ヨーロッパの地方都市を転々とした挙げ句、ポーランドに流れ着いた管理人「B」の日常。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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アレクサンドル・タローのショパン作品集 <<Journal intime>>
2010年 05月 30日
「Journal Intime (私的な日記)」というタイトルにひかれて手に取った1枚。フランスのピアニスト、アレクサンドル・タローが「自分の人生のあらゆる局面に寄り添ってきた」(CDブックレットより)ショパンの作品から16曲を選び、個人的なメモワールとして1枚のアルバムにまとめたものだ。 聴いてみて、これはタイトル通りとても私的なアルバムだと思った。極端に熱くなることも、ショパンへの思い入れを顕示することもなく、自分の人生とともに歩んできた作曲家の作品をモノローグ風に演奏している感じ。 レーベルをヴァージン・クラシックスに移籍しての第1作だそうで、上記のようなプロモーション・ビデオも作られて、レコード会社の意気込みを感じる(イントロ部分は、ちょっと「作りすぎ」の感があるけれど)。ノクターン第20番(遺作)を弾く手元のアップ(ビデオクリップの0:36~あたり)を見て、指をほとんど曲げず手の平全体を鍵盤の上に置き、鍵盤を撫でるように押し下げる弾き方に興味をひかれた。ピアノ奏法に関してはまったく無知だが、これってアルフレッド・コルトーなんかの流儀を受け継ぐものなのか。 Chopin: Journal Intime ↓ こちらは同じくアレクサンドル・タローが、フランソワ・クープランのクラブサン曲「Les Baricades Misterieuses(神秘的な障壁)」をピアノで弾いたもの。速度記号はVivement(活発に)とあるものの、いかんせん速すぎてショパンの練習曲みたいだ。 正統的なチェンバロの演奏では4声の旋律ひとつひとつが際立って聞えるが、この演奏ではピアノ特有の残響の中ですべての声部が渾然一体となっている。チェンバロ演奏の焼き直しではない、クープランを素材にした新たな音楽の構築を目指したのだろうか。ピアノでバロック曲を弾くアプローチとしては面白いと思った。楽譜(IMSLPでクラブサン曲集全巻がダウンロード可能)を参照しながら聴くと、各声部の流れとそれをピアノで弾いたときの効果が対比でき、いっそう興味深い。
by bonnjour
| 2010-05-30 07:54
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