線のサブカルチャー色満点な雰囲気が好きで、オトナになったらあそこに住みたい!とずっと思っていた。そんな願いもかなうのだから、大人になるってのはいいことだ。

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中央線なヒト―沿線文化人類学」(三善里沙子・著、小学館文庫)という本によると、中央線沿線に集まる人たちというのは、「何かにつけてウンチクを垂れ、ビンボーそうなのにヨガやマイブームものには大枚をはたき、上昇志向を持つことを恥とし、夜は馴染みの飲み屋で一杯…」だそうで、ヨガを除くとほとんど自分に当てはまるのが恐ろしい。

この中央線沿線で、8月には2つの大きなイベントがある。今年はその両方に出かけることができた。

その1 阿佐谷の七夕祭り

月遅れの七夕に開かれるお祭り。商店街の活性化策として1954年から続いており、今年は8月3日~7日に開かれた。地元のアーケード街にさまざまな七夕飾り(くす玉、各種キャラクターの張りぼて)が取り付けられ、その下には多数の屋台が出る。屋台で買った生ビールとつまみを食べながら、趣向をこらした飾りを見て回るのが楽しい。アーケード街の酒屋の前でベルギーのサクランボ味のビール、ベルビュー・クリークの生を売っていたのが飲食面では一番の収穫だった。価格が現地の約3倍というのは、日本酒を海外で飲む場合と一緒なので、まあ仕方ない。

↓ 駅を降りると、ずらりと並んだ提灯がお出迎え。
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↓ 七夕飾りは日本のアニメだけでなく、こんな洋物キャラも登場。あと、スパイダーマンの飾りもあって、それは見事なものだった。
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↓ 人混みを避けて写真を撮ったけれど、アーケード街の入口など、人通りの多い場所では通勤ラッシュ時のプラットフォーム並みの混雑だった。
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その2 高円寺の阿波踊り

8月の最終の土日に、JR高円寺駅前から東京メトロ新高円寺駅にかけての複数の道路を舞台に、いくつもの集団(これを「連」という)が流し踊る、高円寺名物の阿波踊り。阿佐谷の七夕同様、町おこしとして1957年に始まったイベントで、今では本家の徳島に続く、「日本三大阿波踊り」のひとつとなっているそうだ。小学生の頃、家族でこのイベントを見にいったことがあった。時期的に夏休みの終盤に当たるが、宿題がまったく終わっておらず、お先真っ暗な気持ちで踊りを見物したのが強烈な印象で、阿波踊りといえば夏休みの宿題を思い出す。我ながら、情けない。

↓ こちらも、駅を降りると派手な提灯が出迎えてくれる。
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↓ 大きなイベントゆえ、後援にはメディア企業が。
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↓ 三味線、太鼓、鉦、篠笛などで奏される二拍子の音楽は、見ている者も踊りだしたくなるような躍動感がある。
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↓ 優美な女踊り。でも、網笠に手甲を付けた衣裳で踊り歩くのは、ものすごく暑そう。
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# by bonnjour | 2012-08-26 01:17 | 暮らす
スイスで見つけた美味しいもの
東洋のスイス、諏訪で見つけた美味しいもの(と普通のもの)。

↓ ワカサギの天麩羅。JR上諏訪駅近くの居酒屋にて。品書きに、調理に時間がかかると但し書きが書いてあったが、なるほどとっても時間がかかった。あっさりと塩とレモンでいただく。待った甲斐があった。しかしこの居酒屋、突き出しに、いかにも活きの悪い生の甘海老(解凍したもの)が出てきたのは、いかがなものか。どう頑張ったって沿海部のように活きのいい海産物を安価に入手できないのだから、山の中だからこそ美味しい食材を使えばよいのに。
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↓ 昼食の店を探して、あてもなく路地裏を彷徨って見つけた定食屋。写真だとよくわからないが、看板の下の右手に入口がある。日替わり定食(この日は酢豚)が650円と手頃な価格設定で、お客さんの顔ぶれからみるに、近所のサラリーマンが常連客のようだ。カウンターの上に放置された新聞や雑誌を読みながら料理が来るのを待つのが、こうした店での正しい作法。なので私も県内購読率60パーセント超を誇る地元紙の信濃毎日を読みながら待つ(昔、仕事でこの新聞社に関わったことがあったので親近感がある)。高齢のおかみさんが作ってくれた料理は素人っぽい「おふくろの味」だったけれど、旅先で外食が続くときには、かえってほっとする。
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↓ 片倉館の休憩所で食べた日替わりランチ。タンドーリチキン風の鶏肉を中心にしたワンプレートで、付け合わせは冬瓜の煮物、小芋の炒め煮、サラダなど。味付け薄めで健康志向。キュウリやトマトの味が濃くて美味しかった。
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↓ 片倉館の休憩所では酒類も出している。地元の麗人酒造が出している地ビール「諏訪浪漫」シリーズから、ケルシュの製法で作った「しらかば」を選んだ。ケルシュはドイツのケルンで作られている、香りがよくすっきりとした上面発酵のビール。ボンにいたときは、生ビールといえば隣町ケルンの名産ケルシュがデフォルトで出てくる土地柄だったので、なんだか懐かしかった。
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飲食店情報の口コミ・サイトで上位に上がっていたカジュアルなフレンチの店にも行ってみた(写真無し)。2000円でシェフにおまかせという、とてもコストパフォーマンスの高いコースを頼む。アミューズ・ブーシュ(生ハム、リエット、オリーブ等)、ムール貝のワイン蒸し、イワシのバルサミコ・ソース、チキンのプロヴァンス風、仔牛とレンズ豆の煮込み、がそれぞれ控えめのポーションで出てくる。品数から考えると確かにとても安いのだが、当然、食材の原価にも制約があるし、完成度からいうと「とても料理上手な友達の家に招かれた」感じか。山の中でイワシは絶対に無理がある!その半面、最後に出てきた仔牛とレンズ豆の煮込みはとても美味しかった。レンズ豆を使った肉料理はいかにもフランス的だが、日本ではあまり流行らないようなので、それを敢えて出すシェフのチャレンジ心を評価したい。味付けは、信州という土地柄か、どれも塩気が強かった(フランスのビストロ並みの塩気、という見方もできるかも)。
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# by bonnjour | 2012-08-16 23:29 | 旅する
夏休みだ! スイス滞在記
東京があまりに暑いので、避暑と称してスイスに出かけてきた。

スイスといっても驚くなかれ、東洋のスイス、諏訪の上諏訪温泉である。諏訪湖に臨む温泉地で、都内からのアクセスも良好だ。ちなみに諏訪地方がスイスと呼ばれる所以は、羊飼いがいたり、金持ちだけを相手にした銀行がやたら沢山あったり、無駄に物価が高かったりするからではなく、高原にあって精密工業が盛んだからだそうだ。そういえばセイコーエプソンも諏訪が本拠地だ。

夏休みとはいえ、なんだかんだで仕事を持ち込むことになったため、客室のインターネット接続と洋式の机は必須ということで、上諏訪駅に近いビジネスホテルに5泊することにした。このホテルには、温泉の大浴場と露天風呂が付いているのが何よりの売り物だ。

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部屋はさほど広くないが、座り心地のよいオフィス用椅子と、そこそこのサイズのデスク、たっぷり使える冷蔵庫に湯沸かしポット(無料のドリップコーヒー付き)、衣類の消臭スプレーまで用意されていて、ビジネスホテルとしての機能は万全だ。

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【Day 1】
チェックインして、露天風呂(写真はホテルのWebサイトより)に直行。といっても小さいものなのだが、水道水でなく温泉のお湯に浸かれるだけで心が高揚する。温泉に狂喜乱舞するDNAって、日本人の身体に組み込まれているのだろうか。

温泉の後はお作法通りフルーツ牛乳を飲み、諏訪湖まで散歩に出る。

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諏訪湖のほとりで、「養命酒」のアンテナショップである小洒落た飲食店が屋上ビアガーデンをやっていたので、地元産のブランド豚肉の串焼きなどをつまみながらビールを飲んだ。ビアガーデンの料金設定はおしなべて割高だけれど、ここのは食器類がすべて使い捨てのプラスチックなのが大変に残念。
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【Day 2】
上諏訪駅周辺には造り酒屋が密集している。その酒屋を巡るのがDay 2のミッション。ほうぼうで試飲をさせてもらい、飲み逃げするわけにもいかないので、各所で気に入った銘柄をお土産に買ったら、荷物がとても重くなってしまった。海外での販売にも力を入れている「真澄」の宮坂醸造の試飲コーナー(4つ下の写真)は、モダンで高級感あふれる作りになっていた。が、一番気に入ったのは麗人酒造の非常に種類豊富な試飲コーナーで、お店の方が「どうせなら、とっておきのコレを試飲していってください」と、高級ラインを薦めてくださったのに恐縮した。

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【Day 3】
日曜日というのに急ぎの仕事が入った。涙目。バスに乗って霧ヶ峰に行くつもりだったのだが。仕事を済ませてから、午後は湖の周辺を散歩。湖畔にある「タケヤみそ」工場の「味噌会館」でイベントをやっていたので立ち寄った。味噌フレーバーのソフトクリームが美味。工場の構内に、味噌製造の役目を終えた麹菌を供養する「菌塚」(下の写真)があるのを発見し、万物に魂を見出す日本人の心情にしんみりする。
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【Day 4】
温泉デイ。製糸業で財をなした片倉財閥が地元の福利厚生のために建設した温泉施設「片倉館」に入り浸る。財閥の二代目オーナーが欧州視察で現地の文化施設に感銘を受け、建設を決意したという豪華な洋式温泉で、ローマ式の大浴場(おお、「テルマエ・ロマエ」の世界!)もさることながら、建物全体が貴重な洋風建築の遺産となっている。竣工は1928年で、森山松之助(他の作品に台湾総督府など)の設計によるネオゴシック風の建物は、国の重要文化財に指定されている。外側はネオゴシック、中に入ると古代ローマ風のお風呂とは様式美のテンコ盛り。日本の洋風建築を偏愛する私としては、熱い血がたぎってしまう物件だ。入浴料は大人600円と手頃なので、近くにあったら毎週通ってしまうことだろう。

(下の写真)塔が印象的な浴場棟(右)。左手には娯楽・文化用の会館棟がある。
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千人風呂と命名されたローマ風呂。今にも浴場技師のルシウスが登場しそう? 浴場内はもちろん撮影できないので、諏訪市役所のサイトから写真を借用。
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湯上りは階上の休憩室へ。飲み物や食事が出る。アカンサス模様の柱の下で、座卓に座布団で寛ぐという和洋折衷な風景が楽しい。
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【Day 5】
諏訪の看板建築めぐり。上諏訪駅周辺は、関東大震災以降に流行し、戦後まで受け継がれてきた建築様式である「看板建築」(建築史家の藤森照信氏が命名)の宝庫だ。これは、商店などの建物の前面を平坦にして、モルタルや銅板を使ってまるで大きな看板のように自由に装飾したスタイルのこと。食事をする場所を探しながら、ふらふらと街を歩いてみたら、魅力的な看板建築や洋風建築に巡り合うことができた。

上諏訪の商店街の看板建築群の中でも重厚さで群を抜いている三村貴金属店(左)と白牡丹(右)。
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こちらは、すっきりとモダンな感じ。
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旧富士銀行。今は予備校。銀行って、なぜ円柱を並べた神殿風の建物が多いのか。
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諏訪大手見番の建物。みごとなハーフティンバーに見とれた。
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旧魚安食堂。入口の硝子戸には「魚安食堂」という字が残っている。木造3階建てで窓の造形が美しい。
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# by bonnjour | 2012-08-15 00:23 | 旅する
地ビールを東京湾の上で飲む
梅雨の晴れ間の土曜日、ふと思い立って海の近くにビールを飲みに出かけた。品川駅に着くと、海風なのか、気持ちの良い風が吹いている。同じ都内でも、私がいる武蔵野方面と臨海部では、気象にかなりの違いがあるようだと感心する。

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品川駅から散歩を兼ねて徒歩15分、Waterlineという、天王洲運河に浮かぶラウンジに入った(上の写真左側の、ちょっと見に遊覧船のような形をした建物)。ここは、寺田倉庫が運営する飲食店で、東京都の「運河ルネサンス構想」(江戸時代からの歴史がある東京の運河を、都市景観の美化や観光振興にもっと活用しようというプロジェクト)の第1号店(2006年オープン)なんだそうだ。この店では、隣接するT.Y.ハーバー・ブルワリーという地ビール工場直送のビールを出している。それが目当てで来たというわけ。

天王洲地区は90年代初頭に再開発が済んで、一時はオシャレなデートスポットとしてもてはやされたが、今では客足も落ち着き、観光名所というよりはビジネス街としての色が強い。その中では、この地ビール工場を核にした飲食店(水上ラウンジと、工場併設のレストラン)はコンスタントに人気を集めているようだ。

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さて、喉が渇いていたので、さっぱりしていそうなウィートエールを注文する。Sサイズと称する半パイントほどのグラスで480円というのは、店の雰囲気など考えるとリーズナブルな価格だ。昨年、ドイツでよく飲んだHefeweizenを思い出す、夏向きの味。爽やかなそよ風がひっきりなしに吹いてきて、見た目も涼しい水の上のテラスは、暑気払いにうってつけだ。

渇きをいやしての2杯目はアンバーエールを注文し、こってりしたコクを楽しんだ。2杯飲んで、1000円札で足りるのは、なんとも嬉しいこと。おっと、おつまみ類はミックスナッツ500円、チーズ盛り合わせ1,800円、ピザ(マルゲリータ)が1,800円等と、それなりの東京価格なので、ご注意。

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# by bonnjour | 2012-06-23 11:57 | 暮らす
お風呂映画
スウェーデンに住んでいる学生時代の友人Sが来週、東京に来るという。「古代ローマ人お風呂設計士の日本映画(題名忘れた)を見たい」というので、一緒に行く約束をした。もちろん、その日本映画とは今ヒットしている「テルマエ・ロマエ」のことだ。古代ローマ時代の浴場設計技師が、ひょんなことから時空を超えて現代の日本にやってきて、その独特のお風呂文化に圧倒されつつ、そこで見聞きしたものを古代ローマに戻って応用し、名声を高めていくというハチャメチャなお話。



これはヤマザキマリの漫画作品の映画化だが、実は私は日本に来るたび単行本を買い求め、全巻(といっても4巻だ)を揃えた。漫画に熱中した学生時代(漫研で下手くそな少女漫画を描いていた。憧れの人は萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子...)から一転して、社会人になってからは漫画から遠ざかっていたが、いきなり昔の熱がぶり返した感じ。笑いたくなると、この本を取り出して一人でニヤニヤしている。海外在住の作者が、浴槽がないのが標準の住環境の中で、風呂好き日本人としてのフラストレーションを発散するために描いた作品、というエピソードにも共感を覚えた。私もデンマークにいた3年間は浴槽のない生活で困り果てた。

さて映画版だが、古代ローマと現代日本をまたにかけたSF的な設定を、主要なキャラクターは日本の俳優を使って実写版で製作するというのに興味をそそられた。それにしても主役の阿部寛選手は顔が濃い。他の役者も、予告編を見る限り、見事にローマ人風に化けている。聞くところによると、海外での公開も続々と決まっているようだ。アートシアター系の日本映画だけでなく、こういう娯楽大作が海外に紹介されるのは、日本のポップカルチャーを知ってもらう意味で意義深いことだと思う。

映画版に先立ち、今年初めにはアニメ版もテレビ放映されているが、それに英語やスペイン語の字幕を付けたものがYouTubeにアップされている。海外のアニメファンが字幕職人をやったのだろうか。動画を勝手にアップされたテレビ局には申し訳ないが、こうやって日本発のコンテンツが草の根式に紹介されていくのは嬉しいことだ。


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# by bonnjour | 2012-06-21 01:26 | 聴く&観る
アールデコのグラフィック美を堪能 ― 鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展
2月のフランス&イタリア旅行以来、また放置してしまった当ブログだが、いい加減、ネタがたまってきたので唐突に再開してみる。

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まずは新しいところから。練馬区立美術館で4月8日~6月3日まで開催された「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展」の最終日に駆け付けた。これは、蔵書狂として名高い仏文学者の鹿島茂氏のコレクションによる、アールデコ期の2人のイラストレーター、ジョルジュ・バルビエ(George Barbier、1882~1932)とジャン=エミール・ラブルール(Jean Émile Laboureur、1877-1943)の作品集だ。「コレクション2」ということは1もあったわけだが、それは昨年開かれた「鹿島茂コレクション1 グランヴィル 19世紀フランス幻想版画」(2011年2月25日~4月3日)で、残念ながら見に行けなかった。

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会場は、西武池袋線の中村橋駅に近い、公園に隣接したのどかな区立美術館。公共の交通機関だと電車とバスを乗り継ぐことになり面倒なので、愛車(自転車)に乗って行く。学生時代、この近所にバイトに通っていたが、来るのはそれ以来。当時は美術館もなかったし、駅周辺の変貌ぶりに驚く。

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ロビーの撮影は可ということだったので、吹き抜けを撮影。今回は1、2階に分かれての展示だ。ともに19世紀末、フランスのナントに生まれた(しかし作風は異なる)2人のアーティストによる挿絵本、版画作品、定期刊行物が、思いのほか多数出品され、大変に充実した企画。

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バルビエの「シェエラザード」(1913)。ディアギレフのロシア・バレエ団のスター、ヴァーツラフ・ニジンスキーと相手役のプリマドンナ、タマラ・カルサヴィナに捧げられたアルバムより。一瞬の動きを捉えた躍動感、画面を斜めに2分する大胆な構図が気持ち良い。この展覧会はラ・フォル・ジュルネとのコラボレーション企画ということになっているのだが、そういえば今年の音楽祭のテーマは「ロシアの祭典」なのだった。

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ラブルールの作風は、打って変わってシンプルかつモダンだ。彼はバルビエより5歳年長で活動期間もかぶるが、これはアーティストとしての方向性の差だろう。上の「アンドロメダ」(1935)では、ユーモラスにもグロテスクな魚たちを前景に、奥には岩礁に鎖でつながれたアンドロメダが立ちつくしている。不思議なリズムを持った、いつまで見ていても飽きない絵だ。ちょっととぼけた味のある彼の作品を大量に見ていたら、なぜか今は亡き滝田ゆう氏の漫画を思い出した。

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売店ではカタログ3,300円也(求龍堂から一般書籍として刊行)も奮発して買ってしまい、大満足であった。ただし、このふたりの作品の、シャープな線や美しい発色は、こうした大量印刷の書籍ではもちろん充分に再現できるものではなく、やはり今回展示された実物の版画や職人技で精緻に作られた挿絵本の迫力には負けるのである。鹿島先生が収集にはまる理由も、理解できるというものだ。
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# by bonnjour | 2012-06-03 02:39 | 聴く&観る
イタリア旅日記: ヴェローナは駆け足で
今回の旅行プランを立てたとき、まずパリから格安航空券で行ける目的地としてベネチアとミラノを選び、その間を周遊することにして、途中下車すべき都市を探した。建築家パラディオの作品が街中に残るヴィチェンツァや、ジュリオ・ロマーノの大迫力壁画が待っているマントヴァ、そしてちょっと遠回りになるがフィレンツェなども心ひかれたのだが、今まで不思議と縁のなかったヴェローナに行ってみるかと、少々消極的な理由で行き先を決めた。

街中がテーマパークじみたヴェネチアから列車で1時間あまり。ヴェローナに着くと、北イタリアらしい、豊かでしっとりとした街が広がっていた。

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ヴェローナは夏の野外オペラで有名な場所だが、シーズン外れに訪れるのも静かでいいものだ。

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ローマ時代を起源とするエルベ広場。広すぎず、狭すぎず、広場としてはちょうどいいサイズ。手前の柱の上に載っている、翼のある獅子で表された聖マルコはベネチアの守護聖人だが、この街は、かつてベネチアに支配されていたのだ。

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15世紀に作られた階段は、まだ現役。

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ジュリエットのモデルになったカプレーティ家の令嬢の家が「ジュリエットの館」として公開されている。外観だけ眺めて、入らなかったけど。

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ロマネスク様式だった建物をゴシック様式に改築し、さらに後でルネサンスの味を付けたドゥオーモは、内部に入るとティツィアーノの聖母被昇天図があったりして、各様式てんこ盛りの不思議な調和が珍しくて、思わず長居してしまった。

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14世紀後半に建てられたカステル・ヴェッキオは、建築家カルロ・スカルパが原型を生かした改修を行い、今では市立美術館として活用されている。ベネチア派やヴェローナ派の珠玉の作品が所蔵されていて、イタリア地方都市の文化的底力を感じさせる美術館。

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メニューに北イタリア名物のボリート・ミスト(茹で肉の盛り合わせ)があったので飛び込んだレストラン。外からは分からなかったが、中に入ったら室内装飾も洒落たちょっと高級路線の店だったので、一人で入ってちょっと後悔。ボリート・ミストは大変に美味だったが、一人前のポーションがドイツやデンマーク並み(笑)だったので(しかし味はずっと繊細)途方に暮れた。健啖家の威信にかけて、一応、完食。
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# by bonnjour | 2012-02-02 09:22 | 旅する
イタリア旅日記: 極寒のベネチアで
ベネチアは今日も極寒だ。海から吹いてくる風が強くて、それが体感温度を著しく下げている。実は当初、旅行先を冬でも暖かそうなリグーリア海岸にしようかと思っていたのだが(チンクエ・テッレの観光写真が刷り込まれていたせいだ)、今はシーズンオフで交通の便も悪いということで思い直した。そして今日、テレビニュースで見たら、リグーリア州の州都ジェノバが大雪に見舞われていた!なんということ。

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泊っているホテルはゲットーの近くなので、今朝はそこから散歩を開始した。ベネチアのゲットーは、言わずと知れた「ghetto」という言葉の語源になっている。上の写真は、ゲットー地区にあるGhetto Nuovo広場。この地区出身でホロコーストの犠牲になった人々に捧げる記念碑などもあり、彼らの辿ってきた苦難の道を否が応でも感じさせる場所だが、パレスチナで起きていることを考えれば、誰が善玉で誰が悪玉かという単純な図式は成り立たないのが、宗教問題や歴史の複雑なところだ。

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ゲットー地区には、当たり前だがコーシャのレストランや菓子店なども目につく。

ゲットーを抜けて、ティエポロの作品があるSant'Alvise教会へ。この教会を含めてベネチア教区の16の教会の共通入場券(10ユーロ)というやつを昨日、購入したので、それを消化するのが今日のテーマ。鐘楼や宝物殿でなく、宗教施設である教会に入場料を課しているというのは新鮮な驚きである(ただしこれは見学者用で、ミサの時間にやってくる信徒は当然のこと、入場無料である)。

その後、ティントレットの作品と墓所があるMadonna dell'Orto教会、色大理石の細工が美しいSanta Maria dei Miracoli教会、壮大なSanta Maria Formosa教会など、近隣の教会を次々と巡りながら、ひたすら頭に浮かぶのは「寒い!」「ト、トイレはどこ?」。外を歩くうちに身体の芯まで冷えてしまい、これまた底冷えのする教会で名画を鑑賞するのは困難なことであった。

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せめて暖かい室内に入りたいと思い、午後はアカデミア美術館で大量のベネチア派絵画と向き合う。建物を改装中ということで、この美術館の呼び物であるジョルジョーネの「嵐」をはじめとする人気作品が、臨時に1つの展示室に集められていたのは少々興ざめだった。

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最初の予定では、ベネチア発祥の地、トルチェロ島に船で渡ろうと思ったのだが、あまりの寒さに挫折した。この天気の中、蒸気船で片道40分というのは萎える。島行きの船が出ているFondamenta Nuovo(「新河岸」)からは、島全体が墓地のサン・ミケーレがよく見える。以前、夏に行ったとき、この墓地島に葬られているディアギレフに挨拶しに行ったのだが・・・。

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サンマルコ広場にある有名カフェ「フローリアン」は、今やリッチな中国人旅行者のたまり場のようだ。

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ベネチア版物干し台(アルターナと呼ばれる屋上の木造テラス)は、高級物件の証だそうだ。昔のベネチアを描いた風景画にも、このテラスはたびたび登場する。
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# by bonnjour | 2012-01-31 08:29 | 旅する