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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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マーラーのリュッケルト歌曲集から「私はこの世に忘れられて」
2009年 02月 20日
グスタフ・マーラーのリュッケルト歌曲集から「Ich bin der Welt abhanden gekommen」(私はこの世に忘れられて)。ドイツの詩人フリードリヒ・リュッケルト(1788-1866)の厭世的な詩に基づいた、メランコリックな中にも独特の安らぎと美しさをたたえた曲だ。同じマーラーの交響曲5番4楽章(アダージェット)と曲想が似ていると思ったら、同時期に作曲されており、関連性が指摘されているという。
私は、ジャネット・ベイカーが1969年に録音したもの(ジョン・バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)をiPodに入れている。仕事をしながら聴くには、同じ声楽作品でも血沸き肉おどるヴィヴァルディのオペラより、この曲のようないわばダウナー系の作品のほうが気が散らなくて好都合なんて言ったら、泉下のマーラー先生はお怒りになるか。 Ich bin der Welt abhanden gekommen Ich bin der Welt abhanden gekommen, Mit der ich sonst viele Zeit verdorben, Sie hat so lange nichts von mir vernommen, Sie mag wohl glauben, ich sei gestorben! Es ist mir auch gar nichts daran gelegen, Ob sie mich für gestorben hält, Ich kann auch gar nichts sagen dagegen, Denn wirklich bin ich gestorben der Welt. Ich bin gestorben dem Weltgetümmel, Und ruh' in einem stillen Gebiet! Ich leb' allein in meinem Himmel, In meinem Lieben, in meinem Lied! -- Friedrich Rückert (1788 - 1866) 【大意】 私はこの世に忘れられた。 世間が私のことを死んだと思っていても、自分にとってはどうでもよいことだ。 私はこの世の喧騒から去り、静かな場所で安らぐ。 ひとりで私の天国、私の愛、私の歌に生きる。 パブリックドメインの楽譜はこちらでダウンロード可能。 YouTubeではカスリーン・フェリアー&ブルーノ・ワルター指揮ウィーンフィルの名演奏(1952年録音)も聴ける。 この歌は1988年制作のベルギー映画「Le Maître de musique」(邦題:仮面の中のアリア)でも効果的に使われていた。表舞台からの引退を表明した往年の名歌手が、若い男女の弟子に自分の芸のすべてを伝授して死んでいくというストーリー。バス・バリトンのジョゼ・ヴァン・ダム(私、ファンです)が演じる主人公のなきがらが運ばれていくラストシーンに、この歌が流れる。余談だけど、この映画でのヴァン・ダムの演技は絶品。 ■
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by bonnjour
| 2009-02-20 11:47
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