B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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ポテトのピザ


ポテトのピザといってもレシピの話ではない。 Philippe ChevallierとRégis Laspalèsという、フランスのお笑い芸人のコンビ「Chevallier et Laspalès」が演じる、南仏プロヴァンスのアクセントをからかったコントがYouTubeに上がっていて、コテコテのプロヴァンス人である相棒が大いにウケていたのでご紹介する。

コントの内容は単純で、二人のプロヴァンス人が電話で「今晩のおかずはポテトのピザだ」「お、うちもだよ」と話すもの。これが誇張されたプロヴァンス訛りで話されるものだから、観客は大笑い。話の内容も、「プロヴァンスの名物はピザじゃ。今晩はポテトのピザだぞ」と、支離滅裂だ。もちろんピザがプロヴァンス名物という事実はないし、現地では炭水化物であるピザ生地の上に、これまた炭水化物のポテトを載せることはしない。

プロヴァンス訛り(といっても地域差は大きいそうだ)の特徴は、Lapin(ラパン)やPain(パン)などの「in」が「アン」でなく「エン」と発音されること(例:「ラペン」「ペン」など)、語尾に余計な母音が引き延ばされて残ること(例:Franceが「フランサァ」)など。上記のクリップでも「ポテトのピザ」(La pizza pomme de terre---ラ・ピザ・ポム・ド・テール)のことを「ラ・ピッザァ・ポンムァ・ド・テーラァ」と叫んでいる。

プロヴァンス訛りを、歌うようなアクセントと評する人もいるが、賑やかで(いや、むしろけたたましいというべきか?)、パリあたりの気取った(とプロヴァンス人は言う)フランス語とは別の言語みたいに聞こえる。実は来週、クリスマス休暇で相棒の実家に帰省するのだが、この強烈な訛りのフランス語に囲まれるのは、毎度のことながら楽しみなような、怖いような...。日本語を勉強中のガイジンが一人で熊本や鹿児島あたりに放り込まれるシーンを想像してほしい。

なお、ここでギャグにされたのは現代フランス語のプロヴァンス訛りだが、それとは別に地方語の「プロヴァンス語(Lou prouvençau)」というのが存在する。これはロマンス語系統のオック語の一方言で、言語的には標準フランス語よりむしろ、スペインのカタルーニャ語に近いもの。現在ではこれを第一言語として話す人はいなくなってしまったが、現在60代以上の世代では現代フランス語とプロヴァンス語のバイリンガルであるケースも多い。ちょっと古いが1990年の統計で、プロヴァンス語の話者は35万4,500人という。フランス政府はプロヴァンス語を公用語として認めていないが、地方語復権のトレンドに乗って、高校などで選択科目として履修できるようになった。年金生活に入った相棒の両親も、日本のNPOに相当する団体を立ち上げて、プロヴァンス語および地元文化の保存運動に取り組んでいる。プロヴァンス人というのは郷土愛が強いのだ。
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by bonnjour | 2008-12-19 10:30 | 息抜き