B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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イタリア旅日記: ベネチアに着いた
パリからeasyJetの激安便でひとっ飛び、ベネチアに着いた。ホテルはバス・ターミナルになっているローマ広場から徒歩圏なので、マルコ・ポーロ空港からはバスに乗った。乗車前に切符を買い、バスの中で刻印しようとしたが、うんともすんともいわない。運転手さんが乗り込んできたので、機械が動かないとイタリア語で言ってみたが(この台詞はイタリア旅行に必須なので覚えている)見事にスルーされた。イタリアに来た!という実感がわく瞬間である(笑)。仕方ないので、そのまま乗る。

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ローマ広場のそばにあるスーパーで飲料水など買いこみ、ホテルに向かう。レビューで「とにかく見つけにくい場所にある」と書かれていた通り、番地が飛んでいる上にベネチア特有の狭い路地の先にひっそりと位置していたが、奇跡的にすぐ見つけることができた。

シーズンオフなので、シングル1泊40ユーロという激安料金だが、これがハイシーズンになると250ユーロまで上がると、部屋に掲示された料金表にあった。実はベネチア行きを決めたとき、経済的ホテルでも1泊150ユーロ程度するのではと覚悟していたのだが、シーズンオフにこれだけ値引きしているとは嬉しい驚きである。今まで、ベネチアにはハイシーズンにしか来たことがなかったので、その相場が刷り込まれていた。

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ベネチアは、どう写真を撮っても絵葉書風になるのが良いところでもあり、悪いところでもある。これはホテルの近くの運河。

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ホテルに着いたのが午後4時過ぎで、観光を開始するにはちょっと遅めだったが、夕方6時まで開いているサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に行ってティツィアーノやジョヴァンニ・ベッリーニらの聖母像(こうした大画家の作品が競作という感じで並んでいるのは壮観だ)、ドナテッロの洗礼者ヨハネ像(傑作!)などを鑑賞する。こうした作品は、聖堂の中で見るのが一番なのは、日本の仏像と同じだ。

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夜のサンマルコ広場にも行ってみたが、とにかく寒い。シベリア寒気団のせいだろうか。でも、ホテルも飛行機も激安の冬のベネチア。寒いのは仕方ないのかもしれない。
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# by bonnjour | 2012-01-30 17:39 | 旅する
ルルド旅日記
昨年の夏の京都旅行以来、放置プレイしてしまった当ブログだが、今回思いがけない縁でフランスの聖地ルルドに行くことになったので、旅日記など書いてみたい。

昨年は夏に日本に帰った後、ドイツ(ボン)=>フランス(パリ)と移り住み、なかなかに刺激的な1年だったが、その時の様子も備忘録を兼ねて、おいおいブログに記していきたい。

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1858年、ピレネー山脈の麓の村、ルルドで14歳の少女ベルナデットの前に聖母マリアが出現し、泉に行って水を飲み、身体を清めるようにとのお告げを伝えた。この村は後に一大巡礼地に発達した。沐浴場(右手)の奥に見えるのは聖母出現の洞窟の上に建てられたバシリカ。

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聖母のお告げを各国語で書いた看板。ちょっと下手な字だけれど日本語もある。

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洞窟の壁に安置されたマリア像。日本のカトリック教会の構内にも「ルルド」と称して、この洞窟の模型がよく作られる。

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洞窟の上に建てられたバシリカ。あんなに重いものを建てて洞窟がつぶれないかと不安になるが、岩盤が固いのだろうか?

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バシリカに通じる参道。ここ一帯が聖域になっている。
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# by bonnjour | 2012-01-27 17:03 | 旅する
京都をあちこち
ホテルの宿泊プランに市バスの一日乗車券が付いていたので、それを使って市内をあちこち見て回った。

そのホテルというのが、三条大橋の近くに最近オープンした「デザイナーズホテル」(ホームページのうたい文句より)で、全館禁煙なのと、オープン記念料金で格安だったので予約した。

・・・しかしホテルの入り口にこんな案内板を発見。もしや、私はとんでもない間違いをしでかしたか?

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部屋(シングル)はこんな感じで、しごくまっとうなツーリスト向けホテルだし、ベッドもちゃんと四角形だし(<==円形の回転するベッドって今は絶滅危惧種なんでしたっけ?)、テレビのチャンネルも真面目な局しか入っていないようなので、思い過ごしということにしよう。

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市バスでまず向かったのは、超有名な観光地。

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高いところにあるせいか、舞台の上を涼しい風が吹き抜けて、大変に快適だった。

ここでは浴衣姿の観光客を多数発見。このお嬢さんたちは、どうやら韓国からのお客さんらしい。プロに着付けてもらったようで、とてもよく似合っていた。

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その後、口から阿弥陀が飛び出すシュールな空也上人の木像がある六波羅蜜寺に回る。

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↑ 著作権切れ画像につき不鮮明な点はご容赦を。
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↑ ううう、地名が読めない。(答え:西ろくろ町)

天狗に会いに(笑)鞍馬山に行こうと叡山電鉄が出ている出町柳まで行ったのだが、遅くなってきたのと料金が片道410円で微妙に高いのとで気持ちが萎え、予定変更して「哲学の道」を目指す。鞍馬寺から貴船まで、1時間ほどの山道下りが好きで、何度も訪れている。地面から浮き出た太い木の根が蛇のようにとぐろを巻いて、異界の雰囲気を醸し出している不気味な場所だ。一度など、出張の後に書類カバンを提げたまま、スーツ姿で山道を歩くという馬鹿なこともやった。

哲学の道は琵琶湖疏水沿いの、全長2キロほどの小道。西田幾多郎がよく思索にふけりつつ散策したところから、その名がついたそうだが、凡人の私は、この後はどこに行こうかとか、今晩は京都らしいものが食べたいなとか、雑念ばかりがわいてくる。水辺だけあって、涼しいのは何よりだった。

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↑ 哲学系ネコ集会。

その後、南禅寺から蹴上に向かい、インクライン跡や蹴上発電所を見て回る。水力発電の発祥の地、蹴上周辺は、産業遺跡好きには、たまらないポイントだ。うっかりして南禅寺境内にある、ローマの水道橋のミニチュアみたいな「水路閣」を見るのを忘れたのは残念だ。

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仕上げは先斗町で夕食。その途中で見た鴨川の夜景が心に残る。

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# by bonnjour | 2011-08-01 22:34 | 旅する
レールパスでディスカバー日本
今まで里帰り時には東京から外に出ず、旅行というと台湾に三度も行ってしまったが、今回はJRのジャパンレールパスなる、外国人旅行者と海外永住日本人向けに出しているお得な鉄道パスを使い、関西方面を旅行している。昨夜、神戸から京都に着いた。

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神戸を訪れるのは95年の震災後初めて。震災の傷跡を少しも感じさせない繁栄ぶりに安心する。今回の東日本大震災は、津波と原発事故という悪条件が重なっているので、阪神・淡路大震災の復興と比較するのは適切ではないかもしれないが、東北の復興を祈るばかりだ。

盟友・Nさんに異人館のあたりを案内してもらい、垢ぬけてモダンな神戸に敬服する。

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実はその前に、同じパスを使って名古屋に1泊で行ってきた。

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徳川園。日本庭園が素晴らしい(でも時間がなかったので、外からさっと眺めただけ)。

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味噌カツは外せない。

実は今回のジャパンレールパス活用の旅は、コンサートを追いかけながら日本を再発見しようというテーマなのだが、コンサートの感想については次回、ゆっくりと書いてみたい。

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# by bonnjour | 2011-08-01 10:20 | 旅する
いきなり反省図から
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Georges de La Tour (1593-1652) "Madeleine en pénitence"
― ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作 「悔い改めるマグダラのマリア」


いきなり、上記のような反省図から始めないといけない。(反省を表現した画像をいろいろ検索してみたが、やはり、愛するジョルジュ・ド・ラ・トゥールの、この作品がよいだろう)。
4カ月以上、このブログを放置プレイしてしまった。

3月はじめにデンマークからドイツのボンに引っ越し、短期契約できる無線インターネット接続サービスに申し込んだが、データ送受信量に制限があり、ブログ更新もままならなくなった。そうこうするうちに、あの大震災と原発事故が起きた。その瞬間に国外にいたとはいえ、大げさにいえば人生観を揺るがすような大事件であり、さまざまな思いが交錯して心が乱れた。そして、自分だけが海外の安全な場所にいるという後ろめたさ。もう、ブログをゆっくり書く心の余裕もなく、ネットはもっぱら原発事故の情報を収集するツールになった。

いまだ進行中のこの災害と事故は人々の世界観をがらりと変えてしまい、すべてのものが「震災前」と「震災後」に二分されるような気がする。

さて、5月末にボン滞在をいったん中断し、フランスの相棒の実家に引っ越し荷物を仮置きした後、6月半ばには二人で東京にやってきた。都内の私の実家に身を寄せ、相棒は共同研究者のO先生のいる都内の大学に1カ月滞在し、私はいつも通りの内職をこなす毎日。東京に着くなり、かなりの猛暑ですっかりバテてしまい、あまり外にも出ず、友人たちにも連絡せず、という悪しきひきこもりの生活だ。

今週のはじめに相棒は一足先にフランスの実家に戻った。私は8月半ばまで東京に滞在した後、合流する。8月末にはまたボンに引っ越し、そこに2カ月滞在した後はパリに3カ月、という気が狂いそうな細切れのスケジュールが待っている。引っ越し貧乏、をまさに地でいく私たちだが、これも何かの縁、遊牧民族みたいな生活を楽しむ余裕をもちたい。
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# by bonnjour | 2011-07-27 18:01 | 暮らす
ボンのアパート
これから3カ月のボン滞在中に住むアパートは、中心部から5キロほど離れた場所にある。地名に~dorf(村)とあるのがまさに名は体を表すで(1969年にボン市に編入されるまでは実際、村だった)、教会や役場のある一画を中心に集落が形成されているさまは、昔ながらの村落を思わせる。アパートから教会広場に行く道すがら、こんな素敵なものを見つけた。

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これは農家の直売所で、取り扱い品目はジャガイモ、野菜、果物、放し飼い鶏の卵。ジャガイモが他の「野菜」と区別されて一ジャンル扱いされているのは、さすがドイツだと妙に感心する。

家主のT夫妻はボンでなく、車で1時間ほどのデューレン市に住んでいる。ご主人はそこで精神科医を開業しているとのこと。T夫人からは、部屋の引き渡し時に、入口のドアは静かに閉めるように、とか暖房用ラジエーターの目盛りを寝る前に「夜間モード」(月のマークが目印)にして省エネに務めるようにとか、具体的かつ細かい心得を色々ときいた(相棒は「さすが仕切りやのドイツ女性だ」と苦笑)。T夫妻は、このアパートを専ら短期滞在の外国人研究者に貸しているそうで、過去の借主の中にはドイツ人の想像を絶する生活習慣をもった人もいたのかもしれない。

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アパートは窓が大きく取ってあって、外の光が一杯に入ってくるのが気持ち良い。窓の前にあるデスクをさっそく占領して仕事スペースにした。インテリアに少々、ちぐはぐ感が感じられるのは、とりあえず色々な家具を寄せ集めて家具付きアパートに仕立てた結果かもしれない。でも応接セットの白いテーブルとワゴンに、私が持ち込んだ赤い敷物を敷いたら、ちょっと可愛くなった。果物の籠と酒瓶も、もちろん持ち込みだ。これは、マーキング行為の一環(笑)。

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# by bonnjour | 2011-03-01 08:51 | 暮らす
夜行列車で空港へ。体力勝負の引っ越し
デンマークからドイツへの引っ越し当日である。相棒は日曜の早朝5時半に、引っ越し荷物を満載した自家用車でドイツめがけて出発した。一方、車に積みこめなかった荷物を持って飛行機で移動する私は、今まで住んでいた大学の宿舎を掃除し(律儀な日本人なので、こういう場面では掃除に熱が入る)、忘れ物がないか戸棚の中を最終チェックした。夜11時という変な時刻に地元駅を出るコペンハーゲン空港行きのインターシティに乗るまで、時間はたっぷりあるが落ち着かない。

↓ 熱が入った掃除の成果。なんだか退去するのがもったいなくなる。
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コペンハーゲンからケルン/ボン空港まで、片道70ユーロというgermanwingsの格安便(ただし諸経費を入れると結局90ユーロ近くになるのが、この手のビジネスの常套手段だ)を買ったはよいが、出発時刻が朝の8時台だった。当日朝に自宅を出るのでは、到底間に合わない。かといって前日入りして室料がバカ高いコペンハーゲンのホテルに泊まるのも、格安航空便を使う意味がなくなってしまう。というわけでエコノミー派の私に残された選択肢は夜行列車ということになる。体力勝負だなあ。

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午前3時過ぎ、コペンハーゲン空港駅に到着(上の写真)。同じことを考えている旅行者が続々とホームに降り立つ。これから4時間ほど、20キロのスーツケースを抱えて時間をつぶさなくてはいけないのは気が重いが、持参したホットコーヒー入り魔法瓶とiPodに入れた音楽と本とで、退屈な時間をなんとかやり過ごした。ちなみに「The Guide to Sleeping in Airports 」という、空港で夜明かしする人のクチコミ・サイトでは、コペンハーゲン空港の評判は上々だ。デンマークの治安が全体的に良好なこともあるが、確かに明るく機能的で、セキュリティもきちんとしている空港だ。そのあたり、怪しさ満点の早朝のパリ、シャルルドゴール空港(成田発のエールフランスの夜行便が早朝4時過ぎに到着するので日本人にはお馴染み)とは対照的。

↓ 空港内のセブンイレブン前のベンチ群が夜明かしに最適。24時間営業なので終始人通りが絶えず、安心して過ごせる。手前のカートの右端に載っているのが寒い季節の旅の友、魔法瓶。
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飛行機に乗るまでは体力と忍耐力が必要だったが、朝10時過ぎにケルン/ボン空港に到着した後は楽ちん。車で迎えにきてくれた相棒に荷物を託し、その日の午後は新しいアパートで昼寝というには長すぎる睡眠をとった。
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# by bonnjour | 2011-02-27 07:23 | 暮らす
デンマーク名物Stegt flæskを初めて食べた
デンマーク滞在最後となる土曜の晩は、市庁舎の近くにあるデンマーク料理を出す老舗レストランRaadhuus Kafeenに行った。実は3年間の当地滞在で、デンマーク料理をレストランで食べるのはこれで2度目。外食のときには素朴でこってりしたデンマーク料理より、レストランでしか食べられないような凝った料理か、当たり外れの少ない中華やエスニック系の店に行くことが多かった。でも最後の晩くらいはデンマークの食生活に敬意を表して地元の料理を食べておきたい。

ということで今まで食べたことのなかったStegt flæskという、デンマーク名物の豚肉料理を頼んだ。 これは脂たっぷりの豚のバラ肉厚切りに塩をすりこんでカリカリになるまで焼いた、カロリーと脂肪分、そして塩分を想像したら卒倒しそうな料理だ。スーパーの精肉コーナーには必ずこれ用のバラ肉の塊が売られているが、私はいつもそれを横目で眺めながら、なるべく脂身の少なさそうな別の部位を買うことにしていた。さて、あの恐ろしげな脂身だらけの肉が、どんな料理になって登場するか、楽しみだ。

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銀のトレイに載って登場したStegt flæsk(これで一人分)は、日本なら4人前として出せそうな超大盛り。まずは量に圧倒されてしまう。そしてこの料理に付き物の、パセリがたっぷり入った白いソースが添えられている。あとは茹でジャガイモとビーツの薄切り。香ばしく焼けたバラ肉の一片をかじってみると、ビールによく合いそうな塩気と脂気が充満している。豚肉の主要生産国であるデンマークならではの、素材を生かした料理だ。ソースも、フランス料理あたりの手の込んだものと比較すると、いかにも素朴な家庭料理といった感じ(なので、外食費の高いデンマークのレストランでわざわざ食べるのは、やっぱりコストパフォーマンスが悪い)。

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ところでレストランに入る前、食前酒がわりに近くのパブでビールを飲んだ。市内には何軒も英国風パブがあるが、「シャーロック・ホームズ」という名前のこの店は、ここに来て間もない頃に見つけた。落ち着いて飲めるので(どうやら騒音源の学生連中は、もっと若向きの店に流れるようだ)、この店にだけ通いつめることになった。今日が最後だと思うと、これまでの3年間を思い出してちょっとセンチメンタルになる。店内では折りしもラグビーの試合のテレビ放映の真っ最中で、これを目当てに集まってきたお客たちが熱くなっている。相棒も私もスポーツ音痴なので、はじめはどの国が対戦しているのか見当もつかなかったが、これは欧州6カ国対抗のイングランド対フランス戦で、お客は皆、イングランドを応援しているのだった(英国パブなので当然)。後で知ったがオペラ鑑賞のヨーロッパ旅行中だったブログ仲間のアルチーナさんは、旦那様の希望でこの試合を現地ロンドンで観戦したそうだ。それだけ注目の試合だったらしい。

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# by bonnjour | 2011-02-26 03:24 | 暮らす
引っ越し準備に大わらわ
週末に迫ったドイツへの引っ越しに向けて、家の中が慌ただしい。フランスの実家に車を取りに戻った相棒は、日曜の夜に無事帰ってきた。日本列島でいえば鹿児島から仙台までの距離をボロ車を使って1泊2日で走り抜けたことになる。車はボロいが、旧式でコンピューター制御の部品が使われていないおかげで、あまり故障もせずによく走ってくれるし、少々不具合があっても修理が簡単なのはありがたい。あとはドイツまで無事に走ってくれることを祈るのみ。

とはいっても私は別ルートでドイツ入りする。3年間のデンマーク滞在中に相棒の仕事関係の本や書類が増殖したこともあって、私が大型スーツケースを1個持って別行動しないと、とてもじゃないが荷物が運びきれないのだ。それで、コペンハーゲンからケルン/ボン空港に飛ぶことにした。ケルン行き飛行機は朝8時台に出るので、オーフスから夜行列車でのコペンハーゲン入り。ハードだ。でも何度も使ったコペンハーゲン空港とも、これでしばらくお別れかと思うと感慨深いものがある。

車とは別に、荷物運搬用のごく小さなトレーラーがあり、これは3年間大学の駐車場に置きっぱなしだったのだが、盗難防止にくくりつけておいた鎖の鍵が壊れてあやうく大ピンチになるところだった。今日、助っ人を頼んで鎖を切断できたのでよかった、よかった。市役所に転出届を出して、銀行口座も解約した。今まで大学内の宿舎でネット接続が提供されていたので、個人で契約したインターネットの解約という日本では簡単だが国によっては悪夢の始まりとなる作業がなかったのは助かる(ドイツで解約したときには顧客サービス係に何度いっても解約手続きが正常に処理されず、引っ越し先に督促状が届いて気が狂いかけた)。

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話は前後するが、相棒が単独行の車の長旅から無事に帰ってきてほっとしたのだが、もうひとつほっとしたのは、相棒の実家に送付を手配していた来月のパリ行きの切符(上の写真)が無事に入手できたこと。短期間だが交通の便利なボンに住むので、先日思い立ってパリのシャンゼリゼ劇場で上演されるヴィヴァルディの「Orlando furioso」のチケットを買った。スピノジ指揮のアンサンブル・マテウスの演奏で、タイトルロールのマリー・ニコル・ルミューをはじめ、ジェニファー・ラーモア(Alcina)、ベロニカ・カンヘミ(Angelica)、フィリップ・ジャルスキー(Ruggiero)等々、大変に豪華な顔ぶれである。 ケルンから出ているパリ行きの高速列車タリスに乗れば4時間で到着するのでフットワークも軽くなるというもの。 嬉しいことにパリ在住のCさん、アムステルダム在住のPさんご夫妻とも現地で会えることになった。

タリスの切符は、ドイツ国鉄のサイトで早割切符が売り切れていたのでフランス国鉄のサイトで買ったら、オンラインチケットに対応しておらず、フランス国内の鉄道駅で受け取るか郵送ということだった。便利なようで、ちょっと不便なシステムだ。そしてシャンゼリゼ劇場のチケットは、当日劇場での受け取りを指定したのに、なぜか郵送されていた。まあ無事に手元に届いたからよいのだが、なんだかいい加減だなあ。

さて、引っ越し荷造りに精を出す相棒を尻目に私が何をしているかというと、今週末締切の仕事が終わらない!
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# by bonnjour | 2011-02-23 09:41 | 暮らす
世界のウチダが、いまさらながらのグラミー賞をとって
内田光子が今年のグラミー賞・最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞をとったが、おおかたの日本人の反応は「その人、誰?」のようだ。血筋こそ日本人だが、幼少期からヨーロッパ文化の中で育ち、そのままずっと海外で活躍しているピアニストだから、ジャンル的には「外タレ」だし、そもそもクラシックの演奏家なんて、タレント的活動をしている人を除けば一般的知名度はないからね。

でも、数奇な人生(と奇抜なステージ衣裳)で有名になった女流ピアニストと比べて「どっちが上手なの?」という素朴な質問には脱力する。音楽家の活躍の場にはそれぞれの領域があって、数奇女史の場合には、演奏技術とかレパートリーの豊富さといった一般的な判断基準を超越して、コンサートにつめかけた聴衆(いわゆるクラシック・ファンとはちょっと違った層)の心を癒すという魔術(呪術?)の領域に踏み込んでいるのだから、困らせる質問はしないように。

ただ、数奇女史のコンサートの料金は、世界のウチダの来日公演の料金より妙に高いという事実には、「日本の音楽業界は、いったいどうなっとるんだ」と、ちょっとショックを受けてしまったりもする。

それにしても「いまさら感」のある受賞だ。同時に受賞したB’zの松本やジャズの上原ひろみの場合は、これから国際的な知名度がぐんと高くなるというメリットがあるだろうが、すでに大家の内田にグラミー賞を出しても、痛くも痒くもないような気がしないでもない。

夕刊フジでは(といっても通勤電車の網棚から拾って読んだのじゃなくて、オンライン記事)、今年のグラミー賞で日本人の受賞が多かったことについて「スポンサー不足に悩むアメリカの音楽業界が市場として大きな日本に注目しているというオトナの事情」(業界関係者)という、うがった見方も紹介されていた。もっとも内田クラスの演奏家ともなれば、別に日本人枠での受賞ではないだろうが。

さて、彼女がらみでなにか面白い動画はないか、YouTubeをさまよっていたら、バルトリ姐との共演シーンが出てきた。2006年にザルツブルクで行われたムーティ&ウィーン・フィルのモーツァルト生誕250年記念コンサートで、ソリストとして出演した内田とバルトリが、まさに夢の共演でK.505の演奏会用アリア「Ch'io mi scordi di te? (どうしてあなたが忘れられよう)」を歌ったもの。DVDは結局発売されなかったようなので、貴重な映像だ(YouTubeの動画はクラシック専門TV局 Mezzoで放映されたものの録画)。声楽界とピアノ界をそれぞれ代表する顔芸婦人の競演という点でも、グイグイ引き込まれるエキサイティングな演奏である。



ビデオを見るとわかるとおり、この作品はピアノ(作曲当時はもちろんフォルテピアノ)のオブリガートを伴っていて、まるで歌を伴ったピアノ協奏曲のようだ。あるときは歌にひっそりと寄り添い、あるときは歌とともに激情をたぎらせるピアノ・パートは表情に富んでいて、ピアニストと歌手のかけあいにゾクゾクする。

                                         ↓ この辺からゾクゾク・・・
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おまけ。20代はじめの貴重な映像 ↓ 


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# by bonnjour | 2011-02-18 05:54 | 聴く&観る