ヨーロッパの地方都市を転々とした挙げ句、ポーランドに流れ着いた管理人「B」の日常。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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ナクソスMLで懐かしのあの人と...
2009年 02月 14日
なんだか突然ショパンが聴きたくなってナクソス・ミュージック・ライブラリーにアクセス。こういう時、本当に便利なサービスだ。久しぶりに「24の前奏曲」でも聴いてみようかと思って検索すると、懐かしのピアニストの名前を見つけた。
デジュー・ラーンキ(Dezső Ránki)。ハンガリー人なので、本来は姓・名の順にラーンキ・デジューと呼ぶのが正式なのだが。 ショパン:前奏曲全集 (ピアノ演奏:デジュー・ラーンキ、Hungarotonレーベル) NMLのリンクはこちら 私が高校生の頃、この方はハンガリーが生んだ期待の若手ピアニストとして、同世代で同郷のアンドラーシュ・シフおよびゾルターン・コチシュとともに「ハンガリーの三羽烏」とかいうキャッチフレーズで日本で大々的に売り出された。私も、その「セット販売」の策略にまんまと乗ってしまった一人である。 抒情的な演奏が持ち味のラーンキ、ハンガリー人ピアニストのお家芸みたいなリストを嫌ってバッハに傾倒しているシフ、いかにも鬼才という雰囲気が漂うコチシュと、個性は三人三様だったので、今から思うと3人をまとめてプロモーションするのは無理があったと思う。あれは、当時社会主義国だったハンガリーが、自国の優れた音楽教育の成果を喧伝する意図があったのか、日本のプロモーターの商魂だったのか? ともあれ当時高校生だった私は、3人のうち誰かが来日するとなるといち早くチケットを買い、定期試験の最中であろうが会場が片道2時間かかろうが、万難を排してコンサートにかけつけたものだ。 なかでもラーンキは、その王子様的風貌から若い女性ファンに騒がれ、花束を抱えた「追っかけ少女」が登場したことで有名になった。恥ずかしながら私も「音楽の友」から切り抜いた写真を密かにコレクションしていたし、サイン会にも並んだ。間近に見たラーンキは、貴公子然とした物腰の、超ハンサム青年だった。これで女性ファンに騒ぐなというほうが無理である。 ↓ 王子様時代のラーンキ氏。 ↓ 現在のラーンキ氏。お年を召しても中年太りとは無縁で風貌が劣化していないのは、さすが。左はデュオを組んでいる妻でピアニストのエディト・クルコン。 その後、シフはバッハやモーツアルトの解釈や室内楽での活躍で世界的ピアニストとなった。コチシュはピアニストのほか指揮者としても活躍し、世界の一流オーケストラと共演している。この2人の活躍に比べると、ラーンキの現在の活動がかなり地味なのはかつてのファンとして残念だが、フランスのナントで先日行われた音楽祭「La Folle Journée de Nantes 2009」のウェブサイトをチェックしていたら、彼が出演しているのをひっこり見つけて嬉しかった。奥様でピアニストのエディト・クルコンとのデュオ。後で調べたら、日本で開催された「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」でもデュオで来日している。
by bonnjour
| 2009-02-14 10:39
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