B的日常
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ドイツ、デンマーク、フランス(一瞬)と、流浪の生活を約10年。昨年秋にポーランドに流れ着く。音楽、美術、風景、食べ物など、美しいものや変わったものを追いかけて味わうのが好き。
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美しいものや変わったもの、美味しいものを追いかけるのが好きです。日々の生活で接した、そうしたものへの感想を綴っていきます。過去の記事であってもコメントは大歓迎です。メールはこちらにどうぞ。
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引っ越し
7月末に今までいたアパートの契約が切れ、初めに入居した大学構内の宿舎に出戻ることになった。不動産広告風にいえば「駅徒歩5分、閑静な住宅街の美麗アパート」だったので残念だが、大学内の宿舎はロケーションこそ中心街から徒歩20分と少々不便ながら、大学のLANでインターネット使い放題、ケーブルTV完備、キッチンも大型冷蔵庫付きと設備は整っている。

いつもながら、引っ越しは面倒くさい。今回は同じ市内の移動なのでまだ楽だが、不要物を捨てて荷造り、掃除、運搬、荷解きという一連の作業はうんざりしてしまう。しかも今回は空き部屋の関係で8月の1ヵ月間だけシングルルーム+エキストラベッドの部屋でしのぎ、9月に家族用のアパートに移動することになっている。

↓ 女性家主のLさんの趣味できれいにまとめられたこんなアパートから出ていくのは残念。
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↓ ここがこれから1ヵ月暮らすシングルルーム。ソファベッドの下にエキストラベッドが収納されていて、寝るときはそれを引っ張り出す。ちょっとしたキャンプ気分?
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↓ シングルルームに備え付けのTVはデンマークが誇る高級オーディオ・メーカー、Bang & Olufsen製だったので感心した。ケーブルTVにはNHKも入っていて、ビックリ。
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by bonnjour | 2009-07-31 14:57 | 暮らす
9月の大型連休に便乗して
今年は9月に、日本で大型の連休があることに気付いたのが4月のはじめ。取引先は日本にあるので、連休中は暇になる。それから着々と計画を練ってきた。

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フランスのヴィシー(第二次世界大戦中に親独政府が置かれた、あの町だ。今ではのんびりした温泉リゾート地...らしい)のオペラハウスで開かれるこのコンサートに行こうと思い、旅行計画を立てた。大バッハの末息子、ヨハン・クリスチャンが当時の人気カストラート、ガエターノ・グァダーニ(グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」の初演者として有名)のために書いたオペラ・アリアをフィリップ・ジャルスキーが歌う。演奏はジェレミー・ロレール指揮のル・セルクル・ド・ラルモニー。

温泉地にオペラハウスというと、なんだか熱海や草津に歌舞伎座があるみたいだが、療養目的の長期逗留が多いヨーロッパの温泉地では暇を持て余した湯治客のためにカジノやオペラハウスを設け、昼間は入浴、夜は社交に励んでもらうというわけだ。私はたった1泊するだけだが、せめて温泉社交場の雰囲気だけでも味わいたい。

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↑ Opéra de Vichyの、おいしそうな表紙の夏シーズン・プログラムはこちらからダウンロード可能。

デンマークからヴィシーには直行便がないので、まずパリに飛び、そこから鉄道でヴィシーに向かうことにした。せっかくだからパリにも何日か滞在しよう。その間に上演されるオペラを調べたら、ミンコフスキが指揮するグノーの「ミレイユ」は話題作だけにチケットが入手できなかったが、オペラ・バスティーユで上演されるセビリアの理髪師のチケットが取れた。一時、ロッシーニばかり聴いていた時期があるが、最近はとんとご無沙汰だったので良い機会だ。ロジーナはカリン・ドゥシェーというフランスのメゾ(見覚えがあると思ったら、アイム指揮のバッハとヘンデルの宗教曲のCDでソリストをやっていた人だ)、アルマヴィーヴァ伯爵はアントニーノ・シラグーザ。チケットはネットで予約すると無料で郵送してくれる。予約後、早々にチケットが届いて嬉しかったが、郵便物が不明になる事故が後をたたないフランスでは、直前の予約を除き一律にチケットを郵送というのはどうかと思う。
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コペンハーゲンからパリまでの飛行機、パリからヴィシーまでの列車の早割予約も抜かりなく押さえ...

↓ ついでにこんなものまで取り寄せた。
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もう、おのぼりさんモード全開である。
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by bonnjour | 2009-07-23 10:02 | 暮らす
寂しく暗い森で


W.A. Mozart "Dans un bois solitaire"(寂しく暗い森で) K. 308 (295b)
Werner Güra - Tenor
Christoph Berner- Piano
エディンバラ旅行も終わり、やっと通常の生活に復帰した。入院と療養、締めくくりに旅行でちょうど1カ月休業したら仕事のスピードが妙に遅くなっていて、困ったことだ。頭もリハビリしなくては。

「モーツアルトを聴くと頭が良くなる」という話がまことしやかに広がったこともあったが(と、無理やり話をつなげて...)、先日、エディンバラのナショナル・ギャラリー内で開かれたミニ・コンサートで聴いて良いなと思ったモーツアルトの「Dans un bois solitaire(寂しく暗い森で)」を聴き返している。モーツアルトの数少ない歌曲は大半がドイツ語の詩によるものだが、この曲と「Oiseaux, si tous les ans(鳥よ、年ごとに)」K. 307 (284d)だけはフランス語の歌詞に基づいている。「アリエッタ」(小アリア)と名付けられている通り、歌曲としては大掛かりな構成で、ストーリーに従って速度記号もアダージョ、プレスト、アレグロ、アダージョと推移する。モーツアルトのメロディにフランス語が乗るというのもなかなか味があることを発見した。上のYouTubeではドイツのテノール、ヴェルナー・ギューラが甘い声で歌っていて、なかなか良い。

【歌詞大意】
ある日、私は寂しく暗い森の中を歩いていた
木陰で子供が眠っていたが、それは怖ろしい愛の神(キューピッド)だった
ささいなことで目を覚ましてしまったキューピッドは
復讐の弓を掴み、無慈悲な矢で私の胸を射る
キューピッドは言う「さあ、シルヴィアのもとへ行け。
もう一度思い焦がれ、やつれ果てるのだ。
僕を起こしてしまったのだから、
一生涯彼女を愛するがよい」
    --- 詩: Antoine Houdar de La Motte 作 


このサイトで伴奏付き楽譜が再生できる。プレイバックにはSibelius Scorchという無料ソフトのインストールが必要。また国際モーツァルテウム財団のサイトでオンライン楽譜(私的利用に限り無料)が提供されている(K.の欄にケッヘル番号308を入力してGoボタンを押す)。

おまけ。元凶のキュービッド。
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William Adolphe Bouguereau (1825-1905), "Cupidon" (1875)
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by bonnjour | 2009-07-18 22:09 | 暮らす
身ぐるみ剥がれるレストラン
日本のYahoo!のニュース・サイトに「ローマのレストラン、日本人観光客への『ぼったくり』で閉鎖」という見出しで、ローマの有名レストランで法外な料金を請求された日本人観光客が警察に相談に行き、その店は営業停止処分を受けたというニュースが載っていた。

日本のガイドブックにも「手頃な価格で美味しい店」と紹介されるその店で昼食を取った日本人カップルは、695ユーロ(約9万3,000円)を請求され、いったんはカードで支払いをしたものの、納得がいかず警察に届け出たという。パスタ、伊勢海老(<==「時価」だったらヤバそう)、ワイン、ジェラート等を楽しんだ後で示されたお勘定の内訳は、食事代が579.50ユーロ、勝手に加算された「チップ」が115.50ユーロとのこと。それは青くなることだろう。ガイドブックにあるメニューでは日本人の好きなスパゲティ・ボンゴレが12ユーロ(約1,600円)、ローマ名物サルティンボッカが18ユーロ(約2,400円)等、確かにローマの有名店としては手頃な価格だ。

このニュースは現地でも話題になっているようで、ローマに本社のある大衆的な日刊紙La Repubblica(余談になるが私はイタリアに行くとこの新聞を詐欺避けのお守りとして買い、現地在住者を装う。紙面は日本でいうと読売新聞みたいな感じだが、論調は左寄り)や、ミラノで発行されているCorriere della Sera(保守系の大手日刊紙)でも大きく報道されている。

Corriere della Seraの記事にはご丁寧にも証拠品のレシートまで掲載されているが、明細(大人2人分)が傑作だ。

前菜 (142 ユーロ)
パスタ・スープ類 (208 ユーロ)
魚料理 (82,50 ユーロ)
デザート (31 ユーロ)
ワイン (108 ユーロ)
以上にパン、ミネラルウォーター等を加算して579,50ユーロ。
それと別にチップとして115,50ユーロ。

一流レストランで稀少価値のある最高級ワインを頼めば勘定は700ユーロどころか天井知らずになるし、たいていのぼったくり店では「お店おすすめのワイン」(実は安物)を値段を知らせないままオーダーさせて料金を釣り上げるのが常道だが、ここではワイン108ユーロという、ありうるような、ありえないような微妙な価格設定にしてあるところが巧妙だ(ちなみにオーダーしたのはごく平凡なソーヴィニヨン・ブランだったそうで、そうなると108ユーロはどうみても暴利だろう)。逆に食事の部は、食材(例えば新鮮な伊勢海老や最高級のキャビアなど)によっては「ありえなくも、ない」価格なのが狡猾である。確かにパスタ類が208 ユーロというのは、「スパゲティの上に大量の金箔でも振りかけたんですか?」とツッコミを入れたくなるけれど。

今回は、お客さんにも迂闊なところがあって、値段を確認しないままに「お任せ」で料理を持ってきてもらったそうだ。日本の寿司屋のように「お任せでお願いします」といえば、お客の身なりや年恰好を考慮して適当な料金内で握ってくれる阿吽の呼吸が通用しない海外、とりわけ「騙すのが悪いのでなく、騙されるようなスキがある人間が悪いのである」という人生観がまかり通る国では、その一言が命取りになることに注意しなければならないだろう。それと同時に、モヤモヤしたら泣き寝入りせず、今回のようにしかるべき機関に通告することも大切だ。(「またですか」で終わることも多いけれど)。

このような「事件」は、実はローマやパリなど、一大観光地では日常茶飯事なのではないかと思うが、調子に乗りすぎたこの店が「見せしめ」のため営業停止処分を受けた、という気もする。なお、営業停止処分の理由は、ぼったくり行為でなく、調理場の衛生管理の不備と違法労働者の雇用だそうだ。そのあたりにも、どこからを「ぼったくり」というか、線引きが難しい現実がうかがえる。

↓ これがメニューに「時価」として載っていたら、要注意。さわらぬエビに祟りなし。
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by bonnjour | 2009-07-05 21:58 | 暮らす
頭のリハビリも必要?
連日の猛暑。といっても最高気温が27度くらいなので本当は猛暑と呼ぶべきではないのだが、建物の作りが寒冷地仕様なので、冬の乏しい光を取り入れるための大きな窓から一杯に夏の日差しが差し込むのと、夜になっても部屋の中の気温が外気温並みに下がらないのが暑いと感じる原因だ。

相棒は今日からエジンバラに1カ月の出張。手術後の療養期間と称して今まで上げ膳据え膳を満喫してきた身にはちょっと残念だが、実は驚異的な回復力で体調はほぼ元通りになっている。相棒は私の回復の様子を見ながらギリギリまでエジンバラ行きの航空券手配を保留していたので、結果的に割高になってしまったのは申し訳ない。

自分の取引先にはかねてから4週間の休業をお知らせしてあるのだが、家でのんびりと休養していると心身ともになまっていく感じで、仕事再開に向けて頭のリハビリも始めないと危なさそうだ。といいつつ、体調がいいのに気をよくして「仕事復帰前に私もちょいとエジンバラに命の洗濯♪」と昨日、往復航空券を衝動買いしてしまった。諸経費込みで往復2万円弱。来週、相棒の滞在しているアパートに数日間転がり込む予定だ。スコットランドに行くのは初めてなので楽しみ。そこで散財すれば(名物料理のハギスを食べるとか、スコッチウィスキーを極めるとか)、少しはその後の労働意欲が出るかもしれない。

↓ 我が街の、運河のほとりの洒落たカフェは夏になるとテラス席が大人気。
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by bonnjour | 2009-06-30 18:22 | 暮らす
実は王室ネタが好き
実はヨーロッパの王室ネタが好きだ。昔、ベルギーを旅行中に当時のボードワン国王が逝去し(1993年のこと)、地元のマスコミは当然ながら国王崩御の報道一色となり、その熱気につられて地元の雑誌の国王追悼号を買ったのが王室ウォッチングの始まり。日本で圧倒的に有名な英国王室は有名すぎてウォッチのし甲斐がないので、ベネルクスや北欧諸国の王室が狙い目だ(笑)。

そのひとつであるデンマークでも、ご多分にもれずゴシップ誌の表紙にはデンマーク王室のメンバーが度々登場し、その動向がこと細かに報道される。

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ということで、表紙の常連さんである王室メンバーの方々を順不同でご紹介。

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上の写真の二人は同一人物みたいに見えるが別人で、ともに外国からデンマーク王室に嫁いだ民間女性だ。右がオーストラリア出身で、シドニー・オリンピックの際にフレデリック皇太子と知り合い、妃となった旧姓メアリー・ドナルドソンさん。左がフレデリック皇太子の弟であるヨアキム王子の二度目の妃となった(昨年成婚)フランス人の旧姓マリー・カバリエさん。顔が似ているだけでなく名前まで同じなので話題になった。若くて美しい二人の妃のファッション対決が地元雑誌をたびたび彩る。ちなみに皇太子妃メアリーのお父さんはオーストラリアの大学で教鞭をとる数学者で、少し前に相棒の勤務先に客員教授として赴任していたが、我々がデンマークに来る前に離任された。宿舎が一緒だった方の話によると「娘が王室メンバーになったことなど感じさせない、気さくなオジサンという感じだった」とのこと。

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フレデリック皇太子(右)およびヨアキム王子(左)の結婚式の写真↑ も、お妃のソックリぶりがわかって面白い。フレデリック皇太子夫妻には一男一女があり、ヨアキム王子にも前回の結婚でもうけた二人の王子に加え新妻マリー妃が今年5月に男児を出産と、後継ぎに恵まれてめでたいことである。

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↑ こちらはヨアキム王子の初めの妃で、二児をもうけた後に離婚した旧姓アレクサンドラ・マンリーさん。香港の英国系コミュニティで生まれ育った人で、英中混血の父親と東欧系の母親を持つ中国系クォーターだ。1995年の成婚時にはヨーロッパ王室に入った初の東洋系女性として話題になったが、わずか1年で難解なデンマーク語を完璧にマスターし、その聡明さと美貌、公務への熱心な取り組みで国民の圧倒的な人気を得た。遊び人のヨアキム王子と2005年に離婚した後、2年後に14歳年下の王室カメラマンと再婚して世間をあっといわせたが、民間人に戻った今もその人気は衰えず、セレブとしてゴシップ誌がウォッチを続けている。ちなみに一番上の写真はゴシップ誌の表紙例だが、ヨアキム王子と婚約者(当時)のマリー・カバリエ嬢が、前妻アレクサンドラ妃が生んだ二人の王子と仲むつまじくスキーをする様子を中央に据え、左にはアレクサンドラと再婚相手のカメラマンの写真が並んでいる。

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↑ デンマークの元首であるマルグレーテ2世女王と、王配のヘンリック殿下。美人で気さくな性格といわれる女王は、まさに「国母」の風格がある。フランス貴族出身のヘンリック殿下は幼少時を仏領インドシナで過ごした元外交官で、東洋研究の拠点として名高いフランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)でベトナム語と中国語を学んだが、いまだに仏語訛りが抜けないデンマーク語は国民の格好のジョークのネタらしい。国家元首の夫という立場は、出しゃばりすぎてはいけないし、かといって存在感がないのも困るから、身の処し方が大変だと思う。外交官というやり甲斐のある仕事を辞めて外国の王室に飛び込んだ勇気は相当なものだろう。
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by bonnjour | 2009-06-25 17:52 | 暮らす
デンマークで患者になる 番外編 阿片の夢想
手術翌日、かなり傷口が痛むのでモルヒネの錠剤を処方された。モルヒネは依存性が非常に強い麻薬なので、各国ともその使用には法律で厳しい制限が設けられているが、疼痛の緩和には大きな効果がある。とはいえ、こんなに簡単に投与されちゃっていいのだろうかと拍子抜けした。

モルヒネはいわずと知れた阿片に由来する物質なので、錠剤を飲んだ後はベッドにもぐり込み、持ち込んだiPodでこの曲↓を聴く。一度、やってみたかったんだよねー。



カミーユ・サン=サーンス作、Tournoiement - 'Songe d'opium' (渦巻き「阿片の夢想」)
Op.26-6 「ペルシャの歌」(1870)より

演奏: フィリップ・ジャルスキー (カウンターテナー)
     ジェローム・デュクロ (ピアノ)


ガイドラインに従って適切な量を処方してもらったおかげで、痛みが消えただけでトリップ状態にはならず、「阿片の夢想」を実体験できなかったのは残念、いえ、幸運でした。
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by bonnjour | 2009-06-17 23:04 | 暮らす
デンマークで患者になる その3 またたく間に病院滞在は終わり
またたく間に2泊3日の病院滞在が終わり、水曜日に退院となる。実は前日、看護師さんから「経過が良いので希望するなら今日退院できますけど、どうします?」ときかれ、さすがにそれは怖いので予定通りの水曜日退院を選んだ。

退院前に看護師さんから今後の生活に関する注意とフォローアップについて説明を受ける。傷口にはまだホチキス状の物体がはめられたままだが、これは1週間後に家庭医(住民登録時に特定の医師を指定して登録する)のところで抜鉤する予定。このように、デンマークでは専門的な処置を行う病院と、患者の生活に密着した家庭医の分業体制ができている。また今回の入院手術の総まとめのフィードバックも4週間後に家庭医から行われることになっている。こうして家庭医のところに患者の病歴情報が集中管理されるシステムは大変に優れていると思う。日本では複数の医療機関に記録が分散しているので、日本からヨーロッパに引っ越してくるときは今までかかった医療機関を回って過去の記録を集めるのに苦労した。

今回の入院で感じたこと。患者の質問には医師が時間をかけて丁寧に答えてくれるなど、コミュニケーションと情報公開がしっかりしている。医師・看護師をはじめとする病院スタッフがみなフレンドリーでよく気が付く(全員が上手な英語を話すのも外国人の患者にとってはありがたかった)。患者を必要以上に甘やかさず早期のリハビリを奨励している。院内の至る所に手指消毒用のアルコール・スプレーが備え付けてあり、院内感染を防いでいる(潔癖症の相棒は、これがすっかり気に入ってしまった)。

↓ ナース・ステーションの前に置かれた飲み物とスナックのワゴン。飲み物は温かいコーヒー、紅茶と水、ジュース数種類。スナックは果物と数種類のドライフルーツ&ナッツ類。入院患者はセルフサービスで好きなときに好きなものを頂ける。1日に最低でも1リットル半以上の水を飲むようにいわれたので、このワゴンをたびたび襲撃して色々と頂いてしまった。

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by bonnjour | 2009-06-17 20:39 | 暮らす
デンマークで患者になる その2 大いに食べて歩く
手術翌日の火曜日。午前中、担当医の先生が病室に様子を見にきてくださった。手術は大変にスムースにいって何も心配することはないとフィードバックを受ける。午前中に点滴の管も外されて自由になったのがうれしい。

朝食は焼き立てのパンとチーズ、ヨーグルトにココアドリンクと紅茶。毎回の食事は廊下に回ってくるワゴンで好きなものを選べる。

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手術の24時間後にはシャワーも許された。さすがに今日は髪の毛は洗わないようにと指導される。病室に付属のシャワールームには椅子が備え付けられていて、それに座ってゆるゆると湯を流す。早々にシャワーが使えると、病人気分が一掃されて助かる。

さて、昼食はこんな感じ↓。蛋白質と水分をふんだんに取るのが早期回復のコツと心得て、色々もらってしまった。担当の看護師さんからは、この旺盛な食欲を大いに褒められる。大食いを褒められた経験など、大人になってからは皆無だったので(普通そうでしょう)、調子に乗って完食する。

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回復には栄養を取ってどんどん身体を動かすことが大切なので、定期的にベッドから這い出して病室の廊下をガシガシと歩いた。傷口の痛みは、ふんだんに投与される鎮痛剤でかなりましになっている。どうやら徹底的に痛みを封じ込めて、廊下を歩くなど活動的な状態に置くことで患者のリハビリを促進しているようだ。

こちらが夕食のメニュー↓。メキシコ料理風のトルティーヤ(中には野菜のクリーム煮が入っている)、ハンバーグ、サラダにデザートはイチゴのコンポートと洋ナシ。飲み物は蛋白質補給を考えて牛乳。

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by bonnjour | 2009-06-17 18:52 | 暮らす
デンマークで患者になる その1 2泊3日のアドベンチャー開始
日本にいた頃から抱えていた持病の治療のため、地元デンマークの病院で手術を受けることになった。命にかかわるようなものではないのでずっと経過観察していたが、不快な症状が出るようになったのでここが潮時と観念した次第。生まれてから今まで入院経験は皆無なので、勝手の分かっている日本に戻って治療を受けることも考えたが、難しい手術ではないのと、福祉先進国といわれるデンマークの医療を実体験してみるのも面白いかも、という好奇心で地元での治療を決めた。

入院したのは大学病院で、デンマークではコペンハーゲンの大学病院に次ぐ規模とのこと。当地では家庭医制度が徹底していて、まずは住民登録時に指定した近所の家庭医の診察を受け、必要に応じて専門医を紹介してもらう。私の場合も家庭医の紹介で大学病院に回されたのが昨年のこと。何回か通院、検査を経て6月15日に手術を行うというアポを取った。

前の週の木曜日に担当医と麻酔科の医師、そして看護婦さんと3時間ほどの面接があり、治療の概要や手術の準備について説明を受けた。デンマークの病院では無料で医療通訳の手配もしてくれるそうだが、幸いスタッフ全員が上手な英語を話すので通訳の必要がなかったのは助かった。事前に渡された資料一式はデンマーク語だったが、辞書とネットの自動翻訳でなんとか解読。その日は家に帰り、手術当日の月曜日に病院に出向く。

麻酔をかける前に住民登録番号(この番号で健康保険を含む住民サービスの一切を管理している)と、これから受ける手術の内容を自分の言葉で説明するよう求められ面食らったが、患者の取り違え事故を防ぐための措置ときいて、納得。麻酔をかける間も、進行中の出来事について医師が英語で逐一説明してくれるのはありがたい。全身麻酔のおかげで何も感じないままに手術が終わり、近年まれにみる爽やかな目覚めを迎えた(麻酔科の先生は凄腕かも)。目が覚めるなり、一番気になっていた緊急輸血の有無をたずね、輸血不要だったことを知って一安心。2時間ほどで昼食の時間になったのでしっかりと食事を頂く。パンとチーズとイタリア風スープ。旺盛な食欲に自分でもビックリ。

こうして病院に2泊3日のアドベンチャーが始まった。ちなみに同様の手術を日本で受けた場合、平均的な入院期間は1週間~2週間らしい。医療費をすべて税金でまかない自己負担ゼロを実現しているデンマークだけに、入院期間は必要最小限にとどめ、後は自宅療養と家庭医によるフォローにまかせて徹底的な合理化を図っている。医療費の高騰が問題になっている日本でも見習うことは多いだろうが、その前に患者の意識を変える必要があるだろう。開腹手術の3日後に自宅に帰されることに不安や不満を感じる患者さんも多いだろうから。

↓ なかなか快適な病室。2人部屋で専用のバス・トイレ付き。1泊目は一人だったのでますます寛げた。
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by bonnjour | 2009-06-17 15:00 | 暮らす